Microsoft 365 担当コーポレートバイスプレジデント ジャレッド スパタロウ (Jared Spataro)
※本ブログは、米国時間 6 月 17 日に公開された “New hybrid work innovations in Microsoft Teams Rooms, Fluid, and Microsoft Viva” の抄訳を基に掲載しています。
世界中の多くの地域で物理的なワークプレースがオープンする中、毎日のようにお客様から「早く対面のコラボレーションに戻りたい」という声を聞いています。私自身もそれを感じており、近いうちに多くの同僚と実際に会えることを楽しみにしています。しかし、それ以上に、場所や時間帯にかかわらず、人々とつながり、関係を深めるための新しい方法を見つけることも楽しみにしています。マイクロソフトでは、ハイブリッドワークこそが仕事の未来であり、従業員がハイブリッドワークで成功するために、ビジネスリーダーは、人、場所、プロセスを包含する新たな業務モデルで組織を再構築する必要があると考えています。アトランタの会議室で一緒にいる時でも、ホームオフィスからリモートでプレゼンテーションを行っている時でも、シドニーで 1 日の初めに会議の録音を聴いている時でも、あらゆる人に同等の体験を提供することに、マイクロソフトは、コミットしています。
より柔軟な仕事の世界を実現するこのビジョンにとって、Microsoft Teams は不可欠な存在です。Teams は、会議、チャット、通話、コラボレーション、ビジネスプロセス自動化などを 1 つのアプリに統合している点でユニークな存在です。COVID-19 が世界中のオフィスワーカーに在宅勤務を強いるようになって以来、マイクロソフトは Teams にイノベーションをもたらし、より自然で魅力的な会議体験、組織内外の人々とのシームレスな接続、リモートでのプレゼンテーションをより豊かでインパクトのあるものにする方法の提供などを行ってきました。そして、この新しいハイブリッドな現実に向けて進む中、マイクロソフトは、会議室にいない人も含めてすべての人の声が確実に聞こえるように設計された Teams の体験の構築に注力しています。これによって、人々がいつどこにいても、つながり、関係を深められるよう支援していきます。また、同期・非同期のコラボレーションをより円滑に実現できるように、私たちは Teams などの製品における、新しい Microsoft Fluid キャンバス イノベーションを発表します。
COVID-19 は、会議疲れやデジタル情報過多が現実の問題であり、リモートワークが私たちのウェルビーイングに負担をかけていることも明らかにしています。この問題を解決するために、マイクロソフトは、統合型従業員体験プラットフォーム Microsoft Viva を Teams に組み込み、従業員が仕事の流れの中で自分の時間を作り、ウェルビーイングを維持する方法を見つけられるようにしました。
本日、マイクロソフトは、Microsoft Teams Rooms、Fluid、Microsoft Viva における新しいイノベーションを発表します。これらはすべて、ハイブリッドワークを行う従業員を支援するために設計されています。詳細を見ていきましょう。
平等な参加 ー 家でも、会社でも、外出先でも
すべての人にとってより良いハイブリッド会議を実現するためには、会議室にいない人のためのデザインが必要です。会議室でも、家の中でも、外出先でも、誰もが同じ会議室の中に座っているように感じられなければなりません。本日、マイクロソフトは、参加者全員が会議に集中しやすくなるように、Teams 会議と Microsoft Teams Rooms の機能強化を発表します。
年内に、Teams Rooms のフロントロー機能の提供を開始する予定です。これは、より自然なやり取りを行うための没入感が高いレイアウトであり、会議室にいる参加者はリモートの参加者とのつながりをより強く感じられるようになります。ビデオギャラリーを画面の下部に移動し、リモートの参加者が会議室の参加者と対面するようにしました。また、会議に集中しやすくするために、会議コンテンツの周りには、アジェンダ、タスク、メモなどの会議情報が表示されます。また、会議中のチャットを、会議室内の参加者にもはっきりと見えるようにしたことで、参加者はチャットで共有されたコメントを見て答えやすくなります。
