Microsoft Viva: 新たなデジタル時代においてあらゆる従業員を支援

ジャレッド スパタロ (Jared Spataro)
Microsoft 365 担当コーポレートバイスプレジデント

※本ブログは、米国時間 2 月 4 日に公開された “Microsoft Viva: Empowering every employee for the new digital age” の抄訳です。

COVID-19 が私たちの生活をまったく変えてしまうよりずっと以前から、新世代のデジタルツールが未来の仕事の新しい可能性を開こうとしていました。私たちが予期しなかったことは、昨年の 3 月にその未来が一夜にして訪れてしまったことです。世界中の数百万社もの企業がパンデミックに対応するためにリモートワークやハイブリッドワークに移行したのです。

この新しいデジタル時代における経験について、毎日のようにお客様と対話することが、マイクロソフトにおける私の職務のひとつです。パンデミックの課題対応に苦慮する中で、デジタルツールが新たな形態の人のつながりやコラボレーションをもたらしたことに勇気付けられています。マイクロソフトは、人々のあらゆる仕事、学習、そして、コラボレーションを支えるために Microsoft Teams と Microsoft 365 を開発しました。Teams は、会議、通話、チャット、コンテンツ共有、ビジネスプロセスワークフローなどを、安全で統合されたユーザー体験として提供できる唯一のソリューションです。昨年秋には、Microsoft Teams のアクティブユーザー数は 1 億 1,500 万人に達しました。また、人々がコミュニケーション、コラボレーション、コンテンツの共同作成を行うことで、世界中の Microsoft 365 ユーザーによるコラボレーションの総時間は 1 日あたり 300 億分に相当するまでになりました。ハイブリッドワークが現実になった今、Teams はインフォメーションワーカー、フロントラインワーカー、そして、その間に属する組織内のあらゆる人々を支援しています。

しかし、真の意味で、人々が、つながりと支え合いを感じ、仕事に全力を傾けられるようにするためには、もっと多くのことが必要です。

今日、組織は、従業員体験 (Employee Experience) に対して年間 3,000 億ドル以上を消費しています。この金額には、人材開発と研修、福利厚生とウェルビーイング、そして、他の多様な従業員体験関連テクノロジが含まれます。しかし、多くの場合、これらのテクノロジは分断化しており、発見が困難で、業務の流れを疎外してしまうことがありました。

従業員体験向上におけるデジタルツールの重要性が増すのにつれて、あらゆる業界のビジネスリーダーは、学ぶ機会を重要視し、自社の従業員体験への支出とアプローチを再考しています。

マイクロソフトは、新たなアプローチ、そして、従業員体験プラットフォーム (Employee Experience Platform、EXP) と呼ばれる新たなカテゴリーのテクノロジソリューションが必要であると考えています。この数か月、私たちは、EXP の専門家でアナリストのジョシュ バーシン (Josh Bersin) 氏との対話を重ねてきました。その対話から、人々がどこで働いていても、その成功と成長を支援できるように、人々が業務で使用しているツールをシームレスに統合し、必要なリソースとサポートを提供するという、私たちのEXPのビジョンを強固なものにすることができました。

Microsoft Viva を発表

本日、マイクロソフトは、デジタル時代に向けて作られた最初の Employee Experience Platform である Microsoft Viva を発表します。Viva は、コミュニケーション、知識、学習、リソース、洞察を、統合された体験として組み合わせ、人々やチームがどこにいても最善の結果を出せるよう支援します。Microsoft 365 の広範な機能で支援されたこのソリューションは、人々が日々使用している Microsoft Teams や他の Microsoft 365 アプリから利用できます。

新たな種類の従業員体験

最初の段階では、Microsoft Viva には、Viva Connections、Viva Insights、Viva Learning、Viva Topics という 4 つのモジュールが含まれます。今後、モジュールの追加が行われていく予定です。これらについて 1 つずつ見ていきましょう。

最初に Viva Connections です。

マイクロソフトの調査 (Work Trend Index) では、リモートワークへの移行後に従業員の約 60 パーセントがチーム内でのつながりが薄れたと感じています。私たちは、かつては社内外の会議やイベントで培うことができた仲間意識を取り戻そうと苦慮しています。一度もオフィスに来たこともなければ同僚と対面したこともない新入社員がどのように感じるかを考えてみてください。

