What’s next for Commercial Gaming industry in Japan ゲーム業界のデジタルトランスフォーメーションを見据えた日本マイクロソフトの支援について

Global Connection Network (World Map Credit to NASA)日本マイクロソフト株式会社
ゲーム&エンターテイメント営業本部 本部長 米倉 規通

日本のゲーム産業は、現在 5 千万人近いゲーム人口と 2 兆円に達する市場規模を持ち、10 年以上成長を続けている、世界第 3 位の巨大な市場です。この業界では、一般的な企業にも存在するレガシーシステムの老朽化や、情報のブラックボックス化といった課題に加えて、業界特有の課題、例えば、コロナ渦でのリモートワーク体制への急速な移行によるゲーム開発への影響、ゲーム実況や動画配信による消費行動の複雑化、ゲーミングデバイスの多様化によるビジネス環境の変化など、多様な課題が存在しているのが実態です。

日本マイクロソフトでは、こうした課題に対して、ゲーム業界のデジタルトランスフォーメーション (DX) を積極的に支援しています。

What’s next for Commercial Gaming industry in Japan

支援策 1: 働き方改革への支援: ゲーム開発環境のデジタル化とモダナイゼーション

ゲーム業界でも働き方改革が進む中、特に Microsoft 365 や Teams といった、オンラインコラボレーションを可能とするソリューションが注目を集めています。Microsoft Office 製品をクラウドで統合して利便性を高め、開発側では Microsoft Visual Studio を Azure DevOps などのクラウドソリューションと連携させることでコストの最適化を実現し、Teams をコラボレーション基盤として活用することでリモートワーク下においても様々な方法で業務を効率化することができます。また、様々なセキュリティソリューションを活用することで、お客様の大切なデータを厳重に保護しながらこれらの DX をサポートしています。株式会社バンダイナムコスタジオ様では、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の影響もあり、様々なシステム環境をクラウドへ移行、全社で Teams を採用いただくことにより、在宅勤務においても以前と変わらぬ業務形態を実現しながら、ゲーム開発においても Azure と Visual Studio App Center などを活用し、テストまで一貫したリモート化を進められました。

What’s next for Commercial Gaming industry in Japan

現在、ゲーム業界の社員 500 名以上のゲームパブリッシャーおよびデベロッパーの 60% が、2021 年 4 月時点で全社員向けに Teams を導入しています*。これは、2019 年 4 月の 19% と比べると、約 3 倍以上の増加となっています。

支援策 2: 先端技術による開発者への支援: AI などをゲームに活用

What’s next for Commercial Gaming industry in Japan

次世代コンソール機に合わせた開発コスト、最新テクノロジに関する研究環境や交流の場の不足、そして人材不足などといった課題の解決を支援するにあたって、マイクロソフトは AI やクラウドを含む先端技術をゲーム業界に提供しています。特に、マイクロソフトの研究機関 Microsoft Research (MSR)、ゲームのパブリッシングおよび開発スタジオ群や傘下の 23 スタジオをまとめる Xbox Game Studios は、多くの重要な役割を共同で果たしています。

例えば、レースゲーム「Forza Motorsport」では、フォトグラメトリやレーザースキャン (LiDAR) といった技術を活用してリアルな情景を再現しつつ、開発側のコスト削減を実現しました。他にも、「Minecraft」では、「Project Malmo」と呼ばれるゲーム上に AI 用の学習環境を構築する実験的プラットフォームを GitHub 上で提供、さらに昨年リリースしたばかりの「Microsoft Flight Simulator」では、現実の気象をほぼリアルタイムでゲーム内に再現したり、Azure Cognitive Services を活用して管制官の音声生成を AI による自然言語処理技術により実現しています。

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支援策 3: ビジネスチャンス拡大への支援

私は、次のパラダイムシフトがもうそこまできていると考えています。従来のゲーム業界は、コンソール機やハードウェアといったゲームプラットフォームを基盤とした枠の中でソフトウェアなどのコンテンツを提供するいわゆる「コンソールセントリック」なビジネスモデルで成長を遂げてきました。一方で、私たちマイクロソフトは今後のゲームビジネスを、クラウドの力によってコンソールではなくユーザーを中心に据えた「ユーザーセントリック」なビジネスモデルへと変革を進めています。クラウドを活用することで特定の場所や時間、デバイスに縛られることなく、「好きなゲームをいつでもどこでも、だれとでも、好きなデバイスで遊べる環境」を提供することで、間に存在していたあらゆる垣根を取り払い、世界中に数十億人もいるゲームユーザーを対象にビジネスを展開することができるのです。

支援策 4: ゲーム産業の裾野を広げる支援

一握りの企業だけがビジネスを成長させても、ゲーム業界や市場全体の拡大にはつながりません。日本マイクロソフトでは、新規参入のハードルを下げ、ゲーム産業自体の裾野を広げることで、市場拡大を支援しています。

日本マイクロソフトでは以前より、スタートアップ企業や開発者を支援しています。例えば、「Microsoft for Startup」というスタートアップ企業の支援プログラムでは、数年前に活用していた「卒業生」の企業の皆様が現在ゲーム業界で活躍しています。また、ゲーム業界に特化したスタートアップ企業支援プログラム「ID@Azure」は、今年の夏より開始する予定です。

私たちのゲーム業界に対する取り組みは、国内のゲーム業界を全方位的に支援していくことにあります。日本マイクロソフトは、今後もゲーム業界のデジタルトランスフォーメーションを促進し、ビジネスの成長だけでなく、業界のさらなる拡大を見据えて課題解決の支援を行っていきます。

What’s next for Commercial Gaming industry in Japan
* 日本マイクロソフト株式会社調べ

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