リモート参加者の会議室での存在感を強化し、参加者の受容度を最大化できるよう、Teams Rooms は、コンテンツが共有されていない場合はビデオギャラリーを複数のディスプレイに分散させる新しいビデオレイアウトを使用して画面スペースを拡大します。スペースが大きくなったことで、リモートの参加者がより大きく、リアルに映し出されます。また、この夏には、リモート参加者の注目度を高めるために、Teams Rooms にデスクトップ版の機能を追加します。これらの機能には、ライブリアクション、スポットライト、複数ビデオストリームのピン留め機能 (今秋提供予定)、従来のビデオグリッドレイアウトを使用する際のチャットバブルなどがあります。
また、リモートの参加者は、会議室に誰がいて、何が起こっているのかを確認できなければなりません。Jabra、Logitech、Poly、そして最新の Teams デバイスパートナーである Neat は、高度な AI を搭載したカメラテクノロジを用いて、ハイブリッドミーティングに最適化された新しいビデオビューを提供し、会議室にいるすべての人がより鮮明に見えるようにします。
また、会議で発言している人も明確にわかるようになります。EPOS と Yealink が提供開始した Teams インテリジェントスピーカーは、Teams Rooms 向けに設計されており、Teams に搭載されているマイクロソフトの音声認識テクノロジを用いて、室内で発言している人を識別し、その人の名前を会議記録に記載します。発言者名が記載された議事録が作成されることで、参加者はメモをとる代わりに、会話に集中できるようになり、会議を欠席した人にもわかりやすい議事録を会議後に見られるようになります。
さらに、Surface Hub における Teams Rooms の新しい体験も発表します。Surface Hub は、チームがどこで仕事をしていても共同作業を行えるようにするためのデバイスです。Surface Hub における次世代の Teams は、モダンなミーティングステージ、Together モード、PowerPoint ライブ といった、デスクトップでよく使われる会議機能やコントロールを会議室で提供できます。今秋には、Microsoft Whiteboard の新機能が Surface Hub でも利用可能になり、誰もが同じデジタルキャンバスに描画し、インクを使用できるようになります。これらの Teams Rooms とパートナーからの発表の詳細については、こちらのブログをご覧ください。
リモートの参加者によるホワイトボードセッションの開始と進行を支援するために、マイクロソフトは、参加者全員が同じデジタルキャンバス上で視覚的にコラボレーションできる、ハイブリッドワークに特化した、まったく新しい Whiteboard 体験を開発しました。今年の夏に利用可能になる新機能では、誰もが既存コンテンツをホワイトボードに持ち込んで一緒に書き込めるようになります。また、新しいテンプレートは、グループのアイデア考案の促進や、プレゼンテーターの話の理解を深めるために有効です。
効果的なハイブリッド会議を行うためには、すべての参加者が平等に魅力的な方法でプレゼンテーションを行い、プレゼンテーションを体験できることが必要です。PowerPoint ライブの新機能により、会議に参加している全員が協力し、貢献できる共有スペースを作ることができるようになります。たとえば、スライドの翻訳機能により、参加者が選んだ言語でプレゼンテーションを見ることができます。また、新たなインク体験により、プレゼンテーションをしながらスライドに注釈を入れたり、レーザーポインターで重要なポイントを指し示したりすることができます。
これらの機能は Teams のモバイルアプリでも利用できます。モバイルデバイスでも PowerPoint ライブやダイナミックビューにアクセスできるようになりました。カスタムバックグラウンドは、iOS でも提供され、Android でも近日提供予定です。
仕事の流れの中のコラボレーション
ハイブリッドモデルや非同期モデルで効率的に仕事をするためには、会議の前、中、後に、背景情報や文脈を整理し、維持するための高機能なキャンバスが必要です。Fluid コンポーネントは、チャット、メール、会議などの様々な文脈で仕事を行う際に役立ちます。先日、マイクロソフトは、チャット内でリアルタイムに編集し、Teams や Office アプリで共有できる、リアルタイムのコラボレーション体験実現のための、新しい Fluid コンポーネントを発表しました。そして、本日、Teams と Office アプリ間での同期・非同期のコラボレーションを容易にする、Teams 会議、OneNote、Outlook、Whiteboard 用の Fluid コンポーネントの拡張を発表します。また、非同期のコラボレーションのサポートを強化し、ミーティングの合間にも仕事を進めることができるようにする新しいチャット機能も発表しました。メッセージをピン留めすることで、チャットメンバーはいつでも重要なコンテンツに素早くアクセスできます。また、進行中の会話の文脈を維持しながら特定のチャットメッセージに返信できるようになります。