Microsoft Teams からアクセス可能な Viva Connections は、社員間のつながりとコミュニケーションのための単一の入口を提供します。デジタルなワークプレースへの玄関であると考えてください。

Viva Connections は、SharePoint などの Microsoft 365 の機能を活用し、キュレーションされ、ブランド付けされた従業員情報を提供します。リーダーはタウンホール ミーティングで従業員とつながることができ、従業員は社内ニュース、ポリシー、福利厚生などの情報にアクセスでき、Yammer との統合によって従業員リソースグループやコミュニティに参加することができます。パーソナライズされたフィードとダッシュボードにより、Viva やデジタルワークプレース内の他のアプリからすべての有用なリソースを発見できます。コンテンツは、フロントラインワーカーを含む社内の職務に合わせてカスタマイズ可能であり、必要なリソースだけを総合的に閲覧することができます。

次に Viva Insights です。

ワーカーの 30 パーセント以上が パンデミックにより燃え尽きの感覚が増したと感じている今、人々が休息を取り、最も貴重な資源、すなわち、時間を最大限に活用できるように支援することが何よりも重要になっています。

Viva Insights は、個人、マネージャー、リーダーにパーソナライズされてすぐ利用できプライバシー保護された洞察を提供することで、組織のすべての人の成長を支援します。Viva Insights は、新しいパーソナル ウェルビーイング体験、洞察、推奨事項を、Workplace Analytics と MyAnalytics から、Microsoft Teams の業務の流れの中に提供します。

Microsoft Teams からアクセス可能な Viva Insights の個人向け機能は、従業員が同僚とのつながりを維持しつつ、定期的な休憩、仕事への集中、学習などの時間を確保できるよう支援します。昨年夏にマイクロソフトが発表したバーチャル通勤や Headspace との統合などの体験はこの領域における取り組みの最初のものです。これらの機能は Microsoft Viva の一部となり、今後数カ月間のうちに提供されます。

マネージャー向けには、Viva Insights はデータに基づき、プライバシー保護に配慮した、健全で機能的なチーム育成のための洞察と推奨事項を提供します。たとえば、チームの燃え尽きリスクをマネージャーに示す際には、通知をオフにしたり、カレンダーに空き時間を設けたり、最優先の仕事のみにフォーカスさせたりするなどの推奨事項を提供します。

企業のリーダー向けには、Viva Insights は組織の労働パターンと動向を明らかにすることで、複雑な課題と変化への対応を支援します。これには、従業員のウェルビーイング向上の機会、ハイブリッドワーク向けのオフィスレイアウトの変更などが含まれます。Viva Insights は、リーダーにチーム間のつながりを理解するための組織ネットワーク分析も提供します。

これらの組織に関する洞察は他のデータソースと組み合わせることで有効性が増します。本日、Microsoft Viva リンクトイン Glint のお客様向けの新しいダッシュボードを発表します。このダッシュボードは従業員がどのように働いているかのデータとどのように感じているかのデータの洞察を提供します。マイクロソフトのアプリやサービスからのデータやシグナルに加えて、Microsoft Viva は組織の既存投資を活かし、Zoom、Slack、Workday、SAP SuccessFactors などのサードパーティツールのデータも活用できます。

プライバシーとセキュリティ確保のために、Microsoft Viva は匿名化と差分プライバシー (differential privacy) を使用しています。これは、個人に関する洞察はその従業員のみが閲覧可能であり、マネージャーやリーダー向けの洞察はデフォルトで集約化され、匿名化されたデータから生成されることを意味します。

次にViva Learning です。

組織は、変化に追随し、優秀な人材を維持するために学習の組織文化を育成しなければなりません。具体的に言えば、リンクトインによる最近のレポートでは、学習と人材開発への投資を行なうことで従業員の 94 パーセントが企業により長く留まるという調査結果が示されています。

