企業にとって消費者との「信頼」を構築することが日本のデジタルサービスの利用促進の最重要課題

マイクロソフトと IDC によるデジタルサービスの「信頼」についての調査結果より

  • 価格が多少上がっても、信頼性の高いデジタルサービスを利用すると答えた日本の消費者は 3 人に 1 人
  • 日本の回答者のおよそ 40% が、信頼を損なう体験をした際にデジタルサービスを他の企業に切り替え、さらに 4 人に 1 人が完全に利用を停止
  • 日本の消費者の多くが、政府、テクノロジ企業がデジタルサービスの「信頼」のオーナーシップ (責任)、並びに AI の倫理的活用ルールについて先導的役割を果たすべきだと考えている

日本マイクロソフト株式会社 (本社: 東京都港区、代表取締役 社長: 平野 拓也、以下日本マイクロソフト) は、マイクロソフトと IDC Asia/Pacific による調査 Understanding Consumer Trust in Digital Services in Asia Pacific [1] (アジア太平洋地域の消費者のデジタルサービスに対する「信頼」についての理解) における日本向けの調査結果を公開しました。本調査結果から、企業にとって消費者との「信頼」を構築することが日本のデジタルサービスの利用促進の最重要課題であることがわかりました。

今日の日本において、銀行や小売企業、政府機関など、あらゆる組織に対する商取引や顧客とのやり取りのほとんどがデジタル化しつつあります。同時に、消費者はサイバーセキュリティ上のリスクや個人情報等のリスクに対する関心を強めています。本調査は、消費者の「信頼」に対する期待値とデジタルサービスにおける経験や行動を明らかにし、企業がデジタル世界で消費者から「信頼」を得、それを維持、深めることへの具体的な提案を提供することを目的としています。

マイクロソフトアジアで、政策渉外・法務部門を統括している、アソシエイトゼネラルカウンシルの Antony Cook (アントニー クック) は次のように述べています。

「信頼されるデジタルプラットフォームを構築できた企業が得られるベネフィットには計り知れないものがあります。日本は、アジア太平洋地域において、最もテクノロジ的に先進的でデジタル化が進展している国の 1 つであり、近い将来にほとんどの取引とやり取りがデジタル化すると予測されています。」

「しかし、消費者のデジタルへの依存が進展する中で、『信頼』という点において対応すべき重大なギャップが残っています。多くの日本の消費者は企業への期待値は高いものの、利用が進んでいないのが現状です。ビジネスリーダーは、消費者の信頼を獲得するために何が必要かを理解し、お客様との「信頼」の構築に焦点を絞ることでデジタルサービスの差別化要素としていくことが必要です」と、アントニーは述べています。

今回の調査は、日本を含むアジア 14 か国を対象に、IDC とマイクロソフトアジアが共同で策定した、デジタルサービスの信頼に関するプライバシー、セキュリティ、堅牢性、倫理、コンプライアンスの 5 つの「信頼」に関わる要素に関して調査を行いました。

これにより、アジア同様、日本の消費者にとって 3 つの重要な「信頼」の要素が、セキュリティ (82%)、プライバシー (80%)、堅牢性 (75%) であることが明らかになりました。

図 1: 日本の消費者が考える信頼の 5 要素の重要性
図 1: 日本の消費者が考える信頼の 5 要素の重要性

価格が多少上がっても、信頼性の高いデジタルサービスを利用すると答えた日本の消費者は 3 人に 1 人

日本企業がビジネスモデル、製品、顧客戦略の変革を進める中で、消費者が利用できるデジタルサービスは質量共に拡大しています。

本調査は、「信頼」できるプラットフォームの構築が企業戦略における優先されなければならないことを明らかにしました。利用価格が多少上がっても、信頼性の高いデジタルサービスを利用すると答えた日本の消費者は 3 人に 1 人となり、特にデジタルサービスに対して、「信頼の高さ」へコストをかけることへの抵抗はあまりないという結果が出ました。

