自動化への転換で収益強化 ― 今、アルム平山 京幸は生成 AI で世界を目指す 

著: リム アイ リーン  

※本ブログは、米国時間 2026 年 3 月 24 日に公開された ”His pivot to automation boosted profits. Now Takayuki Hirayama bets on generative AI to go global – Source Asia” の抄訳を基に掲載しています。

平山 京幸氏が石川県金沢市の自宅の台所から完全自動化メーカーアルム株式会社を立ち上げてから 20 年が経つ。その間、精密部品業界向けの AI 加工ソリューションを開発する補完的なビジネスを構築してきた。現在、日本国内の 200 社以上がアルムの自社開発ソフトウェア ARUMCODE を使用しており、切削加工の完全自動システム TTMC も数十台が出荷されている。しかし、この CEO にはさらに大きな計画がある。 

アルムが精密部品の製造から AI 加工ソリューションの開発に転換したきっかけは何ですか? 

2006 年に創業しまして、それ以来、私たちは ODM(オリジナルデザインメーカー)として、自動車の大手や半導体の大手向けに機械や自動化ラインの設計製作を受託する仕事をしていました。非常に難しい仕事でしたが、利益的には非常に少ないという状況でした。 

その後、2008 年のリーマンショックの時に、私たちのパートナーである金属加工をやっているコアパーツメーカーさんがどんどん倒産、廃業しました。そこで、私たちの技術をそういった企業さんに届ければ需要があるんじゃないかと思ったのがきっかけです。 

また、我々独自の課題というよりも産業界全体の課題として、金属加工の職人、技能者が激減しているということが起きていました。 

そこで、 AI を活用した完全自動化を目指すことにしました。 

ARUMCODE と TTMC の着想はどのようなものでしたか? 

もともと金属加工というのは全 12 工程ありまして、プログラミング(ARUMCODE)はそのうち前の 3 工程をカバーするものでした。あとの 9 工程も自動化しようというのはもともとのコンセプトとしてあったので、TTMC を開発するのは自然の流れでした。 

最初の ARUMCODE というのは、本当にもう全く何も作れないソフトウェアだったんですね。そこから何万回とテストを重ねてブラッシュアップして学習させていく中で、2020 年ぐらいにある程度のレベルに来ました。販売できると確信して、「これはいける」と感じました。 

それ以降、アルムのビジネスはどのように変わりましたか? 

ARUMCODE と TTMC をやってからは、その前と比較すると、利益額が 8 倍から 10 倍ぐらいにはなっていると思いますね。 

あと、私たちは ODM 開発を主にしていましたので、私たちの名前が表に出るということはなかったんですが、ARUMCODE と TTMC は我々の名前を冠する製品になっていますので、社名が表に出て、世界の方々に認知されるように変わってきました。 

この完全自動化、AI 化を前面に出すタイミングで、私たちはファブレス企業という形になりました。 AI のソフトウェアや機械装置の設計開発を我々がやり、ものづくりのところはパートナー企業さんにすべて担っていただいています。 

次のステップは? 

年末までには、TTMC は日本国内の各地にある TTMC 100 台以上を繋げる予定です。それぞれが点でバラバラに動くのではなくて、Microsoft Azure 上で統括制御されて動くことになります。 

例えば東北地方で地震が起きて供給が止まった場合、それを代替して鹿児島の工場の TTMC が作れるという環境になります。 

もうひとつは、TTMC は自動車、半導体、防衛など、さまざまな分野にわたって導入していただいていますので、そこの設計データや加工のレシピが自動的に収集され機械学習に活用します。クラウドのネットワークを使い、TTMC を連携しているので我々はいわゆる製造インフラベンダーという立ち位置になると思います。 

計画通りに進めば、2027 年 8 月にアメリカと韓国とインドで必要な認証を取ることができますので、それぞれの国に輸出することになります。 

A man in a cream sweater standing in a factory.
石川県金沢市にあるアルム株式会社の工場内に立つ、創業者兼 CEO の平山 京幸氏。写真: 林 典子

マイクロソフトの技術はどのように役立っていますか? 

GPT-5 in Foundry Models (Microsoft Foundryで利用可能な Open AI の大規模言語モデル) を搭載し、機械の制御と連結させることで、自然言語で機械の操作が可能になります。マシーンを導入した即日に操作が可能ですし、例えば日本語で対応しているものを、他の言語に AI で置き換えて操作ができるようになります。 

調達ネットワークを構築し、製造インフラベンダーとなる計画は、マイクロソフトのAzureクラウドプラットフォームを活用することで実現されます。 

AI ソリューションの開発に舵を切らなかった場合、アルムは今日どうなっていたと思いますか? 

数字的な計画で言いますと、FY 2026 は社員数 40名 で売上高 70 億円(約 4,440 万ドル)で純利益が 20 億円(約 1,270 万ドル)を目標にしています。2030 年に上場する予定です。 

ARUMCODE や TTMC がなければ、おそらく売上高が 10 億円(約 640 万ドル)で、利益にすると 5,000 万円(約 31 万 8,000 ドル)ぐらいの企業で止まっていたと思います。あとは世界を相手にビジネスをするという絵は描けなかったと思うんです。 

ARUMCODE や TTMC がなくても、それはそれで生き残れたとは思っています。定期的にお仕事いただいていましたし、ただ、このような大きな夢は描けなかったと思います。 

最も誇りに思っていることは何ですか? 

実は、アルムは、私が全部発案者で発明者なんです。それが世に出せて、お客様に喜んでいただいているのが、一番の喜びであり自分の誇りになっています。

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