閉店中も Microsoft Store の従業員がお客様を新たな手法で支援

バネッサ ホ― (Vanessa Ho)

※ 本ブログは、米国時間 4 月 10 日に公開された ”Emergency plan has Microsoft Store employees helping people in new ways despite closed doors” の抄訳です。

先月、カール リチャードソン (Carl Richardson) は簡易マスクとして顔にスカーフを巻き、ニューヨーク市の Microsoft Store 旗艦店に向かって地下鉄で 1 時間かけて通勤していました。仕事中は常に手を消毒し、お客様と安全な距離を保つことで、新型コロナウイルス (COVID-19) の感染リスクを抑えていました。

Microsoft Store の実店舗は世界中で 3 月 16 日に閉鎖され、リチャードソンをはじめとする 2000 人近くのストアスタッフはただちにリモートワークへと軸足を移しました。数週間後、不安な状態が続く中、多くのストアスタッフはお客様にリモートでサービスを提供するようになりました。

 カスタマーサービスアドバイザーのリチャードソンは、「これまでずっと何かを学ぶことや人を支援することに情熱を注いできました」と話します。リチャードソンは、活気のある旗艦店で小売店のエネルギーを感じ、お客様と交流するのが大好きでしたが、今でもブルックリンで妻と 3 匹の犬が同居する 2 ベッドルームのアパートから、在宅勤務で何千人ものお客様に対しソフトウェアのライブトレーニングを実施できている状況に感謝しているといいます。

「今は誰もが困難な状況です。私はリモートワークを実施中ですが、それでも自分のスキルを磨くというミッションや、お客様がテクノロジを使ってより多くのことができるようトレーニングするというミッションは変わりません」と、リチャードソンは語ります。

Microsoft Store をはじめとする多くの事業者にとって、在宅勤務環境への移行は物流面で課題が残ります。Microsoft Store では、実店舗とオンラインストアにて、世界 190 拠点 20 億人以上ものお客様を抱えています。Microsoft Store の目標は常に、お客様が家庭内にいても、小規模ビジネスを運営していても、大企業に務めていても、その所属場所に関わらず製品のアドバイスやカスタマーサポートを提供し、トレーニングやコミュニティイベントを実施することにあります。

ウイルスの感染拡大によって多くの組織がリモートワークを余儀なくされる中、バーチャルトレーニングやバーチャルサポートへのニーズはかつてないほどに高まっており、ストアスタッフはこうした声に懸命に対応しています。マイクロソフトが新たに施行した 5 つの分野をカバーする Emergency Remote Operations モデルでは、80% 近くのスタッフが在宅勤務を選択しています。このモデルがカバーする 5 分野とは、中小企業や教育機関のお客様への対応、企業向けトレーニング、Surface、クラウド、Microsoft 365 の販売、すべてのお客様へのサポート、そして仮想コミュニティワークショップの提供です。

Microsoft Store でエンタープライズビジネス開発マネージャーを務めるスコット ピアソン (Scott Pearson) は、「マイクロソフトのミッションは、地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにすることです。これこそがストアを運営する一番の理由です」と話します。「世界的な混乱によって、危機に直面してもこのミッションを実現するより幅広いプラットフォームへとつながりました。マイクロソフトには、企業や組織が迅速にリモートワークへと移行できるよう支援する専門知識を持ったエネルギッシュで意欲的な人材がいるのです」

“この状況は快適ではありませんが、楽しんでいます。快適でないということは、何か新しいことを学んでいるということですから”

先月は、ストアの従業員が政府、医療、教育、金融機関で働く 6 万 5000 人のお客様に対し、Microsoft Teams の使用方法に関するバーチャルトレーニングを実施しました。このプログラムはカスタマーサクセストレーニングと呼ばれ、医療センターの Cleveland Clinic や会計事務所の Ernst & Young、運輸物流企業の CN (Canadian National Railway) など、コラボレーションツールを使ってリモートワーク環境を変革したいと考えるお客様の間で需要が急増しています。

CN で情報技術担当シニアバイスプレジデントを務めるダグ マクドナルド (Doug MacDonald) 氏は、「CN は経済を動かすために欠かせないサービスを提供しており、重要な商品を最も必要としている人に届けています。CN の機能の多くはミッションクリティカルで、業務を円滑に進め列車を運行し続けるには意思決定も迅速に行わなくてはなりません」と話します。

「パンデミックが発生した際、Teams の導入は簡単に決まりました。CN には、リモート環境にシームレスに移行でき、事業継続できる適切なコラボレーションプラットフォームが必要だったのですが、Teams があればつながりを保つことができ、生産性を維持し、北米経済にサービスを提供し続けることが可能でした」とマクドナルド氏。モントリオールに本社を置く同社では、Microsoft Store のチームメンバーが実施したトレーニングを受け、3000 人以上の従業員に対し約 1 週間で Teams をセットアップすることができました。

