Microsoft Cloud for Manufacturing のプレビューを発表

チャリオン アルカン (Çağlayan Arkan)
マイクロソフト 製造業担当バイスプレジデント
発表イベント製造業

Microsoft Cloud for Manufacturing

※本ブログは、米国時間 11 月 2 日に公開された “Announcing the Microsoft Cloud for Manufacturing preview” の抄訳を基に掲載しています。

この 1 年半という時間を私たちがすぐに忘れることはないでしょう。パンデミックによって思いもよらなかった変化が起こり、製造業は完全に混乱してしまいました。その混乱は、事業継続性や業務の可視化、サプライチェーン、リモートワーク、従業員の安全性など、さまざまな分野におよびます。

すでにデジタルトランスフォーメーションを取り入れていた製造業の企業では、こうした課題をより迅速に乗り切ることができています。今ではデジタルへの移行を急速に進めなくてはならないと認識する企業も多くなってきました。業界クラウドの必要性を高めている製造業のトレンド 5 点でもお伝えしたように、62% の製造業の企業がスマートマニュファクチャリングへの投資を推し進めており、今年だけでも 20% 増となっています。

こうしたデジタル化への投資によって、データが爆発的に生成されるようにもなりました。例えば、スマートファクトリーでは 1 日 1 ペタバイトものデータが生成されています。これらのデータはすべて新サービスや新ビジネスモデルの機会につながるものですが、ほとんどの企業は自社データの 1% も活用できていませんし、そこから新ビジネスモデルを生み出すといったように真なる新たな価値を引き出すことなど全くできていません。真にデータを理解し、そこから適切な成果を生み出すには、エッジとクラウドでインテリジェントを高めるような機能が必要なのです。マイクロソフトの CEO であるサティア ナデラ (Satya Nadella) が言うように、「Systems of record から Systems of reality へと移行せよ」ということです。

パンデミックによる教訓があるとすれば、それは第 4 次産業革命はもはや誇大広告ではないということです。すべての企業がデジタル化に向かって進んでおり、古いビジネスのやり方では不十分になってきたのです。

今回私が Microsoft Cloud for Manufacturing プレビュー版の発表を嬉しく思うのはそのためです。

Microsoft Cloud for Manufacturing は、マイクロソフトとパートナーによって最高の成果につながるソリューションと機能を提供します。これによりお客様は、エンドツーエンドで全体的かつスケーラブルな形で、価値を実現するまでの時間を加速させることが可能です。マイクロソフト製品群のインテリジェントで統合されたクラウドとエッジ機能を、最も価値の高い製造業の業務シナリオとつなげることで、イノベーションに弾みをつけることができます。それが企業の資産価値を高め、安全でセキュアな工場での現場作業員の生産性を向上させ、リモート販売や常時サービス可能な状態を可能にし、クラウドベースのイノベーションへとつながります。これがすべて、最高の信頼性やコンプライアンス、プライバシー、透明性を兼ね備えた環境で実現するのです。

例えば、すべてのシステムを入れ替える予算やインフラを抱えているような製造業の企業はほとんど存在しませんが、Microsoft Cloud for Manufacturing ではモジュール型のフレームワークで着手できるため、徐々にイノベーションを進めることが可能です。このモジュール型で拡張可能なソリューションは、サプライチェーンの可視化や工場デバイスを安全につなげるエッジサービス、コアプロダクションの展開といったエンドツーエンドのクラウドサービスに適用することもできますし、ミッションクリティカルな工場や倉庫におけるサプライチェーンの実行機能にも有効です。

製造業では、より迅速な工場の建設や、よりレジリエンスの高いサプライチェーンの構築、ハイブリッドな労働力の強化でお客様と新たな方法で関わること、イノベーションを実現し新サービスを提供することなど、非常に差し迫ったビジネスニーズに直面していますが、Microsoft Cloud for Manufacturing はこうしたビジネスニーズに対応する際に必要な機能を柔軟に採用できるよう設計されています。

Microsoft Cloud for Manufacturing で次世代の製造を構築する Johnson & Johnson

Johnson & Johnson は、Microsoft Azure や人工知能 (AI)、IoT、エッジコンピューティング、製造実行システム (MES) などのツールや、Microsoft Cloud for Manufacturing の機能を活用し、マイクロソフトと共同でデジタル製造トランスフォーメーションに取り組んでいます。同社はクラウドとその他のデジタル機能を推進することで、ビジネスイノベーションを実現し、迅速性を高め、所有コストを削減し、ディザスターリカバリー能力を向上させようとしています。Johnson & Johnson は、強固なデジタルコアと見つけやすくアクセスしやすいデータ、そしてアジャイルなプラットフォームにより、テクノロジを通じた未来のヘルスケアを形成しようとしているのです。

Microsoft Cloud for Manufacturing の概要

Microsoft Cloud for Manufacturing は、製品やサービスのライフサイクル全体における体験をエンドツーエンドでつなぎます。

Microsoft Cloud for Manufacturing のプレビューサイトにて、Asset Productivity (資産生産性)、Learning and Knowledge Management (学習およびナレッジ管理)、Always-on-Service (常時稼働サービス)、Supply Chain Visibility (サプライチェーン可視化) などの機能をご覧いただければと思います。

Microsoft Cloud for Manufacturing

私が特に気に入っているのは、これらのさまざまな機能は、Microsoft Teams と複合現実によって現場作業員と統合されている点です。これにより、ハイブリッドワーク環境での生産性が高まります。また、安全に接続された IoT 資産や製品からのインサイトを、Microsoft Dynamics 365 Business Applications やパートナーソリューションのワークフローおよびビジネスプロセスと統合することもできます。

ここで Microsoft Cloud for Manufacturing のモジュール機能をひとつ紹介します。新しい Supply Chain Visibility 機能により、企業がデジタルサプライチェーンツインを構築できるようになります。デジタルサプライチェーンツインとは、物理的なサプライチェーンをデジタルで表現することで、混乱を予測し、前もって対応できるようになるというものです。世界的な混乱が起きた場合、企業にて上流と下流での影響を分析し、シミュレーションやシナリオのモデル化を大規模に行い、最適な解決策を導き出してその対応を自動化することが可能です。

豊富なパートナーエコシステム

共同イノベーションやコラボレーションを実現するプラットフォームへの業界ニーズに応えようと、マイクロソフトの業界パートナーによるすばらしいエコシステムが、現在の最も喫緊の課題に対応するソリューションを Microsoft Cloud for Manufacturing に追加し、その価値を高めています。Microsoft Cloud for Manufacturing のコア機能を高めている主なパートナーは次の通りです。

これは、Microsoft Cloud for Manufacturing の一部に過ぎません。Microsoft Cloud for Manufacturing は、お客様の条件に合わせて構築することができ、お客様独自の事業で DX が実現できるようモジュール化されています。

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