Microsoft Inspire 2021: パートナーのさらなるビジネス機会について

Microsoft Inspire 2021

ニック パーカー
Global Partner Solutions 担当 コーポレートバイスプレジデント

※ 本投稿は、米国時間 2021 年 7 月 14 日に公開された Microsoft Inspire 2021: Unveiling more opportunity for partners の日本語抄訳です。

本日より、Microsoft Inspire 2021 が始まりました。Microsoft Inspire 2021 は、パートナーのエコシステムがバーチャルな世界で集い、祝福し合い、今までにない混乱の中にあるこの 1 年においてかつてないペースで進んだイノベーションやデジタルトランスフォーメーションの数々を振り返るためのバーチャルイベントです。

私たちはこれまで、お客様が Microsoft Cloud を活用したビジネスにおいて、さらに革新的で俊敏性を保ちつつ、回復力のある組織を構築できるようになった事例を目の当たりにしてきました。マイクロソフトのプラットフォームとテクノロジによって組織の変革を支援する一世代に一度の機会において、パートナーエコシステムは常に中心的位置に存在します。

マイクロソフトでは、業界で最も革新的なテクノロジ、ツール、そしてソリューションを世界中のパートナーに提供することを約束しています。パートナーの成長と収益性を高めるための最善の支援者となることを目指し、Microsoft Cloud を活用して差別化されたソリューションを構築し、大規模な市場に一緒に参入するための唯一の機会を提供しています。

先週、マイクロソフトは 2021 Microsoft Partner of the Year Awards において、パートナーの皆様が今年度中に行った素晴らしい活動を紹介しました。本日は、複数の新しい製品とプログラムのアップデートを発表します。これらは、パートナーの皆様が、信頼とセキュリティの基盤を活用しながら、新しい仕事の在り方に向けて Microsoft Cloud を活用していくための新たな機会となります。

Microsoft Cloud

すべては、 Microsoft Cloud から始まります。Microsoft Cloud は、お客様やパートナーに差別化された価値を提供し、あらゆる組織のマルチクラウド、マルチエッジのニーズをサポートします。また、Microsoft Cloud は、あらゆる人々のイノベーションを支援します。価値を提供するスピードを速め、目的に応じた統合を行うとともに、クラウドからエッジまでオープンなプラットフォームを提供することで、総合的なデータアナリティクス、AI プラットフォーム、その体験のすべてをカバーするセキュリティにより、パートナーの予測能力の構築を支援します。

業界別クラウド: 持続可能性の目標に対する進捗と、今後の脱炭素電力に向けて

マイクロソフトの業界別クラウドは、既存のクラウドサービスを新たに拡張し、Microsoft Solution Area に含まれる業界固有の機能をまとめたサービスです。モジュール化され、拡張性があり、パートナーの皆様が新たな収益源を確立するための新しい機会を生み出すように設計されています。新たなクラウドサービスである Microsoft Cloud for Sustainability は、あらゆる業界のお客様の二酸化炭素排出量削減や持続可能性の目標の達成に貢献します。今年後半にプレビュー版が公開され、組織がネットゼロに向けて排出量を記録、報告、および削減できるよう支援します。信頼性の高いマイクロソフト テクノロジに基づいて、私たちはパートナーエコシステムを大切にし、業界に特化したアプリケーション、データソース、および排出量データのコネクターを構築して、お客様がより容易に持続可能性の目標に向けて投資し、目標を達成できるよう支援していきます。詳細は発表資料を参照ください。

また、マイクロソフトは、自社の 100/100/0 コミットメントについても発表します。これは、グローバルの電力インフラをコントロールする能力に限界があることを認識しつつ、それに影響を与える能力を最大化することを目指したものです。2030 年までに、マイクロソフトは、電力消費量の 100 パーセントにおいて、100 パーセントの時間、炭素エネルギーの購入をゼロにします。これは、2025 年までに必要なエネルギーの 100 パーセントに相当する電力購入契約を締結するという、既存のコミットメントをさらに強化するものです。本日の時点で、マイクロソフトは世界 10 カ国で約 5.8 ギガワットの再生可能エネルギーの新規購入契約を締結しており、稼働中および契約中の再生可能エネルギープロジェクトは、全世界で 7.8 ギガワットに達しています。 

デバイスを超えて Windows をクラウドへ

Windows 365 は、あらゆる規模の企業に Windows 10 または Windows 11 (今年後半に提供開始予定) を体験するための新しい方法を提供するクラウドサービスです。Windows 365 は、オペレーティングシステムを Microsoft Cloud に移し、アプリ、データ、および設定など、Windows の全体験をあらゆるデバイス向けてストリーミングします。

