[2011年10月5日]
国立大学法人 東京大学
日本マイクロソフト株式会社
レノボ・ジャパン株式会社
豊島区教育委員会
国立大学法人 東京大学(総長:濱田 純一、以下 東京大学)、日本マイクロソフト株式会社(本社:東京都港区、代表執行役 社長:樋口 泰行、以下 日本マイクロソフト)、レノボ・ジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長:ロードリック・ラピン、以下 レノボ・ジャパン)は、次世代を担う子どもたちの21世紀型スキルの育成を目指して、ICTを活用した実証研究に連携して取り組むことで合意しました。3者では、東京大学に9月28日(水)に竣工した「21 KOMCEE」(注1)において、タブレットPCとクラウドサービスを活用した能動型学習(アクティブラーニング)に取り組むとともに、本取組みと連携し、同様の最新のICT環境を、豊島区教育委員会(教育長:三田 一則)の協力のもと、豊島区立千川中学校に展開し、実証研究を行います。
現在、これからの国際社会で活躍する人材育成の課題に対して、世界の教育科学者やUNESCO(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)、OECD(Organization for Economic Co-operation and Development)などの国際教育機関が連携して、21世紀の国際社会で必要な、子どもたちがこれから身に着けていくべき能力として「21世紀型スキル」を規定し、その育成に取り組んでいます。21世紀型スキルでは、コミュニケーションやコラボレーションの能力や、課題発見解決力などともに、それらのスキルを支えるICT活用力や情報リテラシーの育成が推奨されています。
東京大学、日本マイクロソフト、レノボ・ジャパンおよび豊島区教育委員会の4者は、ICTを活用した21世紀型教育を再構築し、日本のこれからの教育を提示するために連携し、東京大学では10月上旬から、豊島区立千川中学校では10月下旬から本プロジェクトを開始します。
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■実証研究の内容
- 東京大学では、Microsoft(R) Windows(R) 7 を搭載したタブレットPC 60台と教育向けソフトウェア、およびクラウドサービスを備えた最新のICT環境を、「21 KOMCEE」に構築し、2006年4月~2009年3月に実施したMEET(Microsoft chair of Educational Environment and Technology:マイクロソフト先進教育環境寄附研究部門)の研究成果をもとに、タブレットPCを活用したアクティブラーニング型のモデル授業を実施します。また、そこで得た経験やノウハウを、豊島区立千川中学校でのICTの活用や21世紀型スキル育成のために共有するとともに、本プロジェクト全体の実証研究の成果を公開授業等で紹介することで、ICTを活用した21世紀型教育を提示していきます。
- 豊島区立千川中学校に、Windows 7 を搭載したタブレットPC 40台と教育向けソフトウェア、およびクラウドサービスを備えた最新のICT環境を構築し、生徒1人につき1台のPCを活用した授業や、クラスの枠組みを超えた教育活動を実現することで、21世紀型スキルの育成に有効なICT活用の検証を行います。
*利用するソフトウェアやクラウドサービスの詳細は、添付資料を参照ください。
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■ 各者の役割
- 東京大学:
21世紀型スキル育成のためのICT活用に関する助言、教職員研修の講師や教材の提供。駒場キャンパスの「21 KOMCEE」での講義で最新のICT環境を利用し、そこで収集した経験やノウハウを実証研究に活用 - 日本マイクロソフト:
マイクロソフトが世界で展開している教育支援プログラムの「Innovative Schools Program」(注2)の一環として、教育専門家の手配や、教育改革を進めるためのWebツールであるスクールリサーチの提供、海外で実績のある教材および教育向けICTツールの提供、豊島区立千川中学校の教職員への技術研修、海外との情報共有の場の提供などを実施 - レノボ・ジャパン:
若者の夢の実現を支援する「U.dream」プロジェクト(注3)の一環として、東京大学の21 KOMCEEへタブレットPC 60 台の寄贈、豊島区立千川中学校へのタブレットPC 40台の寄贈と、実証研究に際してのテクニカルサポートの提供 - 豊島区教育委員会および豊島区立千川中学校:
実証研究への教職員の参加・協力、教育委員会や学校が実施する教職員研修との連携、実証研究に伴うICT環境の整備
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(注1) 21 KOMCEE (21 Komaba Center for Educational Excellence, 理想の教育棟):自ら考えて判断したり、仲間や教員と議論しながら互いに切磋琢磨したりする主体的な学び・能動的な学びを表す「アクティブラーニング」を支援するための施設として、東京大学 駒場キャンパス内に2011年5月に完成し、2011年冬学期より授業での利用を開始します。21 KOMCEEの詳細は下記Webサイトを参照ください。
