[2012年2月7日]
学会研究会jp株式会社
日本マイクロソフト株式会社
学会研究会jp株式会社(本社:東京都新宿区、以下 学会研究会jp)は、業務の継続性や情報データ保管の安全性の向上をより低コストで実現するために、学会研究会jpの医療画像外部保存システム「Dr. Cloud」の提供基盤として、日本マイクロソフト株式会社(本社:東京都港区、以下 日本マイクロソフト)のクラウドサービスである Windows(R) Azure(TM) を採用し、2012年2月7日(火)より実稼動を開始したことを発表します。
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国内の医療機関では画像診断装置のデジタル化や診療報酬の改定(電子画像管理加算)などによりフィルムレス化が進められるとともに、画像診断装置の高性能化や3次元画像解析の実用化などにより、1検査あたりの画像枚数が大幅に増加しています。また医療機関は、この医療画像データを最低5年分保存することが要請されていることから、増え続ける医療画像データの管理・運営の負担が経営課題の1つとなっています。一方で、2009年11月の厚生労働省「医療情報ネットワーク基盤検討会」における提言を受けて、2010年2月に「診療録等の保存を行う場所について」の一部が改正され、一定の条件下において医療情報の外部保存が可能となったことで、医療機関は、自前のITシステムではなく、クラウドサービス等の外部のシステムへの医療画像データの保存が可能となりました。
学会研究会jpでは、2011年5月より、医療画像外部保存システムとして「Dr. Cloud」を提供してきましたが、コストを抑えながらさらに高品質なサービスを提供するために、保険医療機関及び保険医療養担当規則第9条に沿って、医療行為の完結の日から3年以上経ち、法令による保存義務期間を過ぎた医療画像データを個人を特定出来ない方式で、日本マイクロソフトの Windows Azure に保存することを決定し、実稼働を開始しました。
学会研究会jpは、これまで医療従事者向けのソーシャルネットワークや周辺サービスを提供してきた経験やノウハウをもとに、医療機関のニーズにあわせて、クラウドサービスを活用したソリューションをさらに展開していきます。
日本マイクロソフトは、「Dr. Cloud」の販売パートナー企業との協業イベントの企画・開催の支援や、大手病院グループへの販売支援などを通して「Dr. Cloud」の普及に取り組んでいきます。また、今後も医療コミュニケーションクラウド、福祉クラウド、健康管理クラウドなどの分野において、パートナー企業との連携により、医療福祉の現場のニーズにあわせて様々なクラウドサービスの活用を推進していきます。
学会研究会jpと日本マイクロソフトは、販売パートナー企業との連携により、2014年までに400の医療機関への「Dr. Cloud」の導入を目標としています。
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■ 医療画像データ管理・保管ソリューション「Dr. Cloud」(Windows Azure版)の概要
- 特長:
- 従来の院内設置型で課題となっていた、旧装置からのデータ移行のコストや手間を大幅に削減できます。従来の院内設置型と比較すると、2TBの利用で230万円、10TBでは1,110万円のコスト削減が見込まれます。
- 標準でDICOMビューアー(医療画像の読影専用画面)を搭載しているため、自宅からの閲覧や情報共有が容易です。タブレット端末にも対応していることから、地域医療連携への展開も容易に行うことができます。
- 院内システム、医療コミュニケーションクラウドとの相互運用など、ハイブリッド型システムでの連携をスムーズに実現することが可能です。
- 過去の画像フィルムのデジタイズから外部保管まで一気通貫でデジタイズサービスを受けることができます。
- 価格:
初期費用 35万円、月額利用料 3万5千円、データ保管料 30円/GB - 対象:ベッド数50床以上の病院
- システム概要:以下を参照ください。
https://kenkyuukai.jp/explanation/imagekeep.asp
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■ 早期導入事例:彦根市立病院
2011年5月より「Dr. Cloud」を利用している彦根市立病院(所在地:滋賀県彦根市、院長:赤松 信)では、2012年2月7日(火)より、Windows Azure を活用した「Dr. Cloud」の運用を開始しています。彦根市立病院では、院内システム(PACS)に長年にわたり蓄積された医療画像の安全な長期保存をできるだけコストを抑えて行うことが経営課題の一つとなっていましたが、本ソリューションの導入により、業務の継続性、画像保存の安全性の向上とコスト削減を同時に実現しました。
彦根市立病院での「Dr. Cloud」(Windows Azure版)の利用状況:
- 利用用途:これまで院内のストレージに保管されていた過去の画像データを保管するほか、今後新たに撮影するデータのバックアップ先としても利用。
- 目的:バックアップ、システム投資効率改善(キャッシュフロー)
- 利用規模:現時点で10TB以上。今後も増加予定。
彦根市立病院より、下記のコメントをいただいています。
彦根市立病院 技師長 岩﨑 清吾氏
「彦根市立病院は、学会研究会jpと日本マイクロソフトの取り組みに賛同し「Dr. Cloud」を導入しました。本ソリューションを導入したことで、安全性と利便性を安価で実現することができます。学会研究会jpと日本マイクロソフトには、今後も更なるシステム全体の質の向上を安価に提供するソリューションを期待しています。」
また、遠隔画像診断の提供・普及に取り組まれている、京都プロメド株式会社より、下記のコメントをいただいています。
京都プロメド株式会社 代表取締役社長 河上 聡氏
「京都プロメドは学会研究会jpと日本マイクロソフトの「Dr. Cloud」の推進に賛同しています。遠隔画像診断に関しても今後画像クラウド・外部保管との連携は一層深まるものと思います。現在は、診断が必要な画像を一件ずつ転送していますが、病院の画像全てがクラウド上に保管される環境が実現すれば、読影依頼を受けた画像をすぐに参照することができ、過去画像との比較も容易となり、診断の質が一層向上することが期待されます。また、遠隔画像診断の仕組みそのものも、読影用アプリケーションとデータ保管をそれぞれ独立させることで、より安全性、利便性の高いシステムを、今までよりも安価に構築できるものと考えています。本ソリューションの導入により、これらの実現がより現実的になるのではと、学会研究会jpと日本マイクロソフトに期待しています。」
<Dr. Cloud システム構成図(多拠点連携時)>
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【日本マイクロソフト株式会社について】
日本マイクロソフトは、マイクロソフト コーポレーションの日本法人です。マイクロソフトは、モバイル ファースト& クラウド ファーストの世界におけるプラットフォームとプロダクティビティのリーディングカンパニーで、「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)」を企業ミッションとしています。
日本マイクロソフトは、この企業ミッションに基づき、「革新的で、安心して使っていただけるインテリジェントテクノロジを通して、日本の社会変革に貢献する」企業像を目指します。
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マイクロソフトに関する詳細な情報は、下記マイクロソフトWebサイトを通じて入手できます。
日本マイクロソフト株式会社 Webサイト http://www.microsoft.com/ja-jp/
マイクロソフトコーポレーション Webサイト http://www.microsoft.com/
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