※ 本リリースは、米国時間 2 月 10 日に公開された “Volkswagen Group teams up with Microsoft to accelerate the development of automated driving – Stories” の抄訳を基に掲載しています。
- Volkswagen Group の Car.Software Organisation とマイクロソフトは、自動運転機能のアジャイル開発実現に向け、自動運転プラットフォームを構築します
- クラウドベースのプラットフォームにより、Car.Software Organisation は Microsoft Azure 上での開発プロセスを簡素化し、Volkswagen Group の車に自動運転ソリューションをより迅速に届けることができます
- Volkswagen Automotive Cloud により、自動運転機能のテストや導入、運用が可能となります
ドイツ連邦共和国ヴォルフスブルクおよびワシントン州レドモンド – 2021 年 2 月 11 日 – Volkswagen Group が自動運転 (AD: Automated Driving) ソリューションの開発能力を強化することになりました。同グループのソフトウェア企業である Car.Software Organisation がマイクロソフトと協力し、Microsoft Azure 上でクラウドベースの自動運転プラットフォーム (ADP: Automated Driving Platform) を構築し、コンピュート機能とデータ機能を活用して自動運転体験をグローバル規模でより迅速に提供しようとしているのです。ADP を Azure 上で稼働させることにより、Car.Software Organisation は Volkswagen Group が展開するブランドの自家用車全般に向け、先進運転支援システム (ADAS: Advanced Driver Assistance System) や AD 機能の開発効率を向上させます。Volkswagen とマイクロソフトは、2018 年より Volkswagen Automotive Cloud における戦略的パートナーとなっています。Volkswagen Automotive Cloud は、将来的に Volkswagen のデジタルサービスやモビリティサービスすべてに広がることになります。
Car.Software Organisation の最高経営責任者、ダーク ヒルゲンバーグ (Dirk Hilgenberg) 氏は、次のように述べています。「当社では、Volkswagen Group をデジタルモビリティプロバイダーへと変革するにあたってソフトウェアの開発効率を継続的に高めたいと考えています。自動運転プラットフォームをマイクロソフトと構築することで、拡張性の高いデータを基にした単一のエンジニアリング環境を用意し、開発者の作業を簡素化します。当社のコネクテッドドライブソリューション開発における総合的な専門知識と、マイクロソフトのクラウドやソフトウェアエンジニアリングのノウハウを組み合わせ、安全で快適なモビリティサービスをより迅速に提供したいと思います」
マイクロソフトのクラウド+AI 担当エグゼクティブバイスプレジデント、スコット ガスリー (Scott Guthrie) は、「今回の提携は Volkswagen Group との基本的な取り組みにおける新たな展開です。この提携により、同グループはソフトウェアベースのモビリティプロバイダーへとより強固に変革していくでしょう」と述べています。「Microsoft Azure のパワーと、そのコンピュート機能やデータ機能、AI 機能により、Volkswagen は安全で信頼性の高い自動運転ソリューションをお客様により早く届けることができるのです」
単一の開発プラットフォームで AD や ADAS ソリューションの構築を迅速化
ADAS と自動運転車により、乗客の安全性を向上させることができるほか、渋滞を緩和し移動をより快適にすることも可能です。こうしたソリューションの構築には大規模なコンピュート機能が必要です。道路の状態や気象状況、さらには障害物の検出やドライバーの行動など、ペタバイト級のデータを日々管理して AD 機能をトレーニングし、シミュレーションして検証しなくてはなりません。数十億マイルにもおよぶ実走行やシミュレーション走行から学習する機械学習アルゴリズムが、コネクテッドドライブ体験の鍵となるのです。
Car.Software Organisation は、Volkswagen Group の車両から得た実際の交通データやシミュレーションデータが含まれている単一のデータベースによって開発者体験を簡素化し、「走行マイルから得た学び」を活用することで、この課題にマイクロソフトと共同で取り組みます。Microsoft Azure のコンピュート、データ、機械学習サービス、そしてマイクロソフトのアジャイルソフトウェア開発のノウハウにより、Car.Software Organisation の開発者は世界で統一された開発環境が利用できるようになるのです。ADP を活用することで、開発サイクルを数ヶ月単位から数週間単位にまで短縮させることができるほか、大量のデータを効率的に管理できるようになります。両社は迅速に ADP への取り組みを開始し、開発プラットフォームの機能を継続的に拡張していく予定です。