http://www.komcee.c.u-tokyo.ac.jp/
(注2)Innovative Schools Program:マイクロソフトが、企業市民活動の一環で全世界で展開している教育機関向けプログラム。教育現場が抱えている共通の課題に対応して、自治体や教育機関、パートナー企業と連携してICTを活用したソリューション作りに取り組み、教育現場でのICT利活用ソリューションの活用モデルを提示することを目指しています。
(注3)「U.dream」プロジェクト:レノボ・ジャパンが、志を持つ若者の夢の実現と、若者の未来を支援する団体をサポートするプロジェクト。「Education(教育)」「Entrepreneurship(起業)」「Environment(環境)」「Global(グローバル)」の4つのカテゴリがあります。PCの貸し出しや寄贈ならびにその団体の活動紹介を通して、国際社会で活躍する人材育成のための活動の一環。
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<添付資料 1>
■ 豊島区立千川中学校のICT環境利用イメージ
■ 豊島区立千川中学校で利用するソフトウェア/クラウドサービスと協力会社
クライアントPC | Microsoft Office 2010 (デジタルノートの Microsoft OneNote® など) | 日本マイクロソフト株式会社 |
Microsoft SharePoint® Workspace (ファイル共有ツール) | 日本マイクロソフト株式会社 | |
MEET eJournal Plus(読解力育成ソフトウェア) | 東京大学 日本マイクロソフト株式会社 |
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InterSafe CATS(クラウド型Webフィルタリングソフト) | アルプス システム インテグレーション株式会社 | |
電子教材 | DocZoom Creator (動画や写真を埋め込んだ動きのあるデジタル教材を簡単に作成できるツール) |
株式会社セカンドファクトリー |
クラウド | Moodle On Windows Azure(Cup Moodle) (マイクロソフトのクラウドプラットフォーム”Windows Azure™ Platform”上で動くLearning Management System) |
株式会社タイムインターメディア |
Dr.シンプラーTabletPCマネージャOn Azure (タブレットPC用のアプリケーション起動プログラムおよびWindows Azureと連動した生徒用フォルダ管理システム) |
ゼッタリンクス株式会社 | |
Windows Live® SkyDrive® (無料のオンラインストレージ) |
日本マイクロソフト株式会社 | |
その他 | Microsoft WorldWide Telescope (天文ソフトウェア) |
日本マイクロソフト株式会社 |
Microsoft Photosynth® (2次元の写真を3Dに自動構成するツール) |
日本マイクロソフト株式会社 | |
Outlook Live携帯アクセス (携帯電話からLive@edu 上のメールサービスを利用可能にするツール) |
株式会社ディライトテクノロジー | |
ICTサポート | 本プロジェクトで活用するソフトウェアの設定・ICTサポート | 富士電機ITソリューション株式会社 |
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【日本マイクロソフト株式会社について】
日本マイクロソフトは、マイクロソフト コーポレーションの日本法人です。マイクロソフトは、モバイル ファースト& クラウド ファーストの世界におけるプラットフォームとプロダクティビティのリーディングカンパニーで、「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)」を企業ミッションとしています。
日本マイクロソフトは、この企業ミッションに基づき、「革新的で、安心して使っていただけるインテリジェントテクノロジを通して、日本の社会変革に貢献する」企業像を目指します。
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マイクロソフトに関する詳細な情報は、下記マイクロソフトWebサイトを通じて入手できます。
日本マイクロソフト株式会社 Webサイト http://www.microsoft.com/ja-jp/
マイクロソフトコーポレーション Webサイト http://www.microsoft.com/
* Microsoft は、米国 Microsoft Corporation の米国及びその他の国における登録商標または商標です。
* その他、記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
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