この 1 年で、体系化されていないコミュニケーションと会議の数が大幅に増加しました。マイクロソフトの Work Trend Index 調査によると、1 年前と比較して、平均的な Teams ユーザーの 1 週間当たりのチャット数は 45 パーセント増加しました。また、体系化されていない臨時の会議も増えています。このようなデジタル過多の状況に対応するため、Teams 会議内の新しい Fluid コンポーネントが、アジェンダの共同作成、メモの作成、タスクの割り当てを容易にし、重要なコンテンツにいつでもアクセスできるようにしてくれます。また、会議のアジェンダ、ノート、タスクは、OneNote の新しい会議ノートのタブ/セクションに自動的に「配置」されます。会議の進行中に、Whiteboard で Fluid コンポーネントを作成・編集することで、一歩進んだアイデア出しやブレインストーミングを共に行うことができます。また、Fluid コンポーネントは、メールやカレンダーなど、Outlook 全体で活用でき、複数のアプリを横断して、時間、アジェンダ、メモ、タスクの管理が容易になります。
自分の時間を作り、ウェルビーイングを優先する
COVID-19 パンデミックが発生して以来、Teams ユーザーの週間会議時間は 2 倍以上に増加しました。立て続けの会議はストレスを増大させ、集中力の維持を難しくします。1 日数分の Headspace を使った瞑想やマインドフルネスにより、ストレスを軽減し、集中力を高めることができます。今月後半から、Teams の Viva インサイト アプリに、Headspace のガイド付き瞑想やマインドフルネスのエクササイズが追加されます。これにより、1 日の始まりに心を引き締め、大事なプレゼンテーションの前にリラックスし、夜には仕事から離れてリラックスできるようになります。
Viva インサイトでは、Teams の通知を停止した状態で、毎日の集中力を高めるためのスケジュールを組むことができますが、さらに、今年の後半には、Viva インサイト アプリに新しい集中モードが提供されます。このモードでは、Headspace が提供する集中するための音楽が流れ、タイマーを使って重要なタスクを一定の間隔で進め、休憩を挟むことができます。
リモートワークでは、仕事と生活の物理的な境界がなくなり、勤務時間外のチャットが増え、いつでも仕事をしているような感覚になりがちです。マイクロソフトは、人々が仕事と生活のバランスを取り、個人の時間を守るためのサポートをしたいと考えています。今年後半には、Viva インサイトは、就業時間外に Outlook や Teams からのモバイル通知を停止するクワイエットタイムを設定する機能を提供するとともに、どの程度気分転換できたかを示すパーソナライズされたインサイトを提供する予定です。クワイエットタイムの設定は Teams や Outlook のモバイルユーザーにも提供され、Microsoft Endpoint Manager の IT 管理者のコントロールにより、時間外の通知をミュートする組織全体のポリシー作成もサポートされます。
この新たな協業の世界を模索しながら、マイクロソフトは、人々が柔軟かつ効果的に働くための新しい方法を発見していきます。人々がいつどこにいても同じように仕事ができるような体験を提供することを目指し、様々な調査結果やアプリの使用パターンを研究し、お客様と日々対話することで、人々がベストの状態で仕事をするために必要なものを理解することに注力しています。こうした理解が、マイクロソフトのイノベーションの指針となり、お客様と従業員の皆さまがより多くのことを達成できるような体験を提供することにつながっています。
本日の発表の詳細は下記 Web サイトをご覧ください。
https://news.microsoft.com/june-2021-hybrid-work/
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