持続可能性を高める取り組みについて ― 社内における炭素排出料金を 2 倍に設定

Image of trees with data and insights provided by Microsoft AI.

本内容は、2019 年 4 月 15 日に米国で公開されたブログの抄訳をベースにしています

マイクロソフト プレジデント
ブラッド スミス
(Brad Smith)

マイクロソフトでは、2009 年より自社の二酸化炭素排出量削減に向けてさまざまな取り組み (英語) を実施し、その責務を果たしてきました。2030 年までに事業における二酸化炭素排出量を 75% 削減するという目標に向けて進めてきましたが、世界の環境変化の規模やスピードを考慮し、さらなる取り組みを行う必要があることが明らかになりました。今回、そのための新たな一歩を踏み出します。

本日、マイクロソフトでは社内で排出する全炭素排出量に対し、これまでの約 2 倍となる 1 トンあたり 15 ドルの内部炭素料金を課すことを発表します。マイクロソフト社内におけるこの「税金」は、もともと、各事業部門が二酸化炭素排出量の削減に財務的責任を持つよう 2012 年に制定されました。この税金をさらに引き上げることで、マイクロソフトは引き続きカーボンニュートラルの立場を維持することができるだけでなく、持続可能な成果を上げるため、すべての事業や技術の中心に持続可能性を取り入れるというテクノロジ第一のアプローチを取ることが出来るようになります。これは、実際にわれわれが社内の秩序を保って改善を続けつつ、従業員とテクノロジというマイクロソフトにとって最強の資産を投入し、世界中の持続可能性の課題にいっそう立ち向かっていくことを意味ししています。

本日、新たに取り組むことになった 4 つの分野は以下のとおりです。

持続可能なキャンパス(企業施設)とデータセンターの構築

マイクロソフトでは、引き続き環境への影響を抑える手法でキャンパスと呼んでいる企業施設を構築し、リノベーションして運営していきます。米国ワシントン州レドモンドの本社では、合計 250 万平方フィートにおよぶビルを 17 棟新設する作業(英語)に着手しています。新築のビルでは化石燃料を排除するほか、既存のビルも含め 100% 無炭素の電力(英語)で運営します。また、新たなオンラインツール(英語)を活用し、新築ビルの建築素材に含まれる炭素量を最低 15%、目標 として 30% 削減するよう努めます。マイクロソフトのスマートビルテクノロジを組み合わせることで、当社は炭素ゼロ、および廃棄物ゼロを達成する初の大規模企業キャンパスを実現します。

データセンターでは、引き続き効率化を目的とした研究開発(英語)再生可能エネルギー(英語)にフォーカスしていきます。2016 年には、データセンターで採用する再生可能エネルギーの割合を高め、2018 年末までにその割合を 50% に、今後 10 年以内の早い段階で 60% 以上にすると発表し、さらなる改善を続けていくとしてきました。最初の目標は予定より 1 年ほど早く達成することが出来ましたが、本日、今年の年末までに 60% 目標の方も達成する予定であることを発表します。そこで、再生可能エネルギー 100% 達成に向け、新たな目標として 2023 年までに再生可能エネルギーの比率を 70% 以上にすると定めました。また、モノのインターネット (IoT) やブロックチェーン、人工知能 (AI) を活用した新たなデータ駆動型の循環クラウド構想を立ち上げ、パフォーマンスを監視しながら、サーバーをはじめとするデータセンター資産の再利用や再販、リサイクルの最適化に取り組みます。

さらにマイクロソフトでは、長年にわたる炭素とエネルギーへの取り組みに加えて、「水」に対する取り組みも開始し、2030 年までに水の少ない地域でデータセンターが消費する水をほかのものに置き換えるという、新たな水補充戦略を立ち上げます。

データサイエンスで研究を加速

データは、われわれの仕事や低炭素未来へのグローバルな移行において重要なものとなっています。データによって、大気、水、土の状態や野生動物の健康など、地球の衛生状態が把握できるためです。しかし、大量のデータを収集し、実用的なインテリジェンスへと変換するには、テクノロジの支援が欠かせません。それが環境データに関しては、情報化時代に生きているにもかかわらず、未だ真の知見を得ることなく進んでいるのが現状です。

この課題を念頭に、マイクロソフトでは 2017 年、AI for Earth (英語)プログラムを立ち上げました。以来、マイクロソフトは新たに 2 つの API を発表しています。これにより、持続可能性の課題に取り組む人たちがデータを処理し、価値のある知見を生み出す際、その手法に変革を与えるようなスケーラビリティと柔軟性が享受できます。現在 230 以上のプロジェクトで Azure と AI が活用され、新たなモデルの作成や新たな知見の発掘につながっています。しかし、マイクロソフトでは、この取り組みをさらに進めるにあたり、他にもできることが多いと考えています。

