全国の中堅中小企業の DX 推進を、Microsoft Teams をプラットフォームとしたクラウド化で支援

日本マイクロソフト株式会社
執行役員 コーポレートソリューション事業本部長 三上 智子

日本マイクロソフトは、2021 年の注力分野に「市場・お客様のデジタルトランスフォーメーション (DX)を位置づけ、お客様の変革を支援しています。今回は、中堅中小企業のお客様の DX 推進支援の取り組みをご紹介します。

当社では中堅中小企業のご支援において、「ハイブリッドワークの推進」「ビジネスプロセスのデジタル化」「スタートアップ企業と連携したインダストリー DXの 3 つの分野にとくに注力していますので、順番にご説明していきます。

1. ハイブリッドワークの推進

新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴うリモートワークや遠隔学習の需要の高まりを受け、マイクロソフトのコラボレーションプラットフォーム「Microsoft Teams」の利用が急増しており、世界で 1 億 4,500 万人が日々 Teams を利用し、その利用者数はこの 1 年で約 3 倍、日本の中小企業ではそのスピードを上回る約 4 倍となっています。

また、クラウドへの移行 (クラウドシフト) も加速しています。日本の中堅中小企業のお客様が、従来のオンプレミスの業務アプリケーションに代わって、Teams などのクラウドサービスを利用する割合は、この 1 年で 22 ポイント上昇しました。ただ、東京とそれ以外の地域でのクラウド利用を比較すると 20 ポイントの差があり、パンデミックや災害などの BCP 対策や、いつでもどこでも働きやすい環境の整備を考えるうえで、とくに地方におけるクラウドシフトが急務となっています。

日本マイクロソフトでは、全国の中堅中小企業のお客様が抱える様々な課題を解決し、Microsoft Teams を中心としたクラウド活用による DX 推進をご支援するために、お客様に有益な情報をお届けするキャンペーンやウェビナー、クラウドサービスの導入・活用を支援するオファリングの提供に加え、今年 4 月に新たに「IT よろず相談センター」を開設しました。

IT よろず相談センターでは、お問い合わせ頂いたお客様に対して、リモートワークやハイブリッドワークの導入方法から、Teams 等のデモンストレーション、Teams を使い始めるまでの導入手順や使い方などをご案内しています。

当社では、全国の中堅中小企業のお客様に、さらに気軽に様々なご相談をいただけるように、全国に販売網を持つパートナー企業 6 社と連携して、IT よろず相談センターの拡充を図っていきます。

2. ビジネスプロセスのデジタル化

中堅中小企業が DX を推進するために、様々なビジネスプロセスをデジタル化・クラウド化する必要があることから、日本マイクロソフトでは、① Microsoft Teams と各社が提供されている SaaS との連携、② SaaS 未対応アプリを提供されている ISV パートナー様に対する Microsoft Azure を活用した SaaS 化支援に注力しています。

① 弁護士ドットコム株式会社様の「クラウドサイン」において、「クラウドサイン for Microsoft Teams」が SB テクノロジー株式会社様より今年 4 月に提供開始となりました。本サービスにより、ユーザーは、Teams を使った日々の業務の中で、クラウドサインによる契約書の送信・管理をできるようになります。

② ダイワボウ情報システム株式会社様が、Microsoft Azure の導入を支援する専門組織として「DIS クラウドビジネスセンター for Microsoft Azure」を 2020 年 7 月に設立され、全国 94 拠点で、491 名のクラウド技術に精通したクラウド提案大使 (Azure Ambassador) を配備、ISV パートナー様の SaaS 化を支援いただいており、すでに多くの ISV パートナー様が自社製品の SaaS 化を実現されています。

3. スタートアップ企業と連携したインダストリー DX

日本マイクロソフトでは、様々な業種・業態の中堅中小企業の DX 推進をご支援するために、スタートアップ企業との連携強化に注力しています。マイクロソフトのスタートアップ企業支援プログラム「THE CONNECT」により、現時点で 132 社の日本のスタートアップ企業を支援してまいりました。今回はその中から 4 社様をご紹介します。

TXP Medical 株式会社様は、救急患者受入システム「Next Stage ER cloud」を Microsoft Azure 上に構築されました。音声入力などの先進技術を活用して、二次救急病院における救急患者受入を促進したり、画像解析技術を盛り込んで、救急医療現場でのリアルタイム記録や電子カルテへのシームレスな情報連携を行ったりと医療現場の働き方改革を実現するサービスを提供されています。

株式会社リセ様は、契約に関する情報格差の解消に取り組まれる中で、Microsoft Azure を活用し、AI で契約書のチェックを行うことができるサービスを提供されています。法律のプロが監修した AI が搭載し、専門の法務スタッフを抱えずとも、契約書の作成、確認を的確にかつスピーディーに行うことが可能です。

株式会社クアンド様は、Microsoft Azure を活用した現場向け遠隔支援コミュニケーションツール「SynQ Remote」を提供されています。画面共有や AR 遠隔指示機能、遠隔撮影などの機能を搭載した、遠隔地にいる管理者と現場担当者をつなぐコミュニケーションツールです。

株式会社トライエッティング様は、AI 技術を活用し、在庫管理や勤務シフト管理を中心とした、サプライチェーンの最適化に取り組まれる中で、既存システムをリプレイスせず、API 連携だけで AI 活用が可能となる「UMWELT」を提供されています。ノーコードでの操作が可能となり、様々なプロジェクトに後付け AI として業務効率化を図ることができます。

日本マイクロソフトでは、今後 5 年間で 500 社のスタートアップ企業との連携を目指すとともに、当社がハブとなって各インダストリーにおける大企業とのコラボレーションを推進していきたいと考えています。

■ 中堅中小企業向けクラウドビジネスを 10 倍に

日本マイクロソフトでは、これら 3 分野への取り組みや投資を拡大することで、日本の中堅中小企業のお客様の DX 推進に貢献し、5 年後には当社の中堅中小企業向けクラウドビジネスを 10 倍に拡大したいと考えています。日本の企業数の 99% 以上、労働人口の約 7 割を占める中堅中小企業のデジタル化やクラウドシフトをご支援することは、日本社会全体の活性化につながります。引き続き日本マイクロソフトは、中堅中小企業のお客様に寄り添いながら、DX 推進をご支援していきます。

 

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