また、ストアスタッフは Microsoft 365 でリモート教育を実施する地域の学校を支援したほか、子ども向けのバーチャルコーディングワークショップも開催しました。スタッフの多くは、新しい環境に馴染もうとするお客様に深く共感しています。スタッフ自身、賑やかな店舗から一転し、今では家庭内の配偶者や子ども、ペットが一緒に過ごす職場に追いやられているためです。

“今は誰もが困難な状況です。私はリモートワークを実施中ですが、それでも自分のスキルを磨くというミッションや、お客様がテクノロジを使ってより多くのことができるようトレーニングするというミッションは変わりません”

Microsoft Store のオペレーション、コミュニケーション、トレーニング担当シニアディレクターを務めるジェニファー ルーク (Jennifer Luke) は、「ストアのチームはお客様第一主義なんです」と話します。「お客様が目の前にいる時も、Teams ミーティングやチャットでお客様に対応している時も、お客様が電話の向こう側にいる時も、どんな場合でも関係ありません。お客様がより多くのことを達成できるソリューションを提供しようと情熱を注いでいるのです」

Microsoft Store は長年さまざまなお客様に対応してきましたが、大規模な店舗スタッフをリモートワークへと移行させることは簡単ではありません。新たに優先順位やワークフローを設定し、スキルセットに基づいて仕事を割り当て、詰め込み型の集中トレーニングで新しいスキルを習得しなくてはなりませんでした。マイクロソフトでは、勤務時間に関わらず店舗スタッフにいつも通り給与を支払っており、リモートワーク中のスタッフには週間ボーナスも支給しています。

 アシスタントストアマネージャーのサマンサ ジャニエック (Samantha Janiec) は、ニューヨークの旗艦店でエンタープライズのお客様との関係構築を監督していますが、現在自宅のダイニングルームで仕事をすることに誇りを感じているといいます。

「お客様と直接会えなくても、マイクロソフトで働いていることを誇らしく思います。どんな状況でもお客様に同じようなインパクトを与えることができ、できるだけ多くのお客様に力を与えることができるのですから」とジャニエックは述べています。

お客様へのインパクトは、長く続くこともあります。去年、ニューヨーク州ブルックリンのエイブラハム リンカーン高校の教師数人が旗艦店で Teams のトレーナーとしての資格を取得したのですが、COVID-19 によって学校が休校となった際には資格取得者が同僚教師に Teams のトレーニングを実施しました。これにより、大規模な公立高校である同校でも迅速に Teams でバーチャル教室を用意することができ、学生とのコミュニケーション手段を確保、安全なビデオミーティングが設定できました。

エイブラハム リンカーン高校の副校長であるコリッサ フォンタナ (Corissa Fontana) 氏は、「教師らが他の教師に向けてワークショップを開く準備は整っていたので、感染が拡大した際にも先手を打つことができました」と語ります。現在 Microsoft Store のチームでは、ニューヨーク市全体の学校を対象に、Teams や Flipgrid、OneNote などのソフトウェアを使ったトレーニングを実施中で、生徒がリモート学習できるよう、またつながりを保てるよう支援しています。

店舗スタッフの中には、バージニア州アーリントンの Microsoft Store でマネージャーを務めるエサニエル シンクレア (Ethaniel Sinclair) のように、非常時にもリビングルームの机という限られた場所からお客様に対応することの重要性を感じている人もいます。シンクレアは小売業界で 16 年間キャリアを積んでおり、通常は対面でのやり取りや、顔の表情やボディーランゲージを読み取ることが得意です。21 人のチームをリモートで管理することには慣れていないシンクレアですがが、今はチャットやメールで会話のニュアンスをつかむ方法を学んでいるといいます。

「この状況は快適ではありませんが、楽しんでいます。快適でないということは、何か新しいことを学んでいるということですから」と、シンクレアは話します。シンクレアは、この新しいスキルで自分も彼のチームもより強くなれると感じており、ビデオミーティングで家庭内や家族、ペットの様子が垣間見えたり、金曜にはハッピーアワーへとスムーズに移行したりすることによってチームの結束力も高まると感じています。

「みんな状況に応じて臨機応変に学んでいるので、フィードバックも大歓迎です」とシンクレアは語ります。「今は世界が止まっている状態ですが、マイクロソフトの取り組みによって、より大規模に世界に良い影響を与えるチャンスがあると思っています」

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