2022 年ダイバーシティ & インクルージョンレポート: 説明責任と透明性の向上が進化を促進

説明責任と透明性の向上が進化を促進

リンジー-レイ マッキンタイア (Lindsay-Rae McIntyre)
マイクロソフト チーフ ダイバーシティ オフィサー

※本ブログは、米国時間 10 月 27 日に公開された ”2022 Diversity & Inclusion Report: Driving progress through greater accountability and transparency” の抄訳を基に掲載しています。

マイクロソフトの 2022 年グローバル ダイバーシティ&インクルージョン レポート (2022 Global Diversity & Inclusion Report) が発行されました。この年次レポートが発行されるのは今回で 4 回目であり、グローバルの従業員の人口統計データを発表するようになって 9 年目となりました。今年のデータでは、マイクロソフト全体がグローバルでかつてないほど多様性に富んでいることが示されており、多くの従業員コミュニティにおいて過去 5 年間で最も多様性の進化が見られたことがわかりました。当社では、こうした継続的な進化を前向きに受けとめるとともに、世界中で大きな課題に対峙している背景を鑑みると、今年の発展は特に意味のあるものだと感じています。

マイクロソフトは、ダイバーシティとインクルージョンのデータを公開している同様の規模の企業の中で最も透明性の高い企業の 1 つとして、自社の現状と今後の方向性を継続的に評価しています。今年は毎年公開している広範囲に及ぶデータに加え、多人種の従業員や軍事経験のある従業員など、米国の社員に関するデータを追加しています。また、グローバルでの女性・男性別、米国の人種・民族別の従業員の離職に関するデータや、世界の地域別での女性の割合に関する詳細なデータも紹介しています。さらに、賃金分析データも追加で公開し、社内のあらゆるレベルにおいて継続的に多様性を高める機会があることに焦点を当てています。

主なハイライト

  • 全世界でマイクロソフトのコア ビジネス*に携わる従業員のうち、女性の割合が初めて 30% を超え、昨年から 1.0% 増の 30.7% となりました。 2018 年以降、女性の割合は毎年 1.0% 以上増加しています。
  • マイクロソフトでは、平等賃金の原則に取り組んでいます。平等賃金では、役職や仕事のレベル、在職期間など、賃金の総額に正当な影響がある要素を考慮しています。2022 年 9 月現在の状況は以下の通りです。
    • 米国で報酬の対象となるすべての人種的マイノリティ・民族的マイノリティの従業員は、同等の役職、レベル、在籍期間を考慮した米国の白人従業員が受け取る報酬額 1.000 ドルに対し、1.008 ドルの報酬を得ています。
    • 米国で報酬の対象となる女性従業員は、同等の役職、レベル、在籍期間を考慮した米国の男性従業員が受け取る報酬額 1.000 ドルに対し、1.007 ドルの報酬を得ています。
    • 米国外で報酬の対象となる女性従業員は、同等の役職、レベル、レポートする地域での合計在籍期間を考慮した男性従業員が受け取る報酬額 1.000 ドルに対し、 1.002 ドルの報酬を得ています。
  • 人種的・民族的マイノリティの割合は、現在米国マイクロソフトの主要事業に携わる従業員の 53.2% を占めており、昨年より 1.9% 増加しました。
  • 主要事業に携わる米国の従業員のうち、アジア系、黒人およびアフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系およびラテン系、多人種の従業員の割合は、それぞれ昨年より増加しています。
    • アジア系従業員の割合は 0.3% 増の 35.8% となり、2018 年以降 3.9% 増加しています。
    • 黒人およびアフリカ系アメリカ人従業員の割合は 0.9% 増の 6.6% となり、過去 5 年間で最も前年比増加率が高くなりました。
    • ヒスパニック系およびラテン系従業員の割合は 0.6% 増の 7.6% で、過去 5 年間で最も前年比増加率が高くなりました。
    • 多人種を自称する従業員の割合は 2.6% となり、去年より 0.1% 増加しています。
  • マイクロソフトでは、人種平等に向けた取り組み (Racial Equity Initiative) の一環として、2025 年までに米国で黒人およびアフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系およびラテン系のマネージャー、上級社員、シニア リーダーの数を 2 倍にするということを 2020 年に宣言しており、その達成に向け精力的に前進しています。
      • 黒人およびアフリカ系アメリカ人のマネージャー (ディレクター以下) については、 2025 年のコミットメントに対し 116.0% を達成しています。
      • 黒人およびアフリカ系アメリカ人のディレクター、パートナー、エグゼクティブ (ピープル マネージャーとプロフェッショナル職を含む) については、コミットメントの 92.0% に達しています。
      • ヒスパニック系およびラテン系のマネージャー (ディレクター以下) については、コミットメントの 46.5% に達しています。
      • ヒスパニック系およびラテン系のディレクター、パートナー、エグゼクティブ (ピープル マネージャーとプロフェッショナル職を含む) については、コミットメントの 57.6% に達しています。
  • 米国では、従業員の 7.8% から、自身に障碍があるとの申告がありました。これは、昨年より 0.7% 増加しています。

