産業での活用が進むメタバース: 設計、開発から試験まですべての工程を仮想空間上で実行できるコラボレーション環境を目指す、川崎重工の取り組み

メタバースは、私たちの現実の延長線上にあるデジタル世界です。
メタバースは、私たちの現実の延長線上にあるデジタル世界です。

メタバースは、今日すでに存在するテクノロジです。企業は、既存のテクノロジを活用して、物理的な資産をデジタルに拡張し、バーチャルで複数の関係者と同時に活用する「インダストリアルメタバース」の利用を開始しています。

企業は、インダストリアルメタバースを利用することで、次のような利点を得ることが可能です。

  • オンラインとオフラインが混在するハイブリッド環境での業務遂行を実現するための持続可能なアプローチプロセスの自動化とシミュレーションによってビジネスを変革する手段
  • 時空を超えてリアルな現象を理解し複数の関係者とバーチャル環境を活用することで協働する場
  • 顧客との関係を構築するための柔軟で有意義な方法

本日より開催しているマイクロソフトの開発者向け年次カンファレンスである「Build 2022」では、産業用ロボットの世界的なリーディングカンパニーである川崎重工業株式会社 (以下、川崎重工) がいち早く取り組んでいるインダストリアルメタバースのプロジェクトが紹介されました。

川崎重工

労働人口の減少と多様な消費者ニーズの変化に加え、コロナ禍の前より、産業のデジタル化や最新テクノロジの普及が進み、ロボットの需要が製造業全体で急増しています。一例として、ロボットによる製造プロセスの自動化や効率化などの恩恵が広がる中で、いつもと少し違ったロボットの挙動やトラブルが、生産ライン全体を止めてしまうことにつながりかねないというリスクも同時にはらんでいます。ロボットの操作に加えて、サポート、リアルタイムでのトラブルシューティング、メンテナンスなどにおいて、熟練した経験と技術的な知識を備えたエキスパートを含め、設備メーカーやシステムインテグレーターなどとの連携の必要性が一層高まっているのです。

川崎重工は、マイクロソフトのテクノロジを活用して、こうしたニーズに応えられるように、新たなプロジェクトを開始しました。

同社は、Azure IoT や Azure Percept によるエッジコンピューティングと AI を活用することで、ロボットに故障が発生した場合、迅速な解決が可能となるだけで無く、予兆保全を行うことで、未然にトラブルを防ぐことも可能になります。さらに、遠隔地にいるエキスパートのアドバイスや支援を、複数の拠点で同時に、リアルタイムで得られるようになります。
また、Azure Digital Twins のとシミュレーションによる、仮想空間上での過去、現在、未来の動作状態の把握によって、物理的に離れた拠点でのトラブル原因特定と解決を可能にします。

川崎重工

今回 Build でご紹介したシナリオは、同社が取り組むプロジェクトの一部に過ぎません。今後、同社は、設計、開発から試験までのすべての工程を仮想空間上で実行できる環境の実現に向けて、マイクロソフトと連携して「インダストリアルメタバース」に取り組んでいきます。

以上

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