パワフルで責任ある AI ソリューションを Azure で構築

2020 年 9 月 22 日
エリック ボイド (Eric Boyd) Azure AI 担当コーポレートバイスプレジデント

※ 本ブログは、米国時間 9 月 22 日に公開された “Build powerful and responsible AI solutions with Azure” の抄訳です。

組織が安全にオフィスを再オープンし、世界の予期せぬ変化を乗り越えようとする中で、迅速かつ良心的な対応をするには知見を得ることが不可欠です。さまざまなレベルのスキルを持った開発者やデータサイエンティストが、Microsoft Azure AI の強力で責任あるツールを駆使してこうした課題に対応しようとしています。

安全な業務遂行に向けて

現在のような環境で組織が安全に業務を遂行できるよう、マイクロソフトは Computer Vision Azure Cognitive Service の新たな空間分析機能を発表しました。同機能の高度な AI モデルが複数のカメラから知見を集約することで、部屋にいる人の数を数えたり、人と人との距離を測定したり、待ち時間や滞留時間を監視したりすることが可能です。この技術を応用すれば、組織内のスペースを安全で最適に利用できます。例えば、ニューヨーク市最大級の不動産会社である RXR は、空間分析機能を RxWell アプリに組み込んで入居者の安全と健康を維持しています。

RxWell 開発にあたり、当社の包括的なデータ、分析、セキュリティのニーズを満たす機能とインフラを提供する企業を模索したところ、マイクロソフト以外の企業を見つけることはできませんでした。マイクロソフトとのパートナーシップによって、RxWell プログラムは新型コロナウイルス (COVID-19) 以降のニューアブノーマル (新たな異常)に安全に対応できるツールとなりました」RXR Reality 会長 CEO、スコット レクラ― (Scott Rechler)

RXR の事例の詳細はこちらをご覧ください

迅速さとレジリエンシー (回復力) の向上を実現

自社の事業状況に関する知見を適切なタイミングで得るには、積極的に指標を監視し、問題が発生した場合は迅速に原因を突き止めなくてはなりません。これを実現するのが Azure Cognitive Service の新サービスである Metrics Advisor です。Metrics Advisor は、リアルタイム監視や AI モデルの自動チューニング、アラート、根本原因の分析を強力に組み合わせ、問題が大きくなる前に修復します。機械学習の専門知識は必要ありません。マイクロソフトのお客様である通信企業の NOS は、Metrics Advisor で機敏性を高め、顧客サービスを向上させました。

Metrics Advisor により、潜在的なネットワークデバイスの障害を事前に把握でき、即座に対応できるようになりました。お客様からの電話が混み合うことも減りますし、顧客満足度を高めることもできました」ポルトガルの通信企業 NOS の製品開発ディレクター、ジョアン フェレイラ (João Ferreira)

データサイエンスの専門知識がなくてもカスタム機械学習モデルが構築できるよう、Azure Machine Learning のノーコード自動機械学習機能ドラッグ&ドロップデザイナー機能が一般公開されました。こうした機能により、市民データサイエンティストや市民開発者が機械学習ソリューションを構築できるようになります。

Azure Machine Learning のデザイナー機能を利用することで、機械学習の知見に基づいて構築した価値のあるツールを迅速にリリースすることができました。同ツールは電車の混み具合を予測し、COVID-19 との戦いに必要なソーシャルディスタンスを保てるようにしています」— DSB AI および高度分析責任者、ステファン ペーダーセン (Steffen Pedersen)

またマイクロソフトでは、機械学習をより身近なものにしようと、付加価値を低コストで提供しています。Azure Machine Learning をご利用のお客様は、Basic Edition でも Enterprise Edition の全機能を追加料金なしで利用できるようになりました。これにより、機械学習をよりコスト効率よく導入し、スケールアップできるようになります。Azure Machine Learning のアップデートの詳細については、こちらをご覧ください。

責任を持った AI の適用

組織や世界がますますテクノロジに依存するようになると、AI を安全に責任を持って利用することが不可欠となります。空間分析をはじめとする Azure AI のサービスには、責任ある AI の実践と安全な利用のためのガイドラインが組み込まれており、個人のプライバシーや透明性、信頼性を確保しています。また、Azure Machine Learning の責任ある ML 機能やツールキットも急速に導入が増えています。

最近では、医療技術大手企業の Philips が、Azure と Fairlearn ツールキットを利用して偏りのない機械学習モデルを構築しています。医療モデルは、それぞれの病院が症状やタスクをどう文書化するかによって偏りが出ることがありますが、Philips は Fairlearn ツールキットを利用して主な公平指標を査定、異なる患者グループ間のモデルに誤差があることを見つけ出しました。そこで、モデルの全体的な公平性を改善して偏りを減らし、患者の健康と治療に関する貴重な知見を病院に提供することができました。

こうしたイノベーションにより、あらゆる開発者やデータサイエンティストが責任を持って Azure AI の力を活用でき、組織を前進させることができるようになります。最新情報については、以下のリソースをご覧ください。

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