[2011年5月10日]
日本マイクロソフト株式会社
日本マイクロソフト株式会社(本社:東京都港区)は、Windows(R) オペレーティングシステム(OS)を搭載したPC(以下Windows PC)の節電に関する情報提供および効果的な利用方法の提案を目的に、財団法人電力中央研究所の協力※のもと、Windows PCの消費電力検証を実施、その検証結果と節電効果について発表しました。
また、この検証結果をもとに、Windowsにおいて複数に及ぶ節電設定を一括で行う「Windows PC自動節電プログラム」を本日より当社ウェブサイトからのダウンロード提供を開始するとともに、節電設定に関する一般ユーザー向け無償電話サポート窓口を開設します。これらの節電に関する情報および節電設定プログラムは本日開設のウェブサイト「Windows PC節電策」(http://www.microsoft.com/japan/setsuden)にて公開します。 さらに同ウェブサイトにて、企業における自社のPC利用形態に合わせた節電設定や削減効果の試算のための詳細データを公開します。
※財団法人電力中央研究所の協力内容:測定環境 (場所、測定機器) の提供、測定手法と結果解釈の教示
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日本マイクロソフトでは、東日本大震災による電力不足を受け、家庭および企業における節電の重要性が増すなか、2011年3月16日にWindows PCの節電に関する情報サイトを立ち上げ、既に約30万件以上のアクセスがされています。本年夏に予想される電力不足に向けた節電対策として、今回の検証結果をもとに、さらにWindows PCの節電に関する情報および効果的な利用方法について、ウェブサイト、店頭や各種セミナーなどを通して提供していきます。
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主な検証結果および節電効果
(注):下記内容はWindows OS搭載PCをある一定の利用シナリオで検証した場合の数値および節電効果であり、特定のPCハードウェアについて言及するものではありません(測定概要:添付資料1、すべて当社検証および算出数値)
- 最新のPCは、5年前に発売されたPCに比べて平均約53%の節電効果があり、また、ノートPCはデスクトップPCに比べて平均約66%の節電効果がある※ ※同年発売機種比較
- PCの電力量はOS起動時に多く消費しており、OS起動時はスリープ状態からの復帰時に比べて3倍以上の電力量を消費している
- 電源OFF時の待機電力とスリープOFF時の待機電力との間には約0.5W(ワット)の差しかない。したがって、1時間45分※以内にPCを再度使用する場合は、スリープ(Windows XPではスタンバイ)が推奨される ※Windows XP 搭載デスクトップPCの場合
- PC利用時の最も有効な節電策はディスプレイの輝度調整である。画面の明るさを100%から40%に変更することで平均23%の電力削減が可能である
上記の結果からWindows PCの利用において、スリープもしくはスタンバイの有効活用と利用時のディスプレイ輝度調節による節電効果が高いといえる(一台あたり平均節電効果:約30%※) ※ある一定の利用シナリオで90分利用した場合
「Windows PC自動節電プログラム」概要
名称: Windows PC自動節電プログラム
概要:当該プログラムは、Windows PCにおいて節電効果が望める複数の項目を一括で設定するもの
対象OS: Windows 7、Windows Vista(R)、Windows XP (全ての Service Pack)
提供サイト:http://www.microsoft.com/japan/setsuden
提供形態:.msi (Windows インストーラーファイル)
対象: 自らPCの設定変更が難しい一般ユーザーや情報システム担当者がいない法人ユーザーを想定
※対象外:Windows Server(R) Active Directory(R)グループポリシーやシステム管理製品などで管理された企業内PC、またはPCメーカー各社から提供されている電源管理機能があらかじめ組み込まれたPC
代表的な節電設定内容:以下の設定項目をAC電源接続時の電源プランに適用
- 「画面の明るさ」:40%(Windows 7, Windows Vista ノート PCのみ)
- 不使用時での「ディスプレイを暗くする」までの時間:2分 (Windows 7 ノート PC のみ)