現在、マイクロソフトは、Azure を用いて世界屈指の環境データサイエンスシステムを提供することに注力しています。そこには、巨大な政府データとして衛星画像や航空画像を含むさまざまなデータが存在し、ペタバイト級のストレージが必要です。マイクロソフトのクラウドにおいてそのストレージを提供することにより、世界中のプロジェクト参加者や研究者の取り組みを高め加速させることができます。また、新たな API やアプリケーションを AI for Earth ギャラリーに提供する取り組みを進めるほか、土地のマッピングで実施したようにさまざまなプロジェクトをプラットフォームレベルのサービスへと成熟させる取り組みも続けます。

持続可能なソリューションの構築を支援

世界のニーズが高まる中、マイクロソフトはこれまで以上にお客様と協力し、デジタルテクノロジや AI を活用して持続可能性の課題に取り組んでいます。この取り組みは社内全体で強化しており、お客様やパートナーが持続可能性を念頭に成長できるような製品の開発と展開を計画しています。詳細については、数カ月以内に発表する予定です。

すでにマイクロソフトでは、新技術でお客様やパートナーに力を与え、効率性を高めて事業を変革し、より持続可能性の高い地球につながる独自ソリューションが開発できるよう支援してきました。こうした技術の注入をマイクロソフトでは「テック インテンシティ (tech intensity)(英語)」と呼んでおり、これによって世界中で持続可能な成長が進む様子を見てまいりました。ここでいくつか例を挙げたいと思います。

Ecolab Orsted などの企業では、Microsoft Azure、IoT、AI を活用し、節水と再生可能エネルギーの効率を高めています。Siemens Gamesa Renewable Energy では、自律型ドローンと Hermes というデジタルソリューションを展開してタービンを検査、現在では同ソリューションを Azure AI で構築してオペレーションを改善し、再生可能エネルギーをより安価なものにし、将来の持続可能性を高める取り組みを進めています。世界有数の穀物加工プロバイダーである Buhler は、日々 20 億人もの人々に対し食品の健全性と安全性を確保しています。同社の目標は、2020 年までに廃棄物を 30% 削減し、お客様用の食料生産や加工で使用するエネルギーを 30% 削減することです。小規模スタートアップ企業の Silvia Terra は、AI を活用して人々が森林に対する理解を深め、この経済的かつ環境的資産をより適切に管理できるよう努めています。同社は、AI for Earth における取り組みを通じて全国森林一覧表を完成させており、そこには樹木レベルに至るまでのリストが記載されています。

こうした企業の技術革新は、持続可能性の高い経済成長に向けた青写真となります。マイクロソフトが Pricewaterhouse Coopers UK (PwC UK) に委託して実施した新たな調査(英語)では、AI の採用がほんの数分野だけでも広まると、世界の GDP は最大 4.4% 高まる可能性があり、同時に世界の温室効果ガス排出量が最大 4% 削減できるとの結果が出ています。これは、二酸化炭素約 2.4 ギガトン分に相当し、オーストラリア、カナダ、日本における 2030 年の年間排出量の合計をゼロにするほどの量となります。

環境政策の変更を推進

最後に、二酸化炭素排出量の削減を促進する環境を整備するにあたり、公共政策が重要な役目を担っていることについて触れておきましょう。今回、マイクロソフトが Climate Leadership Council (CLC : 気候リーダーシップ協議会) に参加するのもそのためです。CLC は国際的な政策機関で、ビジネスリーダーによって設立されました。その多くはマイクロソフトのお客様で、経済学者や環境分野でのリーダーも含め、国家で炭素価格を設定するアプローチを推進しています。マイクロソフトでは、社内での炭素税に加え、ワシントン州の炭素価格設定に関する最近の投票法案を支持しました。経済的に正当な方法で排出量を削減するにあたり、全国で炭素価格設定に関する議論を進める時が来ていると感じています。

地球上の環境問題に取り組むことは大きな任務です。このようにして高まった野心を満たすには、マイクロソフト全社員の取り組みはもちろん、お客様や政策立案者、そして世界中の組織とのパートナーシップが必要です。このロードマップが完成するまでの道のりは長いですが、マイクロソフトの持続可能性への新たな取り組みの第一歩といえるでしょう。時間は限られており、リソースもほとんどありません。また、影響も非常に大きいため、すべての答えが実行されるのを待っているわけにはいかないのです。データと技術に支えられ、気候変動に立ち向かうことで、すばらしい機会が実現します。マイクロソフトはその挑戦を受け入れ、現在地球上にいるすべての人の機会が拡大できるよう、旅を始めているのです。

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