2020 Imagine Cup 世界大会にて香港の Team Hollo が優勝、日本の Syrinx は準優勝

AI チャットボットを活用した若者向けのメンタルヘルスサービスや声を失った人の会話を支援する
電気式人工喉頭 (EL) など世界にインパクトを与えるアイディアが発表

※ 本ブログは米国時間 5 月 19 日に公開された “Meet the 2020 Imagine Cup World Champion: Team Hollo from Hong Kong SAR!” の抄訳をベースにしています。

今年で 18 回目を迎える Imagine Cup では、世界中の数千人もの学生から、地域や世界のコミュニティにインパクトを与える可能性のあるイノベーティブなアイディアの応募がありました。ハッカソン、オンライン・セミファイナル、そして Microsoft Teams を通じたバーチャルでの地域別決勝大会が行われ、 最終的に 6 チームが 2020 年の優勝トロフィーをかけ最大の発表の舞台となる Microsoft Build デジタルイベントで行われる世界大会決勝戦の切符を手に入れたのです。

世界大会では、セラピーを必要とする若者の受診を促進するため、 Azure analytics と AI サービスを活用したメンタルヘルスをサポートするウェブアプリケーションを開発した、香港大学の Team Hollo が優勝しました。優勝チームには、現金 10 万米ドルおよびマイクロソフト CEO のサティア ナデラ (Satya Nadella) からのメンタリングセッションと 5 万米ドル分の Azure 助成金が贈られます。

Imagine Cup は、テクノロジに対する想像力と情熱を最大限活用し、学生達が社会における重要な課題の解決に向けて、革新的かつ包括的なソリューションを生み出すことを目指す大会です。世界をデジタルでつなげることにますます焦点が集まる中で、世界に変化をもたらそうとする若い開発者によるプロジェクトに、私たちは常に励まされています。

“今年のファイナリストからは、ヘルスケア、農業、誤報探知など様々な課題に対するソリューションの提案があり、私たちは若い開発者のプロジェクトに感銘を受けています。今年のコンテストは COVID-19 (新型コロナ ウィルス感染症) による世界的な健康懸念に配慮し、オンライン上での開催となりました。世界大会のファイナリストは、Microsoft Build における最初のデジタルイベントでプロジェクトを発表することとなりましたが、チームが一丸となって、プロジェクトを話す姿にとても感動しました”とマイクロソフトでオーディエンスエバンジェリズムのゼネラルマネージャー Jennifer Ritzinger は話します。

2020 年の世界大会決勝戦は、Imagine Cup の主要な目的に沿った、様々なテクノロジ、多様性、および社会変革を中心とした経験を持つイノベーションの専門家たちが審査しました。 Reboot Representation CEO のドゥワナ フランクリン-デイビス (Dwana Franklin-Davis) は、技術革新者及びリーダーとしての豊富なキャリアを通して、テクノロジから取り残された人々を支援することに従事してきました。若き革新者である CyberCode Twins, America とペネロペ ロペス (Penelope Lopez) は、自分たちが世界中のテクノロジコンテストに参加することで、他の学生たちがこの分野を知り、参加するきっかけになってほしいと考えています。そして、マイクロソフトのプレジデントである Brad Smith は、倫理と AI、人権、サステナビリティといった内容を含む、テクノロジと社会の関わりに関する広範囲な課題への取り組みを率先して行っています。

世界大会決勝戦は、決められた短い時間内でのプロジェクトプレゼンテーションで幕を開け、最終選考に進むファイナリストとして、香港の Team Hollo、日本の Team Syrinx と米国の Team Tremor Vision が選ばれました。上位 3 チームは、更に詳細のプレゼンテーションを行い、各々のプロジェクトの多様性、独自性、革新性についての評価を受けました。こちらから、Team Hollo が優勝する瞬間をご覧いただければ幸いです。

上位 3 チームのご紹介

2020 Imagine Cup 世界大会優勝チーム – Team Hollo 香港

それぞれが関心を寄せる分野を追求していたメンバーが大学で出会い、自分たちの情熱を注ぐテクノロジを駆使し、若者と不平等に焦点を当てた社会変革を求める提案を行いました。Team Hollo は、自分たちのコミュニティにおいてメンタルヘルスに関する支援が若者に効率的に届いていないということに気づき、自分たちの技術を使った解決方法の提供を目指しました。

Hollo は、非政府組織 (NGOs) やセラピストが AI チャットボットを活用することで、より多くの若者にメンタルヘルスサービスを提供することが可能となる、デジタル上のメンタルヘルスコンパニオンであり、セラピストです。若者を対象に、ビッグデータや AI を活用して、オンライン上でのゲーム化されたジャーナル処理とマインドフルネスの実践を通じてセラピーやカウンセリングを紹介します。また、AI チャットボットとジャーナル処理によるデータを集め、実施可能な対応策を検討することができます。この拡張可能なモデルは、若者へのメンタルヘルスケアにかかる重い負担を削減することで、支援をより活用しやすくし、既存の自助テクニックやセラピーを補完することを目標としています。

準優勝 – Syrinx 日本

Syrinx は、声を失った人が再び話すことを可能とする、首に装着する電気式人工喉頭 (EL) です。世界中で 30 万人以上の人々が毎年声を失っています。しかしながら、従来の EL では、ロボットのような単調な声しか作ることができず、発声の際に片手を使う必要があります。チームは、社交や意思疎通の妨げの原因となるこのような問題を解決したいと考えました。

Syrinx の機器は、使用者の喉を震わせ、口の動作に合わせて音を作ります。 その際、Azure Notebooks の技術を用いてニューラルネットワークを使って声の特徴を学び、振動音を作成します。これにより、Syrinx の機器を使用することで、男女の音声パターンの違いに関わらず、より自然な人間の声を作り出すことが可能です。

Syrinx チームからのコメント
“チーム Hollo の皆さん、Imagine Cup 優勝おめでとうございます! 一緒にアジア大会を勝ち進んだアジアのチームが優勝したことは大変嬉しく思います。今回の Imagine Cup はアジア大会、世界大会共にすべてオンラインで行われ、非常に緊張しました。私達のチームは残念ながら優勝することは出来ませんでしたが、ここまで支えてくださった多くの方々に感謝しています。 そしてこれからも声を失った方のために邁進していきたいと考えています。”

準優勝 – Tremor Vision 米国

Tremor Vision は、医師がパーキンソン病の発症を初期段階で発見し、処方および治療を通じて患者の病気の進行を定量的に追跡することを可能とするウェブ上のツールです。パーキンソン病は、加齢に関わる二番目に一般的な神経変性疾患です、しかし、初期のパーキンソン病を発見し、病の進行を追跡するために最も広く行われているスパイラル検査 (患者が紙の上に渦巻を描く検査) の診断基準は、未だに規格化されていません。

インターネットに繋がれたタッチスクリーンを活用することで、Tremor Vision の利用者は臨床結果を医師に送信することができます。このプラットフォームにより、患者は定期的な通院に必要な時間と費用を節約することが可能となり、医師はより多くのパーキンソン病の初期症状を検査することができます。チームでは、Microsoft Azure Cognitive Services、MATLA、および Microsoft Visual Studio を活用しています。

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現在すでに 2021 年大会出場チームの募集を開始しています。世界中の 200 万人以上の学生参加者と共に、あなたが一番夢中になれる分野にインパクトをもたらしましょう! 是非こちらからご応募ください。

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