日本マイクロソフトと富士通、東日本大震災で被災した保護動物の情報公開を支援する取り組みを開始

[2011年7月25日]

日本マイクロソフト株式会社
富士通株式会社

日本マイクロソフト株式会社(本社:東京都港区、代表執行役 社長:樋口泰行、以下、日本マイクロソフト)と富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 正已、以下、富士通)は、東日本大震災の被災地で保護された犬、猫などの動物の情報をクラウド基盤に集約するとともに公開可能な環境を提供し、元の飼い主との再会や、飼い主を失ったペットの新しい飼い主探しを支援する取り組みを開始しました。
本取り組みでは、宮城県緊急災害時被災動物救援本部(代表者名:大江義之、以下、救援本部)が保有する保護動物のデータ(保護された場所、個体の特徴、写真など)を、富士通のクラウド基盤から提供する「被災動物救護支援サービス」に集約したうえで、日本マイクロソフトがポータルサイトMSN(R)上で公開している「MSNペットサーチ」とシステム連携させました。現在、宮城県の石巻動物救護センター(代表者名:早坂敬)などで保護されている約50頭の動物の情報が公開されており、今後、順次掲載情報を充実させる予定です。
これにより、このたびの震災で被災され、ペットと離れ離れになった飼い主は、MSNペットサーチ上から、自身のペットが保護されていないかどうかを確認することができます。また震災により飼い主を失った動物の新しい飼い主になることを希望する方は、本サイトより動物を保護している団体などへ連絡を取ることができます。

 「MSNペットサーチ」は、日本マイクロソフトが緊急災害時動物救援本部(代表者名:中川志郎)との連携により、2011年4月14日より運営しているサービスです。東日本大震災の影響によって飼い主と離れ離れになった動物の情報を、各動物保護団体より集約して公開することにより、元の飼い主との再会や、新しい飼い主探しを支援しています。PCもしくはインターネットが閲覧可能な携帯電話などから無料で利用可能です。
「被災動物救護支援サービス」は、富士通が宮城県獣医師会向けに、2011年5月2日より提供しているサービスです。被災した動物の情報を独自のクラウド基盤に集約し、救援本部による公開を支援しています。
技術的には、「MSNペットサーチ」は日本マイクロソフトのクラウドサービス「Windows Azure(TM)」、「被災動物救護支援サービス」は富士通のクラウドサービス「FGCP/S5」を基盤としており、今回、クラウド間のシステム連携を実現することで、保護動物の情報公開が可能になりました。
システム連携に際しては、富士通のクラウドサービスを支えるコンポーネントであるセキュア情報共有基盤技術が用いられています。オープン仕様による外部連携機能(注1)を用いることにより両社のシステム連携を短期間で実現するとともに、秘匿化機能を用いて公開必要な情報のみをセキュアに相手先へ送信することを可能としています。
本システムの構築により、動物保護団体が持つ保護動物の情報をすばやく包括的に公開することが容易となりました。
日本マイクロソフトと富士通は今後、より多くの自治体、動物保護団体に対して本システムの利用を働きかけることにより、保護動物の情報集約と充実を進め、元の飼い主との再会や、新しい飼い主探しを支援します。
また将来的には被災動物に限らず、飼い主を失った動物の情報を掲載することを検討しており、これらの情報を恒常的に集約・公開することにより、日本国内での保護動物の殺処分件数の低減に貢献することを目指します。
イメージ
緊急災害時動物救援本部 本部長・中川志郎様のコメント
現在、動物保護団体などが保護した動物の情報は、各団体が独自に所有・公開されることが多く、元の飼い主にとっては、自分のペットが無事に保護されているかどうかを確認することが非常に困難でした。また保護団体側も、人員不足などの理由から、保護した動物の最新情報を公開したり、元の飼い主や新しい飼い主を探したりといった「保護した後」の取り組みに十分対応しきれていない現状がありました。
ITやクラウドを活用することにより、元の飼い主や、新しい飼い主探しが容易になることは、被災地の動物や、被災者の方々の一助となるばかりでなく、動物の殺処分件数の低減という観点からも非常に意義のあることだと考えます。

 宮城県緊急災害時被災動物救援本部について
宮城県獣医師会で構成する組織です(事務局:社団法人宮城県獣医師会)。県内9か所に現地救護センターがあります。

緊急災害時動物救援本部について
財団法人日本動物愛護協会・公益社団法人日本動物福祉協会・公益社団法人日本愛玩動物協会・社団法人日本獣医師会の4団体で構成され、環境省のオブザーバー参加のもと、被災地の各自治体・獣医師会等と連携し、被災された方々と飼育動物への支援活動を行っている救援組織です。詳細は以下ウェブサイトをご覧ください。
http://www.jpc.or.jp/saigai/

(注1) 外部連携機能:両社のシステム連携のためのインターフェースには、Open Data Protocol (OData)およびOAuth2.0を用いています。ODataは米国マイクロソフトコーポレーションがインターネットを通じた汎用的なデータサービスのためのインターフェース仕様として提唱し業界にオープンな形で提供している規約です(http://www.odata.org/)。また、認証・認可のためにOAuth2.0を用いています(http://oauth.net/)。

【日本マイクロソフト株式会社について】
日本マイクロソフトは、マイクロソフト コーポレーションの日本法人です。マイクロソフトは、モバイル ファースト& クラウド ファーストの世界におけるプラットフォームとプロダクティビティのリーディングカンパニーで、「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)」を企業ミッションとしています。
日本マイクロソフトは、この企業ミッションに基づき、「革新的で、安心して使っていただけるインテリジェントテクノロジを通して、日本の社会変革に貢献する」企業像を目指します。

マイクロソフトに関する詳細な情報は、下記マイクロソフトWebサイトを通じて入手できます。

日本マイクロソフト株式会社 Webサイト http://www.microsoft.com/ja-jp/
マイクロソフトコーポレーション Webサイト http://www.microsoft.com/

* Microsoft、Azure は、米国 Microsoft Corporation の米国及びその他の国における登録商標または商標です。
* その他、記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。

本プレスリリースのすべての内容は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。正式な社内承認や各社との契約締結が必要な場合は、それまでは確定されるものではありません。また、様々な事由・背景により、一部または全部が変更、キャンセル、実現困難となる場合があります。予めご了承下さい。

関連記事