Viva Learning は、学習が全従業員の日々の業務と企業文化の自然な一部となるよう支援します。

Viva Learning により、従業員は研修コースからマイクロラーニングコンテンツまで、あらゆるものを容易に発見し、シェアできます。マネージャーは研修コースを従業員に割り当て、履修状態を管理することで学習の組織文化を醸成できます。Viva Learning は Teams に学習のためのハブを作成します。AI が適切な時に適切なコンテンツを推奨してくれます。LinkedIn ラーニングや Microsoft Learn のコンテンツと自社独自のコンテンツ、さらには、Skillsoft、Coursera、Pluralsight、edX といった大手コンテンツプロバイダーの研修コースを集約して提供できます。また、Viva Learning は主な研修管理システムとも連携します。本日、Cornerstone OnDemand、Saba、SAP SuccessFactors とのパートナーシップを発表し、今後さらに追加される予定です。

そして、最後に Viva Topics です。

誰もが経験しているように、専門家の発見、企業独自の略語の理解、必要なコンテンツの発見は、特に組織に新たに参加した人やリモートで勤務する人にとってはやっかいな作業です。実際、マイクロソフトの調査では、従業員は情報の検索や再作成に平均して年間 7 週間に相当する時間を費やしています。

Viva Topics により、毎日使用するアプリ中で、組織の知識を活用し、知識を持つ人とつながることができるようになります。Viva Topics は、強力な AI でサポートされた組織内 Wikipedia のようなものと考えることができます。AI が全社的なコンテンツと専門知識を自動的に整理し、「プロジェクト」、「製品」、「プロセス」、「顧客」といったカテゴリーに自動的に分類します。

なじみのないトピックや略語に出会った時には、マウスをホバーしてください。知識を検索する必要はありません、知識の方からあなたを見つけ出してくれます。Viva Topics は、Office、SharePoint、Teams などのアプリでの作業中にトピックカードを自動的に表示します。カードをクリックすると、ドキュメント、ビデオ、関連する人々など含むトピックページが表示されます。 企業内の専門家も、Topic Pages というカスタマイズ可能でシンプルなWebサイトを経由して、知識をシェアし、Viva Topics に表示される情報をキュレーションできます。

Viva Topics では、マイクロソフト クラウドからのコンテンツに加えて、ServiceNow や Salesforce といったサードパーティのサービスの情報、そして、Accenture、Avanade、BA Insight、Raytion、ClearPeople といったパートナーによる統合機能も活用できます。また、Graph コネクターにより、有用と判断されたコンテンツを容易につなぎ合わせることもできます。

パートナーと共に

Microsoft Viva は、オープンで拡張可能なプラットフォームとして設計されており、拡大中の強力なパートナーエコシステムにより、企業が既に採用しているシステムやツールと容易に統合できます。Microsoft 365、Microsoft Power Platform、Microsoft Dynamics 365 およびサードパーティの製品やサービスとの統合により、仕事の流れの中で総合的な従業員体験が提供されます。インテグレーターのエコシステムに加えて、戦略的なガイド、コンサルティング、システム実装、変更管理などを提供するサービスパートナーのグローバルなネットワークもこのミッションに参加しています。

これは始まりにすぎません

私たちは、当事者意識、目的意識、帰属意識を持つ、意欲的で健全な従業員が組織に大きな影響をもたらすことを理解しています。マイクロソフトは、社内でも、現場でも、家庭でも、移動中でもあらゆる従業員を支援することにコミットしています。本日、マイクロソフトは、デジタル時代に向けたまったく新しい従業員体験を作り出すという取り組みを開始しました。

Microsoft Viva により、誰もが容易かつ自然に互いにつながり、知識にアクセスし、業務中に学び、プライバシー保護された洞察を活用できることを目指します。これにより、個人のウェルビーイングが尊重され、マネージャーのリーダーシップが強化され、リーダーは組織全体でより適切な意思決定を行なえるようになるでしょう。本日、Microsoft Viva を発表できたことを大変うれしく思っていますが、やるべきことはまだ数多くあります。マイクロソフトは、今こそが、人を中心とした体験を構築することでお客様を強力に支援できる千載一遇の機会と考えています。この取り組みは始まったばかりです。

今日から Microsoft Viva を体験してください

Microsoft Viva を今すぐ体験したいとお考えでしょうか? 現時点で、Viva Topics は利用可能です。また、Viva Insights のパブリックプレビューと Viva Learning のプライベートプレビューも発表しています。2021 年内により多くのイノベーションが発表される予定です。詳細は、Microsoft Viva の Web サイト を参照ください。

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