CEO サティア ナデラ (Satya Nadella) がマイクロソフトの社員に送った E メールより:
※ 本コンテンツは、米国時間 6 月 5 日に公開された ”Change in ourselves helps drive change in the world” の抄訳です。
今世界で起きている不誠実な出来事をきっかけとして、私たち 1 人 1 人が個人として、そして企業として行動を起こすことが求められています。これらのアクションは時に個人的で、「変化を起こすために自分に何ができるだろうか?」というものであったり、時に組織的な観点で、「私は周囲にどのような変化をもたらすべきなのか?」といったことでもあります。さらには、「求める変化をより加速するために企業として何ができるのか?」といった世界的に影響をもたらすものもあります。黒人とアフリカ系アメリカ人コミュニティへの差別、偏見、暴力行為が毎日のように起こる現状、そして、多くの人々の悲劇的な死や全米の都市における暴動を目の当たりにし、私たちがあらゆる局面で行動を起こすべき時は今です。先週社内で行われた Employee Town Hall ミーティングでお話ししたように、私自身、そして、マイクロソフトのシニアリーダーをはじめとし全社員がしかるべき行動を起こさねばなりません。新たな悲劇が起きてから対応することは許されないのです。構造的な問題には総合的な解決策が必要なのです。
私たちのコミュニティが感じている深い悲しみに、私も心を痛めています。黒人およびアフリカ系アメリカ人コミュニティの機会を奪い、不正行為を助長している構造的な人種差別問題に対し、自分自身のリーダーとしての役割を熟考することを迫られています。私は理解と共感を常に続け、私が行い、そして行わなかった行動についても日々考察を重ねなければなりません。黒人およびアフリカ系アメリカ人コミュニティの同僚たちの声に耳を傾け、学ぶことで、彼らが受けた体験に理解を深める助けとなっています。そして私には、特権、不平等、人種、それぞれの現実について、さらに世界のあるべき姿のモデルとなるために、継続的に学ぶ責任があるのです。
企業として、私たちは自社内に目を向け、組織を調査し、常に改善していかなければなりません。世界に対して変革を訴えるためには、まず自らが変わらなければなりません。将来のテクノロジの変化を予期し、それに備えるのと同じようなスピードと心構えが必要です。毎日のように私たちは、目標とする文化と日々の実生活での体験との間にあるギャップを埋めるよう努力を重ねていますが、今そのスピードを速め、強化しなければなりません。地球上のあらゆる人々を支援するというビジネスで成功するためには、自らがその世界を反映したものでなければなりません。マイクロソフトは、あらゆる職責において、より的確に意見を表明できるよう様々な目標とプログラムがあり、そのすべてにコミットしています。人材確保への投資を進める中で、歴史的に黒人大学となっているカレッジや大学 (Historically Black Colleges and Universities) との連携を強化しています。また、あらゆる意見が尊重される環境を作ることも必要です。これが、私たちそれぞれにとって多様性が最優先事項である理由です。社員ひとりひとりが、この優先事項に対し改めてコミットし、研修プログラムに参画し、他者への支援のために提供されているツールやリソースを活用してください。マイクロソフトにはより多様性とインクルージョン (D&I) を高められるだけの能力がありますが、それには私たちの努力も不可欠です。
私たちマイクロソフトには、コミュニティ、そして、より広い社会における構造的不平等に対応するためにプラットフォームとリソースを意識的に活用していく責任があります。長期的な影響をもたらすためには、このような取り組みが必要です。たとえば、Criminal Justice Reform Initiative の活動により、公平な刑事裁判に向けたテクノロジの活用と意見表明を進めています。15 年前には、サプライヤー ダイバーシティ プログラムを開始し、サプライヤーにおいてもお客様の多様性と同等の多様性を実現しています。現在では、マイクロソフトのサプライヤー向け支出のおよそ 10% を占めています。この支出は波及効果をもたらし、それらの企業が位置する地域社会の経済成長にもつながっています。私たちは事業の対象となるあらゆるコミュニティにおいてこのような取り組みを進めていかなければなりません。
最後に、私たちは自社の強みと技術などの専門知識を通じて、世界に企業としての価値を提供していかなければなりません。そのために、私たちマイクロソフトは社会的正義を推進し、コミュニティのリーダーが人種差別に対抗できるよう支援し、黒人コミュニティの団結を推進している以下の 6 団体 Black Lives Matter Foundation、Equal Justice Initiative、Innocence Project、The Leadership Conference、Minnesota Freedom Fund、NAACP Legal Defense & Education Fund との関係を強化していきます。第 1 段階として、上記の各組織に 25 万ドル (合計 150 万ドル) の寄付を行います。さらに、社員寄付の企業拠出分を一部の組織に寄付します。これまでも社員の皆さんからの寄付、そして、企業拠出金により、2015 年以来、公民権、社会運動、啓発活動に関連する非営利団体に対して、1,500 万ドル以上を寄付してきています。
この数日間、私は本当に多くの社員の皆さんから行動、熟考そして変革を求める声を受け止めてきました。皆さんへの私の答えは「Yes、We have to act.(皆さんの言う通り、私たちは行動を起こさなければならない)」です。そして、その行動はマイクロソフトの企業価値を反映したものであり、黒人およびアフリカ系アメリカ人コミュニティのニーズに応えるものでなければなりません。1989 年の創業時から存在する従業員リソースプログラム Blacks at Microsoft で培われてきた社員の情熱と努力をさらに強化していかなければなりません。私たちはまだ組織文化の改革の途中にあり、その変革のスピードを上げていく必要があります。私たちそれぞれが、個人としての立ち位置を理解するところから始め、固定観念に立ち向かい、行動を起こすことが必要です。私たちの人間性それこそが、世界をより良い場所に変えていく力となるのです。
私たちには皆それぞれ果たすべき役割があります。私もその務めを果たしていきます。マイクロソフトもその企業としての務めを果たしていきます。皆さん一人一人もその務めを果たしていくようここでお願いしたいと思います。
そして、共に、私たちが理想とする世界となるよう変えていきましょう。
サティア
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