IDC Japan でソフトウェア&セキュリティのリサーチマネージャーを務める登坂恒夫氏は次のように述べています。「信頼できるデジタルプラットフォームを有する企業と取引したいと考える消費者が増える中、企業がデジタルの世界で成功するためにはセキュリティとプライバシー、そして堅牢性を重視した信頼性の高いプラットフォームの提供が必要です。デジタルサービス間の競合がより激しく、グローバル化が進むにつれ、信頼性の高いプラットフォームを提供することが口コミによる高評価につながり、それが企業にとっての強力な差別化要素になり、ブランド価値を高めます。」

さらに重要な点として、本調査は、日本の消費者が信頼を損なう体験をした時に取る行動を明らかにしました。回答者のおよそ 40% が、信頼を損なう体験をした際にデジタルサービスを他の企業に切り替え、さらに 4 人に 1 人が完全に利用を停止すると答えました。

図 2: 信頼を損なう体験があった時に日本の消費者が取る行動
図 2: 信頼を損なう体験があった時に日本の消費者が取る行動

人工知能 (AI) とデジタルサービスにおける「信頼」の構築
テクノロジが私たちの生活、仕事、遊びを変革していく中で、デジタルサービスを提供し、AI を活用するすべての企業は、顧客に対して信頼の 5 要素を達成する直接的責任を負っています。

しかし、信頼構築の責任はデジタルサービスを提供する企業だけが負うべきものではなく、政府機関やテクノロジ企業を含む広範な業界全体が負うべきものです。

本調査からは、テクノロジ企業が「信頼」を構築するための先導的役割を担うべきという意見が日本の消費者における多数派であり (37%)、次いで、政府機関が担うべきという意見 (32%) が続きました。これは、日本の消費者がテクノロジ企業に対してより高い期待をもってリードしてもらいたいということの表れと理解することもできます。

図 3: デジタルサービスを提供する企業以外の誰が信頼構築における先導的立場を取るべきかに関する消費者の意見
図 3: デジタルサービスを提供する企業以外の誰が信頼構築における先導的立場を取るべきかに関する消費者の意見

AI テクノロジにおける「信頼」の構築については、消費者は政府機関 (45%) およびテクノロジ企業 (30%) が AI の「信頼」できる活用促進を先導すべきと考えています。

「AI そしてテクノロジ全般の開発と活用における信頼できる枠組みを構築する上では、まず個人、企業、そして、社会への影響を考慮しなければなりません。これには、政府機関やテクノロジ企業を含む適切な利害関係者が関与した広範な議論が必要になるでしょう。これらの対話には、様々な企業とのパートナーシップの強化や知識交換の促進などの行動が伴わなければなりません。これは、業界全体への「信頼」を獲得する上で必要なポイントです。」と日本マイクロソフト株式会社 執行役員 最高技術責任者 榊原 彰 は述べています。

詳細情報は、http://bit.ly/Microsoft-IDC-Consumer-Trust (英語) をご参照ください。

[1] Microsoft-IDC 調査 “Understanding Consumer Trust in Digital Services in Asia Pacific” について

  • アジア太平洋地域の 6,372 名の消費者が調査対象となりました。
    • 日本では計 452 名の消費者が調査対象となりました。
    • 男性と女性の割合はほぼ同数です(43% が男性、57% が女性)
    • 調査対象の消費者は以下の 4 つの年齢層から構成されます: Gen Z – 15 歳から 25 歳 (20%)、Gen Y – 26 歳から 40 歳 (30%)、Gen X – 41 歳から 55 歳 (30%)、ベビーブーマー – 56 歳から 75 歳 (20%)
    • 回答者の職業は経営者、専門職、学生、専業主婦等、さまざまです。
  • 対象となった 14 のアジア太平洋地域市場は以下のとおりです: オーストラリア、中国、香港、インドネシア、インド、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム
  • 本調査参加の重要な条件は、日々の生活でデジタルサービスを積極的に活用しており、過去 90 日間に、銀行、買い物、ソーシャルメディアへの参加などのオンラインアクティビティを行ったことです。

マイクロソフトに関する詳細な情報は、下記マイクロソフト Web サイトを通じて入手できます。

日本マイクロソフト株式会社 Web サイト http://www.microsoft.com/ja-jp/
マイクロソフトコーポレーション Webサイト http://www.microsoft.com/

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