電通と日本マイクロソフト 人工知能型 OOH 広告ソリューションを提供開始

[2017年12月13日]

キャンペーン効果のリアルタイム測定と視線検知によるインタラクティブ機能を実現

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)と日本マイクロソフト株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長:平野 拓也)は、OOH 広告として国内で初めてとなる 「リアルタイムオーディエンス分析・効果測定」と「視線検知」によるインタラクティブ機能を実装した人工知能型 OOH 広告の提供を開始します。

モバイルデバイスのさらなる進化、IoT などの急速な進展によって、消費者の購買動向が多様化する中、OOH 広告においてもその効果をリアルタイムに測定・分析し、新たなマーケティング活動に活用することは広告業界にとっての至上命題となりつつあります。本サービスは、電通が広告ビジネスで培った多くの知見と、多方面での画像認識技術の実績が豊富なマイクロソフトのクラウドベースの AI「Cognitive Services」を掛け合わせることで、通行量計測はもとより、実際に広告を見た人(オーディエンス)の人数や性別などの計測、視線検知によるインタラクティブな広告切り替えなどを可能にしました。これにより、広告主はオーディエンスの属性、動向や反応などを可視化されたデータとして得ることができ、従来はデータ把握が困難であった OOH 領域においても、正確かつ効率的なマーケティング戦略を迅速に立案できるようになりました。

本サービス提供開始にあたり、先進的な OOH 広告に取り組んでいる資生堂ジャパン株式会社の協力を得て、2017 年12月11日(日)~12月24日(日)の間に実証実験を行います。都営地下鉄六本木駅の 1 番線・2 番線ホームのデジタルサイネージ「六本木ホームビジョン」にメイクアップブランド「MAQuillAGE」の広告を設置するものです。

電通と日本マイクロソフトは共同でサービスの拡販を実施し、2018 年 6 月末までに国内 5 社の OOH 広告での採用を目指します。両社はこの取り組みを通しさらなる技術的な協業を強化することで、今後も大きく変化するOOH広告のクライアントニーズに対応できる革新的なサービスを提供し続けてまいります。

【本サービスで実現できる内容】

▽オーディエンス情報の取得
≪性別、年齢、感情≫
オーディエンスの性別、年齢と感情(怒り、軽蔑、嫌悪感、恐怖、喜び、中立、悲しみ、驚き)を自動判別
≪顔の向き、視線≫
オーディエンスの顔の向きと視線(デジタルサイネージのどの部分を見ているのか)を判定
≪通行量≫
デジタルサイネージ前の通過した人数を認識

▽オーディエンス情報に基づく広告素材の出し分け
センサーにより取得されたオーディエンスの行動(視線位置・顔の向き)、さまざまな属性情報(年齢、性別、感情など)などにより広告を出し分け

▽オーディエンス情報のレポート提供
Power BIを使ったダッシュボードでオーディエンスに関する各種情報をレポートとして表示

広告主は従来、設置場所の特性(東京の場合、原宿だと若者向け広告、表参道だとファッション関係など)を考慮し OOH 広告を展開しておりました。本サービスの登場によって、実際の媒体の前を通るオーディエンス属性に適した広告を掲出できるようになります。また、効果測定においても従来は、広告を掲出する施設の利用人数・乗降客数や、Web などでのアンケート情報などデータを利用するのみで、OOH 広告におけるリアルなオーディエンスデータは取得できていませんでした。本サービスによって、実際の通行量とオーディエンスの属性を把握し、かつリアルタイムでレポートすることで、重層的な広告投資対効果(ROI)を迅速かつ正確に把握することができるようになります。

