パノス パネイ (Panos Panay)
チーフプロダクトオフィサー、Windows + Devices
※本ブログは、米国時間 1 月 26 日に公開された ”A new era of the PC” の抄訳を基に掲載しています。
この 2 年間、私たちの生活スタイルは大きく、かつ、長期的に変化しました。そして、PC はこれまで以上に重要な役割を果たすようになりました。最近、私のある友人は、8 歳の息子が Teams と OneNote を使いこなすようになり、72 歳の母親が Instacart の会員になるとは思ってもみなかったと言っていました。人と組織が新しい視点から生活の優先順位を再考することにより、必要に迫られて生まれた新しい行動が習慣へと変化しています。
仕事、学校、生活のすべてを横断するハイブリッドなインフラが登場し、人々は、どこでどのように時間を過ごすかをより柔軟に選択できるようになりました。ここで、ハブになるのが PC です。PC の利用時間が継続的に増加し、世帯あたりの PC 台数も増加し、PC 利用の新たな時代が訪れています。
このような PC の需要や利用の構造的な変化の背景には、3 つの長期的トレンドがあると考えています。すなわち、ハイブリッドな仕事と学習の台頭、娯楽の習慣とコンテンツ流通モデルの変化、そして、日々の行動やタスクにおける消費者の習慣の変化です。
ハイブリッドな仕事と学習の台頭: パンデミックは、人々がリモートで働き、学ぶためのテクノロジと組織インフラの採用を加速することを強いました。今後も、リモートワークという選択肢を得た人の多くはその継続を希望しており、ほとんどの教育者は遠隔学習が今後も重要な役割を果たすと考えています。このような傾向は、人々の Windows の使い方にも反映されています。過去 2 年間で、Windows において、Cisco WebEx、Slack、Microsoft Teams、Zoom などのコミュニケーション/コラボレーションアプリを使用する人は 6 倍に増加しました。
娯楽の習慣とコンテンツ流通モデルの変化: コンテンツの制作・配信・消費の形態は大きく変化しています。大作映画の多くが劇場公開とストリーミング配信を同日に行うようになったことを考えてみてください。パンデミック発生以降、70% 以上の人々が Windows 上で Hulu、Netflix、YouTube などのコンテンツをストリーミング再生し、月間のゲーム利用時間も 35% 以上増加しました。今やゲーム愛好家の数はテレビ視聴者の数と同じです。人々は、何を、いつ、どこで見るか、再生するか、ストリームするか、投稿するかをコントロールできることをこれまで以上に期待しています。そして、それらが PC 上で行われることがますます増えています。
日々の用事における消費者の習慣の変化: 食料品の買い物、病院の予約、ジム通い、そして外食といった日常的なタスクは、オンライン注文や配達、バーチャル予約、バーチャル ワークアウトの台頭によって変化しています。遠隔医療は 3 倍に拡大し、Buy-Online-Pick-Up-In-Store (ネットで購入し店舗で受け取る) を求める人々の数は 2 年前と比較して 5 倍以上に増加しました。Windows では、PC を使って買い物をする人の数が倍増し、買い物に費やす時間が 40% 増えています。また、日々の用事の一部で対面でのやり取りが再開されても、人々がオンラインの利便性を完全に手放す気配はありません。
PC 市場は過去 10 年で最大の伸びを示し、Windows は市場を上回って成長
PC 市場は過去 10 年間で最大の伸びを示しました。2021 年に、世界の PC 出荷台数は 3 億 4000 万台を突破し、Canalys によるとその成長率は 2019 年比で 27% 増となります。今や、Windows は、月間 14 億台以上のアクティブなデバイス上で稼働し、その総使用時間はパンデミック前に比べて 10% 増加しています。マイクロソフトの顧客調査によれば今四半期には、PC を創作活動、ゲーム、仕事に使おうとしている人々の数がおよそ 50% 増加し、Windows がシェアを拡大しました。組織、学校、家庭といったあらゆる場面で、引き続き、1 人 1 台の PC のメリットが認識されています。
継続的な納期の問題に対応するために、マイクロソフトは、Windows 11 の提供開始にあたり、企業や教育機関のお客様からの注文用在庫を含め、年末に新しい PC を求める人々のできるだけ多くが購入できるよう、シリコンパートナー、OEM、販売店など、業界全体の協力を呼び掛けています。
Windows 11 はエンゲージメントと成長の触媒
