[2014年7月7日]
「世界最先端 IT国家創造宣言」に基づき政府/自治体等が実施する社会実験を支援
YRPユビキタス・ネットワーキング研究所
日本マイクロソフト株式会社
YRPユビキタス・ネットワーキング研究所(所長:坂村 健(東京大学教授、工学博士)、以下 YRP UNL)と日本マイクロソフト株式会社(本社:東京都港区、代表執行役 社長:樋口 泰行、以下 日本マイクロソフト)は、オープンデータ(注1)・ビッグデータと、様々な機器から発生する膨大なデータを蓄積しサービスに活用する IoT(Internet of Things)(注2) の分野において提携することを発表します。
オープンデータ・ビッグデータの活用は、2013年6月に閣議決定された日本政府の IT 戦略「世界最先端 IT国家創造宣言」でも成長戦略の筆頭として取り上げられており、ICTを活用した新たな付加価値の創造が期待されることから、様々な社会実験を通じて技術の標準化やガイドラインの整備が進められ、今後本格的な普及が期待されています。YRP UNLと日本マイクロソフトは、両者が持つ技術やノウハウを活用して、総務省や経済産業省などが推進する標準化や実証実験にそれぞれ取り組んできましたが、両者が連携することで、データをより2次利用しやすくなり、さらに多くの人々がオープンデータ・ビッグデータの恩恵を得られる社会づくりに貢献できるものと考え、提携することにしました。
両者は、国際標準の識別番号であるucode(注3)を活用した情報提供基盤としてYRP UNLが推進する「uIDアーキテクチャー2.0(注4)」をマイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」に搭載し、オープンデータ、デバイスデータの統合から、ビッグデータ解析、新たなサービス提供まで、すべての情報を一元的に扱うプラットフォームを構築し、同プラットフォームを活用した、政府/自治体/企業などによる社会実験や事業を共同で支援していきます。
両者の提携により実施する取り組み
1.オープンデータ・ビッグデータの活用の推進
- 政府/自治体のオープンデータ提供基盤構築事業の実施
総務省の「情報流通連携基盤」や経済産業省の「共通語彙基盤」など、業界の標準技術等を活用した、政府/自治体のオープンデータ提供基盤の構築事業を、「uIDアーキテクチャー2.0」と「Microsoft Azure」によるクラウドプラットフォームの提供等で支援します。
- 公共交通オープンデータ事業の支援
公共交通オープンデータ研究会( http://odpt.org/ )(注5)にICT会員として参画し、公共交通事業者のオープンデータの情報通信プラットフォームの提供や、PC やタブレット、スマートフォン向け公共交通情報提供アプリの開発促進に取り組みます。
2. IoT 分野での技術協力と共同事業
- 高精度位置情報サービス事業
高精度位置情報を活用したサービスとして YRP UNL が開発・推進している「ココシル」と(注6)「ドコシル」(注7)に、マイクロソフトの機械翻訳などのテクノロジを組み合わせることで、海外からの観光客がスマートフォンで飲食店を検索すると、位置情報を元に最寄りの飲食店情報を母国語で表示するなど、地域振興や観光・ショッピングの利用者増加などに貢献できるサービスを開発します。
- IoT 技術の標準化や普及に向けた活動
組み込み機器とクラウドサービスやスマートフォンなどの多様なデバイスのさらなる連携を促すため、T-Engineフォーラム( http://www.t-engine.org/ja/ )と連携して、IoT 分野の新しい技術標準の普及に向けた活動を実施します。
(注1) オープンデータ:企業・団体・一般の方などが自由に利用できるデータ。とくに公共機関等が保有する地理空間情報、防災情報、統計情報等のデータのさらなる有効活用が、新たなサービスやビジネスの創出などにつながるものとして期待されています。
(注2) IoT(Internet of Things)とは、あらゆるものがインターネットを通じて接続され、管理や制御などを可能にするという概念。
(注3) ucode:現実世界のさまざまな「モノ」や「場所」などを識別するための固有識別番号。ucodeは、実世界には存在しない「コンテンツ」や「情報」、またより抽象的な「概念」にも付与できます。
(注4) uIDアーキテクチャー2.0:ucodeが付与された対象の属性や意味を表す情報をデータベースに格納し、このucodeをキーとして、その属性や意味情報をデータベースから取り出せる仕組み。
(注5) 公共交通オープンデータ研究会( http://odpt.org/ ):公共交通オープンデータ研究会は、需要の高い都心の公共交通分野に着目し、運行情報、駅や停留所や空港の施設情報等をリアルタイムで提供するためのオープンデータの整備を目指しています。オープンデータに対する非常に大きな可能性を確信し、その社会的・経済的基盤としての必要性を認識し、様々な共通課題を協議し、実用化に向けたビジネス環境の整備を実施しています。
(注6) ココシル:ユーザーの所在地の地図や口コミなどの情報提供、音声ガイドなど街の情報を知るための、主にスマートフォンやウェブ向けの空間情報サービスです。
(注7) ドコシル:公共交通情報流通連携基盤システムの情報を活用した路線バスや鉄道の時刻表や、リアルタイムな運行情報を表示する、主にスマートフォンなどに向けた情報サービスです。
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■ YRPユビキタス・ネットワーキング研究所の概要
YRPユビキタス・ネットワーキング研究所(YRP UNL)は、身の回りのあらゆるモノに、通信能力を有するマイクロコンピュータやセンサー、アクチュエータ等 が埋め込まれ、それらが相互に情報交換を行いながら協調動作し、人間生活をより高度にサポートする、ユビキタスコンピューティング環境を構築すること、 更にその基盤となる次世代通信プロトコルを確立することを目的として設立された研究所です。
所長: 坂村 健(東京大学教授、工学博士)
名称: YRPユビキタス・ネットワーキング研究所
設立: 平成14年1月
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マイクロソフトに関する詳細な情報は、下記マイクロソフトWebサイトを通じて入手できます。
日本マイクロソフト株式会社 Webサイト http://www.microsoft.com/ja-jp/
マイクロソフトコーポレーション Webサイト http://www.microsoft.com/
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