AI を活用したスポーツ写真の人物特定機能を実現

学習済み AI やディープラーニングを組み合わせ、従来の約 8 分の 1 の時間で選手を特定可能に

日本マイクロソフト株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長:平野 拓也)は、富士フイルムイメージングシステムズ株式会社本社:東京都品川区 代表取締役:西村 亨)が、同社のクラウドベースの大容量コンテンツの共有および管理サービス「IMAGE WORKS」において、AI を活用したスポーツ写真の人物特定機能を実現したことを発表します。本機能は、一般社団法人日本野球機構(NPB)が管理・管理運営する NPB CIC(Contents Images Center)* 上へ、プロ野球の試合写真に写っている選手について、AI を活用して画像に選手名を自動でタグ付けする「選手名情報自動タグ付け機能」として実装しました。本機能は、2018 年 6 月より広島東洋カープをはじめとする 5 球団で試用を開始しており、2019 年には NPB CIC を導入している全球団が利用予定です。

日本プロ野球のセントラル・リーグとパシフィック・リーグを統括する NPB では、「IMAGE WORKS」を利用して、NPB CIC サービスとして展開し、各球団が所有する写真資産を一元的に管理しており、各球団の外部への写真貸出・請求管理なども業務サポートの一環として行っています。

貸出にあたっては、写真利用者が検索しやすいように各写真に写っている選手を特定し、タグ付けしておく必要があります。これまでは、多い時ではプロ野球 1 試合あたり 3,000 枚の写真の中から 300 枚程度の写真を選別し、各球団関係者が試合終了後約 4 時間かけ、マニュアルで選手の特定と選手名のタグ付けを行ってきました。

今回の写真解析には、学習済み AI である Microsoft Cognitive Services およびディープラーニングフレームワークである Microsoft Cognitive Toolkit を採用しています。具体的には、Microsoft Cognitive Services の Face API を活用した顔認識と、Microsoft Cognitive Toolkit により作成した独自判定モデルを組み合わせることで、選手の顔が写っていない斜めや横から撮影されている写真であっても、「打撃」「投球」「守備」「走塁」の 4 つのシーンの分類や選手名の推定が可能になるとともに、Azure Durable Functions を活用した処理の高速化により、「選手名情報自動タグ付け機能」の処理からマニュアルによる最終的な確認作業も含めて 30 分程度まで短縮を可能にしました。

本機能のモデル開発にあたり、日本マイクロソフトは、研究開発機関である Microsoft Research によるニューラルネットワークモデル ResNet を提供するとともに、IMAGE WORKS の開発元である富士フイルムソフトウエアと複数回にわたりハッカソンを開催し、検証を重ねることで、本機能における選手名の推定精度を認識率 90% 以上まで高めています。

今後、富士フイルムイメージングシステムズでは、プロ野球だけでなく他の野球団体や野球以外のスポーツでの本機能の利用や、一般企業のコンテンツ活用への展開、さらにビデオ分析機能  Azure Video Indexer を活用した動画解析なども視野に入れています。
日本マイクロソフトは、学習済み AI とカスタマイズ可能なディープラーニングフレームワークとの組み合わせを活用して、医療分野などへの応用も検討し、AI を活用した企業や組織のデジタルトランスフォーメーションを支援していきます。

以上

*プロ野球各球団の所有する写真資産を一元的に管理し、写真を利用したいゲーム会社、グッズメーカーなどの取引先に貸し出しを行うサービス

マイクロソフトに関する詳細な情報は、下記マイクロソフトWebサイトを通じて入手できます。

日本マイクロソフト株式会社 Webサイト http://www.microsoft.com/ja-jp/
マイクロソフトコーポレーション Webサイト http://www.microsoft.com/

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参考資料

参考1:IMAGE WORKS「選手名情報自動タグ付け機能」処理の流れ

参考1:IMAGE WORKS「選手名情報自動タグ付け機能」処理の流れ

※ BIP (Baseball Innovation Platform):野球に関わるデータを集約、プロ野球データの利用や分析や加工を容易にし、利用者やファンに新たな野球データの価値を創出するための研究開発・試験運用に特化したプラットフォーム

参考2:「選手名情報自動タグ付け機能」操作画面イメージ図

参考2:「選手名情報自動タグ付け機能」操作画面イメージ図

参考2:「選手名情報自動タグ付け機能」操作画面イメージ図

 

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