また両社は、テクノロジパートナーも同プラットフォームと一体化したツールやサービスを構築できるようにすることで、AD や ADAS ソリューションを拡大していきたいと考えています。
Volkswagen Group が車載ソフトウェアの自社開発を強化
Volkswagen Group では、迅速に自動車のデジタル化を進めています。同グループは、デジタル化に向け 2025 年までに約 270 億ユーロを投資し、車載ソフトウェアの自社開発を現在の 10% から 60% にまで高める予定です。昨年設立した Car.Software Organisation は、Volkswagen Group をソフトウェアベースのモビリティプロバイダーへと変革させる上で重要な役割を担っています。Car.Software Organisation がグループ内のソフトウェアコンピテンシーをまとめて継続的に拡張しており、グループブランドで今後のモデルに搭載される乗用車向け高性能運転機能の開発も担当しています。
Volkswagen Automotive Cloud で ADAS と AD ソリューションの展開と運用を実現
Volkswagen とマイクロソフトは、2018 年より Volkswagen Automotive Cloud (VW.AC) 分野で協業しています。VW.AC は、将来的にグループ全体のブランドやモデルにおけるすべてのデジタルサービスとモビリティサービスを統合するものです。シアトルに拠点を置く VW.AC のエンジニアリングチームは、Azure のエッジサービスによって車両とクラウド間でのデータ交換を実現しました。また、クラウドで接続することにより、Volkswagenは 車のアップデートや新機能をハードウェアとは別に提供できるようになり、顧客体験を継続的に向上させることが可能になりました。
VW.AC に接続された初のテスト車両は、2021 年に公道を走行する見込みで、生産開始は 2022 年を予定しています。Car.Software Organisation は、自社のエンジニアリングチームと世界中のお客様やパートナーがより多くのことを実現できるよう、同社のソフトウェアソリューションやツール、手法の統一化を進めており、ADP と VW.AC も統合する予定です。VW.AC により、ADP 上に開発された AD と ADAS の機能を、グループの車両全体でテストし、展開して運用することが可能になります。
Car.Software Organisation について
Car.Software Organisation は Volkswagen Group の車載ソフトウェア企業で、グループ内のソフトウェアコンピテンシーをまとめてさらに拡大し、自動車のモビリティを変革しようとしています。2020 年に設立された同社のミッションは、誰に対しても、そしてどこにいても、新しい方法で自動車体験をより安全に、より持続可能に、より快適にすることです。このミッションの下、Car.Software Organisation は自動車業界をリードする技術を開発しています。同社は世界に約 4000 人のエンジニアや開発者を抱え、統一アーキテクチャや OS、車載クラウドなど、Volkswagen Group の 全ブランドに向け一元化されたソフトウェアプラットフォームを構築しています。新ソフトウェアプラットフォームは 2024 年末には登場する予定です。また、AD や ADAS ソリューション、統合インフォテインメントプラットフォーム、そしてパワートレインやシャーシ、充電技術を連携するソフトウェア機能など、デジタル自動車の優れた機能に取り組んでいるほか、車両にまつわる新たなエコシステムやデジタルビジネスモデルも模索しています。Car.Software Organisation は、ヴォルフスブルク、インゴルシュタット、シュトゥットガルト地区、ベルリン、ミュンヘン、シアトルのソフトウェアコンピテンスセンターにて事業を展開しています。
Volkswagen Group について
ヴォルフスブルグに本社を置く Volkswagen Group は、世界有数の自動車メーカーで、自動車製造においてはヨーロッパ最大の企業です。同グループは欧州 7 ヶ国の 12 ブランドを抱え、Volkswagen 乗用車、Audi、SEAT、ŠKODA、Bentley、Bugatti、Lamborghini、Porsche、Ducati、Volkswagen 商用車、Scania、MAN といったブランドを展開しています。乗用車のポートフォリオは小型車から高級車まで幅広く揃えており、Ducati ではオートバイを提供しています。軽・大型商用車部門では、ピックアップからバス、大型トラックまで多岐にわたって取り扱っています。平日は世界 67 万 1205 人の従業員が平均 4 万 4567 台の自動車を日々生産しているほか、自動車関連サービスやその他業務を担当しています。Volkswagen Group は 153 ヶ国にて自動車を販売しています。
2020 年に Volkswagen Group が世界のお客様に提供した車両の総数は 931 万台となりました (2019 年は 1097 万台)。2019 年のグループ全体の売上高は 2526 億ユーロで (2018 年は 2358 億ユーロ)、2019 年の税引後利益は 140 億ユーロ (2018 年は 122 億ユーロ) でした。
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