マイクロソフトのアクセシビリティに関する取り組み

榊原 彰
日本マイクロソフト株式会社 執行役員 最高技術責任者
兼 マイクロソフト ディベロップメント株式会社 代表取締役 社長

 

今回は「アクセシビリティ」についてのお話しです。

今日は世界的にアクセシビリティへの認識を深める「Global Accessibility Awareness Day」です。「アクセシビリティ」は、「アクセスのしやすさ」という意味で、障碍など困難のある方も情報や技術にアクセスできるようにすること、障碍のある人をエンパワーする技術や活動を指しています。

マイクロソフトのアクセシビリティの活動は、当社のミッション「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」を体現していると私は考えています。2015 年にマイクロソフトに入社して以来、私はこのアクセシビリティに深く関わるようになり、アクセシビリティに対するマイクロソフトの取り組みは素晴らしいと感じています。「技術を人に役立てる」、技術者冥利に尽きる取り組みですよね。

例えば、バス停にある「あと何停留所でバスが来る」という情報を、視覚に障碍のある方は見ることができません。当社で企画・技術協力をさせていただいたプロジェクト「わたしのバス」では、スマートスピーカーやヘッドセットに話しかけ、音声だけのやりとりで交通システムと連動して、リアルタイムで乗りたいバスがどこにいるのか、あと何停留所なのかを教えてくれます。3 月末に発表された「東京公共交通オープンデータチャレンジ」で最優秀賞をいただくことができました

ちょうど一年前にご紹介した「AI for Accessibility」は、学習済み AI である Cognitive Services などを活用して、障碍のある方をエンパワーするプロジェクトを支援するプログラムで、採択されたプロジェクトも発表されています。

日本では、一般社団法人日本支援技術協会様が「Accessibility Developer Community」を立ち上げ、障碍のある当事者の方と技術者の方が一緒に議論するワークショップを開催し、その中でアイデアを考え、技術者の方が形にしていくことが行われています。いくつかのプロジェクトが AI for Accessibility にも応募され、結果を楽しみに待っているところです。活動は継続的に行われていますので、興味のある技術者の皆さんはぜひ Facebook のページにアクセスしてください。

障碍のある子どもたちに向けた取り組みも行われています。マイクロソフトが 2007 年のスタート時から共催している「DO-IT Japan」の学校向けプログラム「2019 スクールプログラム」の参加校の応募受付を本日からスタートしています。LD (学習障碍)、発達障碍 (もしくはその疑い) により、読むことや書くことに困難がある小中学生に対して、テクノロジを活用して、配慮ある環境を整備することを目的とするプロジェクトです。来年度から小学校で必修化されるプログラミングに向けては、障碍のある子ども向けのプログラミングを使った授業づくりを支援する「特別支援教育における授業でのプログラミング活用プロジェクト」も実施していますので、ぜひこれらにご興味のある教育関係者の皆さんは、チェックしてみてください。

今月 29 日から始まる日本マイクロソフトの開発者向けイベント「de:code 2019」では、外出が難しい方の「分身ロボット」で著名な吉藤オリィさんのセッションもありますし、「AI for Good」という、様々な困難に AI を活用した事例をご紹介する展示コーナーもありますので、ぜひお立ち寄りいただけばと思います。

今後のアクセシビリティに向けた取り組みに、ご期待ください!

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