Posted by: 菖蒲谷 雄
業務執行役員 IoTデバイス本部 本部長
皆さん、こんにちは。日本マイクロソフトで IoT(Internet of Things、モノのインターネット)デバイス向け Windows の日本におけるセールスを担当している菖蒲谷です。皆さんは PC 以外にも身の回りにある身近な機器に Windows が搭載されているのをご存知でしょうか?スーパーの POS 端末や銀行の ATM、コンビニの KIOSK に街中のデジタルサイネージなど、これらの多くは Windows で動いています。こうした組込み機器に特化したオペレーティングシステムは、これまで「Windows Embedded」として親しまれてきましたが、Windows 10 の提供とともに、とくに IoT で使用されるデバイスを意識して「Windows 10 IoT」として開発されました。
11 月 17 日(火)~ 20 日(金)に、マイクロソフト米国本社から IoT デバイス本部セールス&マーケティングのゼネラルマネージャーであるロドニー クラークと、同じく IoT テクニカルセールスのゼネラルマネージャーであるカール コーケンが来日して Windows 10 IoT 記者説明会と、IoT Technology 2015 における招待講演や展示を行いましたので、その模様を簡単にご紹介したいと思います。
記者説明会ではロドニーとカールから Windows 10 IoT の製品概要について説明しました。Windows 10 IoT は、大きく分けて 3 つのエディションがあります。POS、ATM、医療機器など PC 様のハイエンドな組込み機器に対しては、Windows 10 IoT Enterprise、ハンドヘルドのようなモバイル端末向けにWindows 10 IoT Mobile Enterprise、そしてメモリ 256MB という小さなフットプリントで動作する今まで Windows がカバーしてこなかった領域のデバイスに搭載できる Windows 10 IoT Core です。この Windows 10 IoT Core は、開発者やメーカー向けには無償で提供しており、デバイス設計者にはおなじみの Raspberry Pi 2 にも対応しているので、簡単にお試しいただくことができます。
Windows 10 IoT の主な特徴は3つあります。One Windows Platform、セキュリティ、接続性です。
One Window Platform
大きなデバイスから小さなボードまで、One Platform を提供することにより API も共通となるので、開発工数がぐっと減少します。
セキュリティ
Windows 10 が持っている Microsoft Passport、Bit Locker、Device Guard といった機能に加え IoT 向け OS が持つ書き込み防止フィルターなど、各種ロックダウン機能の提供により、エンタープライズレベルのセキュリティを備えています。
接続性
従来から Windows が得意とする様々な周辺機器との接続性は継承しつつ、IoT に不可欠な Microsoft Azure との親和性や AllJoyn の対応など、Windows 10 でますます強化されています。
さらに、フロントからバックエンドまで一貫したセキュリティを保ち、開発環境の統一による工数削減及び期間短縮の利点をご提供するため、マイクロソフトでは、Windows + Azure IoT をお客様にご提案しています。Azure IoT Suite は、よくある IoT のシナリオに合わせて機能を組み合わせているため、デバイスをつなげることですぐに IoT を始めることができます。そのデバイスを新プログラムである Azure Certified に登録しておけば、認定デバイスとしてIoTプロジェクトのご紹介など、マイクロソフトより様々な特典を受けることができます。
また、会場には Windows 10 IoT を搭載した、パートナー各社の IoT ソリューションを展示して、報道関係者に体験いただきました。Windows 10 IoT Enterprise を搭載した産業用 PC から Windows 10 IoT Core を搭載したゲートウェイによる様々な業界向けのIoTまで、たくさんのソリューションをご紹介したのですが、中でも注目を集めたのは、データを取得するために製造された産業用ドローンです。IoT 時代には、現在は存在していないデバイスからもデータが取得され、ビジネスを活性化させたり、人々の暮らしに役立ったりすると言われています。インターネットが普及する前には想像もつかなかった SNS やオンラインショッピングビジネスのように、IoT におけるドローンの活用も新しいビジネスを予感させます。
—
IoT Technology 2015 では、これらのデモを組込み業界のお客様にご紹介しました。弊社ブースでは、22社の展示パートナーにご協力いただき、マイクロソフトブースを盛り上げていただきました。ご協力いただいたパートナー企業と展示ソリューションは以下の通りです。
展示ご協力パートナー様(敬称略)
- アヴネット株式会社
