What’s Next for Government in Japan 政府・自治体の DX 支援の最新動向: お客様と共に社会全体のデジタル変革を推進

日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 パブリックセクター事業本部 デジタル・ガバメント統括本部長 木村 靖

日本マイクロソフトは、2019 年に立ち上げたデジタル・ガバメント統括本部を中心として、「お客様と共に社会全体のデジタル変革を推進」することをビジョンに、政府・自治体のデジタルトランスフォーメーション (DX) の推進を支援しています。

現在のコロナ禍において、政府・自治体では、ウェブ会議やテレワークが浸透し、実際に同業界における Microsoft Teams の利用は、前年比 3 倍弱で伸びています。また、アジャイル・ローコード開発もキーワードとなっており、パンデミック対応のための迅速なシステム・アプリの提供も求められています。さらには、2021 年に発足したデジタル庁を起点として DX 化は更に加速しています。

このような現状の中、デジタル・ガバメント統括本部は、

  1. 日本を行政デジタル変革の世界のリーダーにする協働
  2. クラウドアーキテクチャによる革新的な公共サービスの提供
  3. 官公庁職員のソーシャルイノベーター人材の育成

の 3 本柱を中核に、お客様と共に、社会全体のデジタル変革を推進します。

社会全体のデジタル変革を推進

ソリューション面の支援では、昨年に引き続き「オンラインでの行政へのアクセス」に注力し、特に Microsoft 365 を中心とした Teams のコラボレーション活用は順調に増えてきています。今後は、印鑑や紙、FAX などとデジタルワークプレイスと連携し、一気通貫でオンライン化を進めていくことが課題となっています。そしてオンラインで得られたデータを利活用、可視化するための「縦割り行政の打破のためのコラボレーション」、国民や市民のデータを扱うにおいて必要不可欠な「信頼されセキュアな環境の提供」に引き続き取り組んでいきます。
社会全体のデジタル変革を推進

中央省庁における DX 事例

これらの取り組みの成果として、単に協定を結ぶというだけではなく、長期的に寄り添うことで支援している、中央省庁や自治体の事例について紹介します。

中央省庁の事例としては、経済産業省による行政手続きの電子申請のためのプラットフォーム「gBizFORM」があります。現在政府は、件数の多い手続きからオンライン化を進めており、gBizFORM は当社の Power Platform を活用したアジャイル・ローコード開発により、短期間でのサービス提供を実現している事例の一つです。職員自身で、利用者に使いやすいサービスを内製することで、意識改革の一助にもなり、得られたデータをもとにした政策立案や行政サービスの改善にも繋がります。

中央省庁における DX 事例

また、国土交通省の関東地方整備局では、コロナ過の中で、遠隔地でもリアルタイムで専門的なアドバイスを受けられる MR (Mixed Reality) のテクノロジと Teams を活用した遠隔支援ソリューションを提供しています。

中央省庁における DX 事例

これらの政府向けの支援に関しては、パートナー企業と連携して進めており、Microsoft Japan Partner of the Year 2021 を受賞された NEC ネクサソリューション社は、マイクロソフトクラウドの強みを活かした独立行政法人向け ERP を展開しています。

中央省庁における DX 事例

自治体における DX 事例

一方で地方自治体でも、データの活用や働き方改革、そしてトップだけではなく若手からシニアまでの意見を取り入れた専門チームで推進するような DX 事例が出てきています。例えば、さいたま市では Power BI による統計データのセルフ分析を、由利本荘市では Office 365 による緊急テレワークに留まらない働き方改革を、福井県では知事が率先しての Teams によるコミュニケーション変革を実現しています。

自治体における DX 事例

金沢市では、2021 年に独自のデジタル戦略を策定、「誰ひとり取り残さないデジタル戦略都市・金沢」という基本理念を基に、約 2,000 人を対象とした職員のデジタル研修と約 100 人を対象としたデジタル行政推進リーダー研修などのデジタル人材の育成を、当社と連携して推進しています。将来のデジタル人材像を策定することからスタートし、デジタルスキルだけでなく、変革コンピテンシーを持った人材を育成するための取り組みであり、金沢市での実績を他の自治体にも展開していきます。

自治体における DX 事例

今後の取り組み

今後の取り組みとしては、地方自治体の DX 推進をスタートアップと支援するプログラム「Microsoft Enterprise Accelerator GovTech」を展開し、さらにはデジタル庁向けの専任チームを新たに発足します。

Microsoft Enterprise Accelerator GovTech では、行政のデジタル変革や地域のDXに取り組む自治体を対象に、スタートアップ企業と協力してテクノロジの導入を支援し、共同マーケティングも展開します。現時点では、エーティーエル システムズや MaaS Tech Japan、エムティーアイ、へッドウォータース、Momo、VOTE FOR の 6 社が参画、今後もパートナー企業は拡大していく予定です。

今後の取り組み

また、デジタル庁向けの専任チームでは、海外政府の DX 事例の展開や日米でのサポート・開発体制の確立、AI・ゼロトラストといった最新テクノロジの支援、GitHub による内製化・アジャイル開発の支援などを展開し、デジタル庁からの要望に応える形で支援を強めていきます。

今後の取り組み

デジタル・ガバメント統括本部はこれからも、「お客様と共に社会全体のデジタル変革を推進」し、日本の社会が直面している課題の解決に挑戦し続けていきます。

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