設計段階からセキュリティに考慮した Zero Trust の原則に基づいて構築されている Windows 365 は、情報をデバイスではなく、クラウドに保存し、保護します。また、Windows 365 は、クラウドのパワーとデバイスの機能の両方を利用して、完全にパーソナライズされた Windows 体験を提供する Cloud PC という新たなカテゴリーのハイブリッドパーソナルコンピューティングを生み出します。ユーザは、クラウド上のアプリケーション、ツール、データ、および設定をあらゆるデバイスにストリーミングでき、デバイスを切り替えてログインしても、作業をそのまま継続できます。IT 部門にとっても、Windows 365 は展開、更新、管理が容易であり、他の類似ソリューションと異なり、仮想化テクノロジに関する経験を必要としません。

この Cloud PC という新しいカテゴリーは、Windows ベースのソリューションを展開するあらゆるタイプのパートナーに、より多くの機会を提供します:

  • システムインテグレーター (SI) やマネージドサービスプロバイダー (MSP) は、企業における Windows 全体の活用の最大化を支援できるようになります。
  • 独立系ソフトウェアベンダー (ISV) は、Windows アプリケーションを継続的に構築し、クラウドで提供することで、顧客のデジタルトランスフォーメーションの取り組みを引き続き支援できるようになります。
  • デバイスやシリコンチップのパートナーは、Windows 365 を、デバイスの堅牢な機能や安全なハードウェアと共に、自社の広範なサービスポートフォリオに統合する機会を得ることができます。

詳細は、プレスリリースおよび Microsoft 365 ブログを参照ください。

Teams から Dynamics 365 のデータに安全にアクセス

Microsoft Teams は、組織にとってどれほど価値のあるソリューションであるかを実証しています。Teams は、パンデミックによる前例の無い需要に対応できる拡張性を示した後、人々をバーチャルに結びつけ、場所を問わずコラボレーションを可能にするための新機能を次々と取り入れています。

Microsoft Teams のお客様は、追加料金無しで Teams 上から Dynamics 365 のデータにアクセスできるようになります。この統合によって、お客様の生産性を阻害する壁や、コラボレーションとビジネスプロセスの間でサイロ化した状態を取り払うことができます。また、追加料金無しのデータアクセスによって、お客様は Dynamics 365 の購入時期や方法を柔軟に選択できるようになります。

マイクロソフトは、信頼性とセキュリティを重視し、権限やアクセスルールを詳細に設定することで、適切なユーザのみがデータにアクセスできるようにしています。詳細は、発表資料を参照ください。

パートナーと連携したプログラムによる市場規模の拡大

コマーシャルマーケットプレース

マイクロソフトのコマーシャルマーケットプレースで取引されるアプリケーションは、前年比で 70 パーセント増加しています。30,000 種以上のアプリケーションやサービスが存在し、毎月 400 万人の購入者が存在する、業界で最も包括的なオンラインマーケットプレースであるといえます。ソフトウェアのニーズが高まり続ける中で、パートナーの皆様は導入プロセスの簡素化を求めており、ソフトウェアポートフォリオの管理にコマーシャルマーケットプレースを利用するケースが増えています。マイクロソフトのデジタルストアである Azure Marketplace や Microsoft AppSource などのコマーシャルマーケットプレースで公開されているすべての取引可能なアプリケーションの手数料を、業界標準の 20 パーセントから大幅に引き下げ、3 パーセントとします。これにより、当社のマーケットプレースで取引可能なオファーを公開するパートナーのマージンが増加し、料金体系が簡素化されます。これらの特典は、マイクロソフトが、自社のプラットフォームをパートナー中心型にすべく最善の努力をしていることを反映しています。料金の変更についてはこちらをご参照ください

今秋より、取引可能なコマーシャルマーケットプレースのオファーのある ISV は、顧客向けの価格と、選択した Microsoft Cloud Solution Provider (CSP) パートナー向けの価格を設定できるようになります。これにより、ISV は CSP パートナーにマージンを提供することができ、CSP パートナーはコマーシャルマーケットプレース以外の顧客に再販する際にも価格を上乗せすることができるようになります。この新たな柔軟性は、パートナー間のつながりを強化し、ISV がリセラーとマージンを共有する動機付けとなることを目的としています。全体的な目標は、マイクロソフトのパートナーによる、マイクロソフトのコマーシャルマーケットプレースでの販売の利益率を向上することです。この施策についての追加情報はこちらをご参照ください。

Microsoft Viva との新たな統合機能

コミュニケーション、学習、ウェルビーイング、そして知識管理を仕事の流れの中で組み合わせることで統合された従業員体験を実現する Microsoft Viva は、パートナーの皆様にとって多大な統合機会をもたらします。Workday、Qualtrics、および ServiceNow など、20 社以上のパートナーとの統合機能を新たに追加しました。これらの統合機能は、2 月に発表した SuccessFactors、Cornerstone OnDemand、Headspace などの多くのパートナーとの統合を補完するものです。これらの統合によって、お客様は、Viva の体験の中で、従業員が日々使用しているシステムやツールにシームレスに接続できるようになります。