【実証実験の概要】

  • 実施期間:2017年12月11日(月)~12月24日(日)
    ※平日5時~10時の時間帯は除く
  • 設置駅 :都営大江戸線六本木駅 1番線・2番線ホームに設置のデジタルサイネージ
    「六本木ホームビジョン」
  • 視線検知によるコンテンツの出し分け:
    同駅のホームに設置されているクラウド型デジタルサイネージ(NEC「情報・コンテンツ配信クラウドサービス」)とデジタルサイネージの画像認識センサーを利用し、オーディエンスの視線に合わせた広告表現の出し分けを実践します

※本サービスの利用に際しては、総務省公表のカメラ画像利活用ガイドブックver1.0に基づき、基本原則及び利活用の過程(事前告知、取得、取扱い、管理)ごとに対策を実施します。

<広告イメージ>

  • オーディエンスレポート(効果測定):
    マイクロソフトのクラウドプラットフォーム Microsoft Azure にデータを伝送し、Microsoft Azure Cognitive Services Face APIによって、視聴者の属性を計測、さらにはSenseTime Group Limited社が提供するディープラーニングによる画像認識技術により(Microsoft Azure上で稼働)、広告前の交通量を把握します。

視聴レポート(例

 

Microsoft Azure とは
Azure は開発者や IT プロフェッショナルがアプリケーションのビルド、デプロイ、管理に使用できる包括的なクラウド サービスのセットであり、Microsoft の世界規模のデータセンター ネットワークを介して利用できます。統合ツール、DevOps、およびマーケットプレースによって、シンプルなモバイル アプリからインターネット規模のソリューションまで、あらゆる機能を効率的に構築できます。

NEC 情報・コンテンツ配信クラウドサービス
企業や自治体が、商品情報や交通情報、施設情報、観光情報などのコンテンツをデジタルサイネージに配信する際の、コンテンツ登録・保管・配信機能をNECのクラウドサービスとして提供するものです。
必要な機能・システム・ソフト・ハードをNECよりトータルで提供することで、お客様のデジタルサイネージ活用を手軽に実現します。

SenseTime とは
SenseTime社は、北京、深圳、香港、京都、東京にオフィスを構え、コンピュータビジョンとDeep Learningに焦点を当てた,企業価値15億ドル以上の、中国最大のAIユニコーン企業で、その技術を活かし、金融、セキュリティ、スマートフォン、顔認識、動画分析、数多くの業界に貢献してきました。

システム開発パートナー紹介
NEC(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 兼 CEO :新野 隆)
担当範囲:オーディエンス情報に基づく広告素材の出し分け、六本木駅ホームビジョン

 

クリエーションライン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:安田 忠弘) https://www.creationline.com
事業概要: クラウドインテグレーション事業、DevOps関連事業、データ分析サービス事業、MSP事業
担当範囲:Azureインフラ構築、およびデータ解析とPower BIによるレポート表示部分を担当。

株式会社フューチャースタンダード (本社:東京都文京区、本社:代表取締役:鳥海 哲史) http://www.futurestandard.co.jp
事業概要:映像解析プラットフォーム「SCORER」事業
低単価・高品質なネットワークカメラの販売・設置から、撮影した動画の映像解析・画像認識を用いたプラットフォームの提供
担当範囲:センサーデバイス、および映像解析プラットフォームSCORERにより、視線検知とSenseTime交通量分析部分を担当。

 

【日本マイクロソフト株式会社について】
日本マイクロソフトは、マイクロソフト コーポレーションの日本法人です。マイクロソフトは、モバイル ファースト& クラウド ファーストの世界におけるプラットフォームとプロダクティビティのリーディングカンパニーで、「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)」を企業ミッションとしています。
日本マイクロソフトは、この企業ミッションに基づき、「革新的で、安心して使っていただけるインテリジェントテクノロジを通して、日本の社会変革に貢献する」企業像を目指します。

マイクロソフトに関する詳細な情報は、下記マイクロソフトWebサイトを通じて入手できます。

日本マイクロソフト株式会社 Webサイト http://www.microsoft.com/ja-jp/
マイクロソフトコーポレーション Webサイト http://www.microsoft.com/

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