10 月の Windows 11 の提供開始以来、Windows 11 に対する強い需要と選好があることがわかりました。Windows 11 へのアップグレードを受け入れる人々は Windows 10 の時と比較して 2 倍のペースで増えています。また、Windows 11 は、これまで出荷された Windows のバージョンの中で、最高の品質スコアと製品満足度を獲得しています。チームにとって製品品質は重要なフォーカス項目であり、アップグレードの展開方法には慎重かつ段階的なアプローチが取られました。本日、Windows 11 へのアップグレードオファーが、当初の予定であった 20221 よりも早く最終段階に入ったことをお知らせします。Windows 11 はエンゲージメントを強めており、人々は Windows 10 と比較して 40% も長い時間 Windows 11 PC を使用しています。Windows 11 のユーザーの約半数が新機能のスナップレイアウトを使用しており、Windows PC のマルチタスクと生産性の利点がこれまで以上に活用されています。
また、Windows 11 は、再設計された Microsoft Store への誘導を 3 倍増やすことにも貢献しています。オープンなプラットフォームを基盤に、クリエイターや開発者に多大な経済的機会を創出するために、昨年、Store の新ポリシーを発表し、新しいアプリだけでなく、Amazon や Epic Games などの新しいストアフロントへの道を開きました。マイクロソフトにとって、新しい Microsoft Store に対するお客様やパートナーの皆様からのフィードバックは大きな励みとなっています。
かつてないほど活気に満ちた Windows エコシステム
Windows プラットフォームの素晴らしい点のひとつは、人々に選択肢を提供する広範でオープンなエコシステムの存在です。今日、ハードウェア、ソフトウェア、アプリケーション、周辺機器など、さまざまな分野のエコシステムがこれまで以上に強力になっています。
Windows 11 の提供開始以来、マイクロソフトの OEM とシリコンパートナーは、新しい Windows 11 搭載 PC を発表し、Surface では過去最大のアップデートでポートフォリオが一新されました。最近の CES では、Acer、AMD、ASUS、Dell、HP、Intel、Lenovo、Qualcomm、Razer が素晴らしい PC とシリコンのイノベーションを紹介しました。また、AMD と Lenovo は、業界初の Pluton 搭載デバイスを発表し、お客様のセキュリティと選択肢をさらに強化しました。
将来を見据えて
人々の生活にますます密着した製品をお届けできたことに、チームとして大きな感謝と誇りを感じています。しかし、やるべきことはまだあります。今年も、そしてそれ以降も、人々の生活を豊かにし、感動を与える Windows 体験を提供するための投資を続けていきます。
マイクロソフトは、変化するお客様のニーズに対応して Windows の機能強化を続けています。Windows 365 により、Windows をクラウドに移行し、従業員があらゆるデバイスで Windows の体験を安全にストリーミングできるようにしました。Windows 11 SE により、学校が、K-8 (幼稚園から小学生の 8 年間) の生徒のユニークなニーズに合わせた、シンプルで集中できる環境を得られるようにしました。
来月にも Windows に新たな体験を提供します。たとえば、Amazon と Intel との提携による、Microsoft Store を通じた Windows 11 上で Android アプリケーションの提供のプレビュー、タスクバーへの通話のミュートとミュート解除の追加、容易なウィンドウ共有、タスクバーでの天気の表示、そして、メモ帳とメディアプレーヤーのアプリのデザイン変更などです。
Windows はこれからもイノベーションのバックボーンであり、ゲーム、創造性、情報探索の目的地であり、メタバースへのゲートウェイであり続けます。
2021 年は Windows にとって素晴らしい年でした。2022 年も、マイクロソフトは、地球上のすべての人と組織がより多くのことを達成できるようにするための旅を続けていきます。
1 Microsoft アカウント (Home エディションの場合は MSA) を持ち、対象リリースと互換性を持つデバイス。詳細情報は、https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/release-health/ をご参照ください
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