マイクロソフトは、アプリケーションの Viva への統合、構築、拡張を容易にする取り組みを続けていきます。パートナーの皆様はすでに革新的な取り組みを行っており、今年後半にはさらに多くのオープン API が展開される予定です。詳細は発表資料をご参照ください。

マネージドセキュリティサービスの提供と成長機会の発見

現在、パブリックプレビュー中の Microsoft 365 Lighthouse と、限定プレビュー中の Project “Orland” for Microsoft 365 は、マネージドセキュリティサービスの提供を容易にし、新たな成長パスの発見によって、パートナーの皆様の成長と収益性の向上に貢献します。

Microsoft 365 Lighthouse は、Microsoft 365 Business Premium を使用している中堅企業のデバイス、データ、そしてユーザのセキュリティの確保において、マネージドサービスプロバイダーを支援します。一方、プロジェクト “Orland” は、顧客に関するマイクロソフトの洞察を共有してアカウント管理を改善することで、クラウドソリューションプロバイダー (CSP) のパートナーのクラウドビジネスの成長を支援する Partner Center の新しい体験です。CSP パートナーは、既存の顧客ベースから、トライアルコンバージョンの可能性がある顧客、フォローアップが必要な顧客、新しいワークロードを導入する準備ができている顧客などの推奨を得ることができます。詳細は、Microsoft 365 Lighthouse および Project “Orland” をご参照ください。

Microsoft 365 のマーケティング支援の特典

Microsoft Teams や Microsoft Viva 向けの Modern Work アプリの構築と販売を検討中の ISV 向けに、新たな特典を導入しました。ISV は、Microsoft Teams でコラボレーションを行っている 1 億 4,500 万人のユーザにリーチするために、Microsoft のテクノロジ、トレーニング、1 対 1 のコンサルティング、マーケティングリソースを利用できるようになります。これらの新たな特典についてはこちらをご参照ください

ISV Connect Program の簡素化

今回の Inspire は、ISV によるアプリケーションの開発、公開、販売を支援するプラットフォーム、リソース、そしてサポートを提供する Business Applications ISV Connect プログラムの 2 周年目にあたります。アプリケーションを構築するパートナーに新たな価値を提供するため、このプログラムの簡素化と強化を発表します。

これらの強化は、パートナーが、アプリ開発期間の短縮、市場投入の迅速化、ソリューションの差別化、新規市場でのビジネスの効率的な成長などによって、これまでは不可能だった事業の規模拡大を実現できるよう支援することを目指したものです。ISV Connect プログラムでは、簡素化された Go-to-Market 特典、ISV App License Management やよりお求めやすい価格で提供される開発/テスト/デモ環境などの新しい技術的特典、そして、大幅に改善されたレベニューシェアが導入されます。また、アプリの発見容易性と検索結果の質を向上させるために、Microsoft AppSource への追加投資も行います。ISV Connect の追加情報はこちらをご参照ください

上記の発表、および今年の Inspire でお伝えする他の多くの発表は、パートナーの皆様の体験、成長、収益性を念頭に置いて考案されており、マイクロソフトをパートナーの皆様にとって最良の支援者にするという精神に基づいたものです。今年はバーチャルでパートナーの皆様と会えることを楽しみにしており、これらの発表の成果が来年には実を結ぶことを期待しています。マイクロソフトの 2021 Inspire Book of News をご参照ください。そして、バーチャルイベントサイトで講演者の情報をチェックし、今年のイベントをお楽しみください。

その他の Inspire に関連する発表内容はこちら https://news.microsoft.com/inspire2021/

【日本マイクロソフト株式会社について】
日本マイクロソフト株式会社は、マイクロソフト コーポレーションの日本法人です。マイクロソフトは、インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ時代のデジタルトランスフォーメーションを可能にします。「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)」を企業ミッションとしています。
日本マイクロソフトは、この企業ミッションに基づき、「革新的で、安心して使っていただけるインテリジェントテクノロジを通して、日本の社会変革に貢献する」企業像を目指します。

マイクロソフトに関する詳細な情報は、下記マイクロソフト Web サイトを通じて入手できます。

日本マイクロソフト株式会社 Web サイト http://www.microsoft.com/ja-jp/
マイクロソフトコーポレーション Web サイト
http://www.microsoft.com/

* Microsoft、Windows 365、Windows、Microsoft Teams、Microsoft Viva は、米国 Microsoft Corporation の米国及びその他の国における登録商標または商標です。
* Windows の正式名称は、Microsoft Windows Operating System です。
* その他、記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。

本プレスリリースのすべての内容は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。正式な社内承認や各社との契約締結が必要な場合は、それまでは確定されるものではありません。また、様々な事由・背景により、一部または全部が変更、キャンセル、実現困難となる場合があります。予めご了承下さい。

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