「インテリジェントエッジ インテリジェントクラウド」の世界における開発者を支援

[2018年5月23日]

今年5月にシアトルで開催された開発者会議BUILD 2018において、マイクロソフト コーポレーション CEOのサティア ナデラは、開発者が現在進行している社会変革へ大きな役割と責任を負うこと、そして当社が「世界を変えるためのツールやガイドで開発者を支援する」役割を果たすことについて改めてご紹介しました。

2020 年までに、個人が生成する一日あたりのデータは1.5 ギガバイト、スマートホームは50 ギガバイトに上るとみられています。ナデラは、クラウドとエッジデバイスが有機的に連携して、こうした膨大なデータを利用する「インテリジェントエッジ インテリジェントクラウド」の世界観について改めて紹介し、クラウドプラットフォームであるMicrosoft AzureとMicrosoft 365を活用した開発者の新たな機会に触れました。
(BUILD概要はこちら:AIとインテリジェントエッジが推進する未来の社会

5月22日、23日の両日にわたり開催された日本における開発者向けイベント「de:code 2018」では、BUILDの内容を踏まえながら、「LOVE to CODE」をテーマに、日本における取り組みもご紹介しました。

基調講演冒頭、当社執行役員 常務 デジタルトランスフォーメーション事業本部長 伊藤かつらより「コードを書き、アプリケーションを動かすことで、個人や組織のより大きな可能性を解き放つことができる」として、開発者支援へ強くコミットすることを表明しました。

注目の高いテクノロジーである人工知能(AI)については、当社を含めて産学にわたって日々新たなマイルストーンが更新されるほど、熱い開発競争が繰り広げられています。当社は、テクノロジーだけを追い求めるのではなく、現実の社会に沿って、AIの開発と利用を適切に行うために、一定の倫理基準が必要だと、当社は考えています。
伊藤は、開発者の方へのコミットメントに加えて、こうした見解を著した書籍「Future Computed:AIとその社会における役割」日本語版(PDF)を公開したこともご紹介しました。(ダウンロードはこちら

また、当社代表取締役 社長の平野拓也より、BUILDで発表された障碍者向けプロジェクト「AI for Accessibility」に関連した取り組みも発表しました。「AI for Accessibility」は、5年間で2500万ドル(約27億円)を障害のある方を支援するAI技術に投資するプログラムです。これを受け、日本では、一般社団法人 日本支援技術協会 (http://www.jatc.jp/)様と連携し、「Accessibility Developer Community」を5月22日付けで設立しました。障碍などによる困難のある方に向けて、AIなどの最新技術を活用して、よりよい製品やサービスの開発を促進することを目的にしています。

さらに、マイクロソフト自身のブレイクスルーとして、690万人のユーザーがいるソーシャルAIチャットボット「りんな」の会話エンジンを、次世代の「共感モデル」(アルファ版)へ移行することも発表しました。(発表はこちら

「共感モデル」(アルファ版)は、会話の相手(ユーザー)と、どのようにコミュニケーションをすれば良いか、AIが自ら考えるように設計されています。これにより、「りんな」は、会話の流れに基づいて、相手との会話が継続できるように、新しい話題を切り出したり、質問したり、相手を肯定するなど、最適な返答をリアルタイムで生成することができるようになります。中国や米国など、他地域のソーシャルAIチャットボットに先駆け、「りんな」は日本のチームが開発した「共感エンジン」に順次移行していきます。

開発者のコミュニティは日々拡大しています。特に、日本市場で大きな注目を集めるテクノロジーの3分野であるMixed Reality、IoT、AIでも日々勢いを増しています。当社としても、コミュニティ拡大を積極的に支援し、日本の開発者の方のユニークなアイディアを世界に向けて発信する手伝いをします。

  • Holomagicians:約1700名(2017年1月発足)
  • IoT ALGYAN(アルジャン):約2000名(2015年3月発足)
  • Deep Learning Lab:約3000名(2017年5月発足)
    ※いずれも2018年5月22日現在

今回のde:codeでは、「インテリジェントエッジ インテリジェントクラウド」の世界における開発ツールやエッジデバイスによる新たな開発機会、最新のクラウドテクノロジーなどを、マイクロソフト コーポレーションから招いたスピーカーから紹介しました。

ジュリア ホワイト 
マイクロソフト コーポレーション Azure Marketing コーポレートバイスプレジデント

インテリジェントプラットフォームとしてのAzureについて、AIやIoTの可能性について紹介したのがマイクロソフト コーポレーション Azure Marketing コーポレーションプレジデント ジュリア ホワイトです。

ジュリアは、Raspberry Piデバイスによるデモを交えたインテリジェントエッジを実現するAzure IoT Edgeや、自分でカスタマイズ可能なAIモデル、グローバル規模でのデータベースCosmos DBなど、Azureを軸に様々なサービスが連携出来ることを紹介し、「Azureを活用して、人々の生活に大きなインパクトをもたらす素晴らしいソリューションが生まれることを期待しています」と結びました。

ジュリア リウソン  
マイクロソフト コーポレーション Developer Division コーポレートバイスプレジデント

開発環境であるVisual Studioについて、最新状況を共有したのはマイクロソフト コーポレーション Developer Division コーポレーションプレジデント ジュリア リウソンです。
リモート環境にある開発者と、環境を共有したり、修正したり、コードを実行したりできるVisual Studio Live Shareや、処理速度を向上させた.NET Core 2.1について、実機によるデモを挟んで説明しました。

彼女からも「すべての開発者が、あらゆるアプリケーション、あらゆるプラットフォームであっても、迅速に開発できる、快適かつセキュアな環境を提供します。」と開発者への支援について、改めてコミットメントが表明されました。

ロレイン バーディーン  
マイクロソフト コーポレーション Mixed Reality Studios ゼネラルマネージャー

マイクロソフト コーポレーション Mixed Reality Studios ゼネラルマネージャー ロレイン バーディーンは、BUILDで発表されたHoloLensアプリ「Microsoft Remote Assist」と「Microsoft Layout」を紹介し、最前線で作業する人々がMRを活用することで、「より効率的で安全に、より多くのことが達成できるように支援します。」と今後のMR活用に期待を述べました。

実は、基調講演スピーカーの招聘にあたっては、ある意図を秘めていました。それは、社長の平野を除き、全員女性ということです。

de:code 基調講演スピーカーとデモンストレーション担当者

テクノロジーカンパニーとして、当社では多くの分野で責任有るプロジェクトをリードしています。彼女らをスピーカーとして招き、最新情報を伝えてもらうとともに、日本の女性技術者の活躍の参考にしていただくため、基調講演後に個人的な知見をスペシャルセッション「Women in Technology」で共有してもらいました。

テクノロジーの発展においても非常に重要です。マイクロソフトは、女性の技術者を支援することにコミットしており、幅広く取り組んで行く予定です。

Women in Technology セッション

「インテリジェントエッジ インテリジェントクラウド」の世界において、開発者による新しいアイディアとソリューションが生まれる中で、マイクロソフトは開発ツールとクラウドサービスを提供し、開発者を継続的に支援していきます。

 

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