- 不使用時での「ディスプレイの電源を切る」までの時間:5分
- 不使用時での「コンピューターをスリープ状態にする」までの時間:15分
一般ユーザー向け無償電話サポート概要
窓口名称:節電設定無償電話サポート
電話番号: 0120-37-0196 (自動音声に従い6#)
対象のお客様:一般ユーザー(個人)
サポート受付内容:「Windows PC自動節電プログラム」のインストール方法、設定の復元方法、OSから設定可能な項目に関する一般的な質問
対応時間:月曜日~金曜日、9:30~12:00 / 13:00~19:00 (土日祝日及び指定休業日を除く)
窓口開設期間:2011年5月10日(火)~2011年8月10日(水)
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財団法人電力中央研究所 システム技術研究所
需要家システム領域リーダー 上席研究員 工学博士 中野幸夫様のコメント
「現在、PCのない生活は考えられません。日本全国に7,000万台を超える数のPCが普及している中で、1台の節電効果は小さくとも、使い勝手を損なうことなく節電する方法とその効果を明らかにしたことには大きな社会的意義があると考えています。さらに、PCの節電には、冷房に必要な電力を減らす効果もあります。オフィスなどにおいて、PCの消費電力を1kW削減すると、冷房に使われる電力は約0.3kW削減されます。すなわち,PCの節電1kWはオフィス全体では1.3kWの節電になります。この効果も忘れてはなりません。」
(*PCや照明で使われた電力は熱として室内に放出され、この熱を空調機によって建物の外に排出することで冷房がなされます。オフィスビルなどに普及している電気式ヒートポンプを使った空調機の場合、空調機が消費した電力の3~4倍程度の熱を外へ排出することができます。この値をCOP(成績係数)と呼び、空調機のエネルギー効率を表す指標として広く使われています。COP=3~4の空調機では、熱1kWを外へ排出するために必要な消費電力は約0.3kW(=1kW/(3~4))となりますので、室内発熱を1kW減らせば空調機の消費電力は約0.3kW減ることになります。)
<添付資料 1>
※測定概要
- 検証条件:AC101V、50Hzの交流電力をPCに安定的に供給 (交流安定化電源を使用)、周囲温度23°C ± 1°C
- 検証ハードウェア: Windows 7 (2010年モデル)、Windows Vista(TM) (2008年モデル)、Windows XP (2006年モデル)(各年の販売実績に基づき採用)
- 通常電力計測および起動/停止電力計測
- 各PCおよびディスプレイにそれぞれ計測器を接続 ※計測器には、電力中央研究所が開発した「電力特性測定器」を使用
- Windows PCの起動時やアプリケーション利用時等の消費電力を1秒間隔で測定
- 通常電力計測時は所定の安定状態から開始し、5分間の積算電力量から平均消費電力を算出
- 起動/停止電力計測時は所定の動作を3回以上行い、その平均積算電力量を算出
- 微小待機電力計測
- 電源OFF時やスリープ時等の微小電力を測定
- 所定の安定状態から計測を開始し、5分間の積算電力量から平均消費電力を算出
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【日本マイクロソフト株式会社について】
日本マイクロソフトは、マイクロソフト コーポレーションの日本法人です。マイクロソフトは、モバイル ファースト& クラウド ファーストの世界におけるプラットフォームとプロダクティビティのリーディングカンパニーで、「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)」を企業ミッションとしています。
日本マイクロソフトは、この企業ミッションに基づき、「革新的で、安心して使っていただけるインテリジェントテクノロジを通して、日本の社会変革に貢献する」企業像を目指します。
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マイクロソフトに関する詳細な情報は、下記マイクロソフトWebサイトを通じて入手できます。
日本マイクロソフト株式会社 Webサイト http://www.microsoft.com/ja-jp/
マイクロソフトコーポレーション Webサイト http://www.microsoft.com/
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