Bing と Edge による AI イノベーションの新たな波を発表

Bing と Edge による AIイノベーションの新たな波を発表

ユセフ メディ (Yusuf Mehdi) コーポレート バイスプレジデント 兼 コンシューマー チーフマーケティングオフィサー

※本ブログは、米国時間 5 月 4 日に公開された “Announcing the next wave of AI innovation with Microsoft Bing and Edge” の抄訳を基に掲載しています。

マイクロソフトは 3 か月前、ウェブの副操縦士として検索の未来を変革する、AI を搭載した新しい Microsoft Bing と Edge を発表しました。その目的は、従来の検索にまつわる普遍的な問題に取り組むことです。従来のウェブ検索の約半分は回答にたどり着くことができず、何十億もの人々が検索で的を射ない状況に陥っているのです。そこでマイクロソフトは新しい Bing を発表し、より優れた検索結果や質問への回答、作成や合成機能を提供したほか、自然言語でチャットできる機能によって新たな次元の使いやすさを実現しました。Bing は、OpenAI の GPT-4 に代表される強力な大規模言語モデルと、マイクロソフトの膨大な検索インデックスを組み合わせ、最新かつ引用文を含んだ結果を会話形式で提供します。これは Bing 以外では得られないものです。Bing によって、情報を見つける方法が根本的に変化しつつあるのです。

わずか 90 日間で、当社のお客様は 5 億件以上のチャットに参加し、チャット機能を使ってまとまった回答を得ています。その内容はあらゆる分野にわたっており、例えば花粉症の人に最適な旅行先を見つけることや、過去 10 年間の世界の火山活動を表にまとめることなど、さまざまです。また、Bing Image Creator では 2 億以上の画像が作成されています。こうしたことから、Bing のデイリー アクティブ ユーザーは 1 億人を超えるまでに成長し、Bing モバイルアプリの 1 日あたりのインストール数はリリース以来 4 倍にもなりました。結果、Microsoft Edge ブラウザのシェアが 8 四半期連続で拡大していることに続いて Bing のシェアも拡大しています。Bing を Windows タスクバーに導入したことでアクセスも容易になり、毎月 5 億人以上のお客様に Bing をご利用いただいています。

AI を搭載した次世代検索の幕開け

マイクロソフトは本日、AI を搭載した次世代の Bing と Edge への移行を発表します。これにより、ウェブの副操縦士と当社が捉えているビジョンと機能を大幅に拡大し、世界最大のソフトウェア カテゴリである検索を変革します。今回の次世代の定義は次の通りです。

・ Bing を限定プレビューからオープン プレビューへと移行し、トライアルの待機リストを解消することで、より多くのユーザーにBingを開放します。

・ これまでテキストのみだった検索とチャットが、豊富な画像やビデオ回答によって大胆にビジュアル化されます。また、近日中には新たにマルチモーダル サポートも予定しています。

・ 1 回限りで利用していたチャットや検索セッションがマルチセッション対応となり、Edge 内のチャット履歴や常設チャット機能によって生産性が高まります。

・ プラットフォーム機能を開放することで、開発者や第三者も Bing 上で構築できるようになり、ユーザーがクエリに対してアクションを起こしタスクが完了できるようになります。

Bing がオープン プレビューに

これまで非常に多くのお客様に Bing を採用いただき、ご協力やフィードバックをいただけたことに感謝いたします。おかげさまで次のステップに進む準備が整い、新しい Bing がオープン プレビュー段階に入りました。待機リストも解消され、マイクロソフト アカウントで Bing にサインインするだけで、新しい Bing と Edge をこれまで以上に簡単にお試しいただけるようになりました。 

検索をよりビジュアルに

研究によると、人間の脳は文字よりも視覚的情報を約 6 万倍速く処理できることが明らかになっています。つまり、検索や作成を実施し、理解を深めるにあたっては、ビジュアル ツールが重要な手段だということです。Bing は常に、ナレッジ カードやビジュアル サーチといった機能によってビジュアル体験が高いとされてきましたが、それと同様の体験を今回チャットでも提供します。今回発表するのは、チャートやグラフが含まれたビジュアル性の高い回答や、アップデートされた回答のフォーマットです。これにより、求めている情報がより簡単に見つかるようになります。

Bing チャットでビジュアル機能が向上

先日、マイクロソフトは Bing Image Creator を新しい Bing チャット体験に統合すると発表しました。これにより Bing の検索エクスペリエンスは、チャット内から 1 か所で文字コンテンツとビジュアル コンテンツの両方を生成できる唯一のものとなりました。そして本日、Image Creator Bing の全言語 (100 言語以上) に拡大することを発表します。これによって、より多くの人が母国語で画像を作成できるようになりました。

Bing Image Creator についての紹介ビデオ

また、Microsoft Edgの再設計に向けた取り組みも始めます。Bing チャットの 4 回に 1 回は Edge から発信されています。Edge は今後もウェブの副操縦士であり続け、AI を利用した初のブラウザであり、Bing が組み込まれた唯一のブラウザです。Edge に対する変更が展開されるようになると、無駄のない外観や、丸みを帯びた角、整理されたコンテナ、半透明のビジュアル要素など、より洗練され、強化されたユーザー インターフェースが登場します。