スマートアグリカルチャーソリューション - アドバンテック株式会社
Microsoft Azure上で動作するWISE-PaaSによるセンサーデータ収集 - 株式会社インタフェース
Windows 10 IoT Enterprise対応「電源ブチ切り」対応省エネFAPC Classembly Devices - HPCシステムズ株式会社
Windows 10 IoT対応IoTハードウェアソリューション M101B 10.1インチタブレット - NEC(日本電気株式会社)
Windows 10 IoT 搭載 業務用タブレット
NEC画像認識技術によるWindows 10 IoT + Microsoft Azure来場者測定ソリューション - エプソンダイレクト株式会社
Windows 10 IoT 幅45mm省スペースPC Endeavor ST170E - 岡谷エレクトロニクス株式会社
Windows 10 IoT 販売代理店
クラウド対応バーコードスキャンシステム - 株式会社コンテツク
Windows 10 IoT対応FAPC VPC-1600シリーズ - 株式会社ダックス
Windows 10 IoT対応 FAPC HFBX-100 - 東京エレクトロンデバイス株式会社
Windows 10 IoT 販売代理店
リモートモニタリング・コントロールと画像解析による故障予測 「Falcon Link MK II」 - 株式会社東芝
Windows Embedded OS対応 FAPC 「FA3100SS model 1000」 - ネクスコムジャパン株式会社
Windows 10 IoT Core + Microsoft Azure対応産業用ゲートウェイ「NISE105」 - 株式会社日立産業制御ソリューションズ
Windows 10 IoT Enterprise 対応FAPC「HF-Wシリーズ」「HF-BX/BTシリーズ」 - 株式会社PFU
Windows 10 IoT Enterprise 対応FAPC「AR2100/AR2200」 - 株式会社V-net
1D/2D バーコードスキャンデータをMicrosoft Azureにつなげるソリューション(岡谷エレクトロニクスと連携) - ベッコフオートメーション株式会社
Windows 10 IoT Core対応 小型組込み型コントローラ CX5130 - 株式会社マウスコンピューター
Windows 10 IoT Enterprise搭載スティックPC - 横河ディジタルコンピュータ株式会社
組込みツールメーカーによる組込み/IoT
受託開発解析支援ソリューション - 菱洋エレクトロ株式会社
Windows 10 IoT 販売代理店
Windows 10 IoT タブレット+Beaconによる位置管理業務 - 株式会社NTTデータMSE
Windows 10 IoT Core 搭載DragonboardによるAllJoynデモ - クアルコムジャパン株式会社
Windows 10 IoT Core搭載Dragonboard
(アロー・ユーイーシー・ジャパン(株)) - ドローンワークス株式会社
Microsoft Azureと連携するWindows 10 IoT 搭載 産業用ドローン
※上記は代表的な展示物をご紹介しています。
※展示物の中には参考出展も含まれます。
各ソリューションをご紹介するミニシアターセッションも行われ、多くの方が足を止めて興味深く聞いていらっしゃいました。
2 日目に開催されたロドニーとカールの招待講演では、デバイス製造企業の皆様に対して、IoT ビジネスの可能性に始まり、Windows 10 IoT のご紹介、IoT においてマイクロソフトがパートナーにどのような価値をもたらすかを講演しました。
「モノ」から取得したデータを蓄積、管理、分析してビジネスインテリジェンスを生み出すのが、マイクロソフトの提唱する IoT です。それを実現するには、複数のパートナー企業の協力が必要なケースが多くあります。デバイスからクラウドまで、IoT を構成する技術要素を End to End で提供する唯一の会社であるマイクロソフトだからこそ、それぞれの専門知識を持ったパートナーをご紹介できます。それにより、パートナー各社のビジネスの変革をお手伝いできるというわけです。
今回の活動を通じて、IoTに必要な技術要素、今すべきことは何か、可能性に満ちたIoTを具現化するヒントをご提案しました。IoTの導入支援を検討されている方は、日本マイクロソフトまでお気軽にご相談いただければと思います(お問い合わせ:[email protected])。
[参考情報]
ビジネス向けの Windows 10 IoT
Windows デベロッパーセンター for IoT
IoT キットハンズオントレーニング
Windows Embedded(英語)
—
本ページのすべての内容は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。正式な社内承認や各社との契約締結が必要な場合は、それまでは確定されるものではありません。また、様々な事由・背景により、一部または全部が変更、キャンセル、実現困難となる場合があります。予めご了承下さい。