[2014年4月21日]
生徒1人1台のタブレットPCで実現する「主体的に学ぶ態度」や「協働的問題解決能力」の育成
目黒区教育委員会
日本マイクロソフト株式会社
日本電気株式会社
東日本電信電話株式会社
目黒区教育委員会は、目黒区立第一中学校において、学習指導要領が定める「言語活動の充実※1」を図り、グローバルな知識基盤社会を生きる生徒の「主体的に学ぶ態度」や「協働的問題解決能力」の育成などを目的として、生徒1人1台のタブレットPCや電子黒板等最新のICT環境を活用した授業を実施し、その効果を検証する実証研究(プロジェクト名「MPL21(Meguro Proactive Learning for the 21st-century)」、以下「本実証研究」)を開始しました。
本実証研究の開始にあたり、日本マイクロソフト株式会社(本社:東京都港区、代表執行役 社長:樋口 泰行、以下「日本マイクロソフト」)、日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員社長:遠藤 信博、以下「NEC」)、東日本電信電話株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:山村 雅之、以下「NTT東日本」)が、タブレットPC、電子黒板、光回線といったICT環境整備と、ICTの効果的な活用促進のために必要な研究支援員(ICT支援員)等を提供します。
また監修者として、富山大学 人間発達科学部 教授 山西 潤一 氏、上越教育大学 学校教育実践研究センター 特任准教授 清水 雅之 氏、つくば市立春日学園 春日小学校・春日中学校 教頭 毛利 靖 氏など有識者の方々に参画いただき、多面的な評価指標により生徒の育ちを見取り、教育効果の高いICTを活用した指導方法の開発を目指します。
目黒区立第一中学校では、生徒の「主体的な学び」や、他者の考えを理解し自分の考えを整理して伝えるといった「協働的な学び」の実現を目指した教育を実践しています。本実証研究においても、各教科、総合的な学習、部活動等において、生徒が自分の意見を電子黒板で発表したり、生徒同士がグループで議論しながらタブレットPCでレポートを作成したりするといった、思考力・判断力・表現力等の育成を目指した「言語活動の充実」に主眼を置いた授業を計画的に実践していきます。
目黒区教育委員会も目黒区立第一中学校の実証研究に賛同するとともに、本実証研究の成果を踏まえて、平成27年度以降の区立学校におけるICT活用授業をいかに推進していくかを研究したいと考えています。また、ICT活用授業の中で、これまで以上に言語活動の充実を図り、児童・生徒の学力の向上を図っていきます。
1.実証研究の概要
■研究テーマ: | 21世紀の教育環境で実現する主体的な学び ~1人1台のタブレットPCを活かした言語活動の充実~ |
■研究趣旨: | 生徒1人1台のタブレットPCや電子黒板等最新のICT環境を活かし、「言語活動の充実」のもと、基礎的・基本的な知識や技能のみならず、「主体的に学ぶ態度」や「協働的問題解決能力」の育成など、グローバルな知識基盤社会を生きる生徒にふさわしい能力や態度を育てる21世紀型学びの創造 |
■期間: | 2014年4月~2015年3月31日(予定) |
■研究実践校: | 目黒区立第一中学校生徒(全154名) |
■監修者: | 富山大学 人間発達科学部 教授 山西 潤一 氏 上越教育大学 学校教育実践研究センター 特任准教授 清水 雅之 氏 つくば市立春日学園 春日小学校・春日中学校 教頭 毛利 靖 氏 他 |
■ICT環境整備: | タブレットPC「VersaPro J タイプVT」(Windows 8.1 Pro搭載) 70台 電子黒板「BrainBoard 65型」(Windows 8.1 Pro搭載) 2台 光回線「フレッツ 光ネクスト」 1回線 その他 無線LAN環境、充電保管庫、サーバー、デジタル教科書、授業支援システム、 研究支援員(ICT支援員)、技術・運用サポート 等 詳しくは、目黒区立第一中学校の導入システム図を参照 |
2. 役割分担
■目黒区教育委員会: | 目黒区立第一中学校の研究をバックアップするとともに、結果を踏まえて、平成27年度以降の区立学校におけるICT活用のあり方を検討していきます。 |
■日本マイクロソフト: | 支援企業の取りまとめを行うとともに、Windows 8.1 Pro、Office 2013 Professional等の各種ソフトウェアの授業での活用に関する教員向け研修を提供します。 |
■NEC: | タブレットPC、電子黒板、校内の無線LAN環境等を提供し、ICT環境整備を行います。また、NECフィールディング株式会社を通じて各ICT機器の保守を行うとともに、ヘルプデスクを開設し、必要に応じて要員派遣も含めた技術・運用サポートを行います。 |
■NTT東日本: | 「教育スクウェア×ICT」フィールドトライアル等教育の情報化を目指した実証研究で蓄積したノウハウを活かし、監修の有識者の方々との連携のもと、教員の授業案・計画づくりの支援、ミーティングのファシリテーター等を行う研究支援員(ICT支援員)を派遣します。また、光回線による高速インターネット環境を提供します。 |
3. 今後の展望
保護者の皆様や教育関係者への公開授業と、実証研究成果の公表を予定しています。
また、本実証研究の概要・進捗は、5月21日~23日に東京ビッグサイトで開催される『教育ITソリューションEXPO』のNECブースにおいて紹介する予定です。
【富山大学 人間発達科学部 教授 山西 潤一 氏からの賛同コメント】
生徒一人一台タブレットPCを持つ21世紀の学習環境で、「言語活動の充実」のもと、「主体的に学ぶ態度」や「協働的問題解決能力」の育成などを目指すという、グローバルな知識基盤社会を生きる生徒にふさわしい能力や態度を育てる教育方法の開発としてその成果を期待したいと思います。
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目黒区立第一中学校の導入システム図
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※1:言語活動の充実
日本の教育では、子どもたちの思考力・判断力・表現力等の育成が課題として挙げられており、また、課題発見・解決能力、論理的思考力、コミュニケーション能力や多様な観点から考察する能力(クリティカル・シンキング)などの育成が求められています。それらを育成するための学習活動*の基盤となるものが、数式などを含む広い意味での言語です。言語活動を充実させた学習活動を行うことで「思考力・判断力・表現力等」の育成が効果的に図られると考えられることから、各教科、活動等においても、記録、要約、説明、論述などの言語活動を発達の段階に応じて充実させることが重要であるとされています。
【参考】新学習指導要領・生きる力 言語活動の充実に関する指導事例集【中学校版】(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/gengo/1306108.htm
*思考力・判断力・表現力等を育むためには、例えば、次のような学習活動が重要であり、このような活動を各教科等において行うことが不可欠とされており、ICT利活用の意義とも合致していると考えられます。
①体験から感じ取ったことを表現する
②事実を正確に理解し伝達する
③概念・法則・意図などを解釈し、説明したり活用したりする
④情報を分析・評価し、論述する
⑤課題について、構想を立て実践し、評価・改善する
⑥互いの考えを伝え合い、自らの考えや集団の考えを発展させる
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マイクロソフトに関する詳細な情報は、下記マイクロソフトWebサイトを通じて入手できます。
日本マイクロソフト株式会社 Webサイト http://www.microsoft.com/ja-jp/
マイクロソフトコーポレーション Webサイト http://www.microsoft.com/
*Microsoft、Windows は、米国 Microsoft Corporation の米国及びその他の国における登録商標または商標です。
*Windows の正式名称は、Microsoft Windows Operating System です。
*その他、記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。