また、マルチモーダル機能でできることも拡張する予定で、チャットにビジュアル検索を組み込む取り組みも始めています。これにより、画像をアップロードして関連コンテンツをウェブで検索できるようになります。

検索の生産性向上に向けて

寄せられた要望の中で特に多かったのが、チャット履歴へのアクセスを維持する機能と、共有とエクスポートを可能にする機能の 2 つです。近日中には、チャット履歴機能によって Bing の過去のチャットに戻り、中断したところから再開できるようになります。また、より深く掘り下げたい場合に Bing チャットの結果を開くと、チャットが Edge のサイドバーに移動するため、ブラウジング中もチャットをすぐそばに置いておくことができます。今後は過去のチャットの文脈を新しい会話に反映させ、チャットをよりパーソナライズすることも検討しています。

チャット履歴についての紹介ビデオ

常設チャット機能についての紹介ビデオ

近日中にはチャットにエクスポート機能と共有機能も追加します。会話をソーシャル メディアで他の人と簡単に共有したい時や、新たに発見したアイデアを繰り返し伝えたい時に、その内容を直接エクスポートできます。フォーマットは変わらないため、Microsoft Word などのコラボレーション ツールに簡単に移行することが可能です。

Microsoft Edge のチャットも、近日中に長文ドキュメントのサマリー機能が改善される予定です。PDF や長文のウェブサイトなどにも対応し、情報量の多いオンライン コンテンツをより簡単に閲覧できるようになります。また、Edge アクション機能も導入する予定です。今後数週間で利用可能となるこの機能により、AI を利用してより少ないステップでより多くのタスクがこなせるようになります。例えば特定の映画が見たい場合、Edge アクションが選択肢を探してサイドバーのチャットに表示、見たい映画を利用可能な場所から再生します。また、Edge モバイルにはまもなくページ コンテキストが追加され、閲覧中のモバイルページに関する質問を Bing チャットに投げかけられるようになります。さらに、サイドバーのコンテンツ作成機能では、口調や長さ、言い回しなど、フィードバックに基づいて下書きを調整可能です。

Edge アクション機能についての紹介ビデオ

作成機能についての紹介ビデオ

製品からプラットフォームへの移行

AI を搭載した新しい Bing はすでに、より簡単に探しているものを見つけたり作成したりすることに役立っており、Bing によってチャットは理解を深め行動を起こすためのすばらしいツールとなっています。Image Creator との統合により、チャット内で必要な画像を作成するタスクが完了できるため、時間削減にもつながります。

近日中にはサードパーティのプラグインを Bing のチャット体験に組み込み、開発者向けのプラットフォームを構築します。例えば、Bing チャットで最新のレストランを調べている際に、OpenTable を活用してレストランの検索や予約が可能です。また、Wolfram|Alpha を使えば、強力なビジュアルを作成し、複雑な科学や数学に対する回答はもちろん、人間がまとめたデータに基づく質問への答えを直接 Bing チャットから得ることができます。マイクロソフトはパートナー企業である OpenAI と協力し、開発者がより簡単に、そしてできるだけ一貫した形で、この機会を活用できるよう取り組んでいます。こうしたスキルは、検索の再開発に変革をもたらすもので、検索領域の開発者のチャンスを拡大するものとなるでしょう。今月後半に開催予定の Microsoft Build にて、より詳しい情報をお伝えするのが楽しみでなりません。

Bing アクション機能について

オープンで責任ある構築を継続

当初からお伝えしてきたように、新しい Bing と Edge で構築する新しい体験すべての中心にあるのは責任ある AI です。新しい Bing をプレビューとして公開し、実際のテストやフィードバックから学ぶことは、当社の成功にとって重要なのはもちろん、この体験をより多くのユーザーに拡大させるためにも非常に重要なことでした。マイクロソフトでは、オープンな環境でイノベーションを起こし学習することが、責任あるアプローチの一環であると考えています。ただし、そこで終わるわけではありません。マイクロソフトはパートナーの OpenAI と協力し、プレビューで学び確認したことに基づいて、有害なコンテンツからの防御に向けた安全措置を継続的に実行しています。当チームでは、引き続き AI の原則に従い、誤報や偽情報、コンテンツブロック、データの安全性、有害や差別的なコンテンツの宣伝防止といった問題に取り組みます。新しい Bing での責任ある AI へのアプローチについては、こちらから詳細をご確認ください。

新しい Bing と Edge をまだお試しになっていない方は、ウェブの副操縦士によって当社がいかに検索を改革しているか、ぜひ直接体験してみてください。マイクロソフトでは、今後もフィードバックを収集し、プレビュー版を迅速に調整するという、思慮深く計算されたアプローチを継続します。毎週実施しているプレビュー版への変更では、今後もフィードバックを活用して最もリクエストの多い機能や更新を組み入れ、その中で新しい体験を追加していきます。検索の未来を体験するには、bing.com にアクセスいただくか、お好きなアプリストアで Bing モバイルアプリをダウンロードしてください。

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