今年は、従業員のアイデンティティのさまざまな側面を反映させる手法を進化させるとともに、当社の進捗状況に対する透明性を高めるため、レポートに新たな分野を追加しています。今回初めて公表する内容は以下の通りです。

  • 自己認識の新たな側面: 多人種を自称する米国従業員の人数に関する詳細を追加します。人種的・民族的アイデンティティをより詳しく示すことができるように選択肢を増やすことで、より実用的なデータが収集できます。従業員もこのような選択肢があることで、職場での存在感を示し、受け入れられていると感じるとの意見が寄せられています。また、米国のアジア系従業員が自分の民族的背景をより詳細に示すことができるよう、選択肢を増やしました。アジア系コミュニティは、当社最大の人種的・民族的マイノリティ グループで、そのアイデンティティの詳細は 20 以上にもおよびます。今後のレポートでは、この新たな自己認識部分に関する割合が明らかになった段階で、詳細を公表したいと考えています。
  • 軍事経験のある米国従業員の割合: マイクロソフトは、世界中で何千人もの退役軍人や予備役軍人を雇用しており、米国を含む 38 か国で軍事経験があると自ら明らかにする選択肢を従業員に提供しています。このデータによってマイクロソフトの軍事コミュニティ メンバーの可視性が高まるほか、当社従業員の多様性をより深く理解しサポートする際にもこのデータが役立ちます。今年のレポートでは、米国のマイクロソフトのコア ビジネスに携わる従業員の 4.7% が、米軍に勤務していた経験があるか、Protected Veteran (保護退役軍人) であると申告しており、その割合は 2021 年から 0.4% 増加しました。グローバルでの状況が把握できた時点で、今後のレポートにて詳細を公表する予定です。
  • 従業員の離職データ: 今年のレポートでは、従業員がマイクロソフトを自発的・非自発的に退職した従業員のデータを初めて報告しています。レポートでは、グローバルで女性の離職率が前年比 0.2% 減少していることがわかります。米国では、黒人およびアフリカ系アメリカ人の従業員の離職率が前年比で 0.3% 減少しました。また、米国ではアジア系 (5.1%)、ヒスパニック系およびラテン系 (0.4%)、ネイティブ アメリカンおよびアラスカ ネイティブ (0.2%)、多人種 (0.3%) の従業員の離職率が去年より増加しています。ネイティブ ハワイアンおよび太平洋諸島の従業員の離職率は前年からの変化はありません。
  • 賃金データの追加: マイクロソフトでは、実質として同様の仕事に従事している従業員には平等な賃金を支払うよう取り組んでおり、その取り組みを示すため 2016 年より賃金の公平性についてもレポートしています。賃金の公平性は重要な要素ではあるものの、取り組みの進捗を考慮するにあたっては一部の要素に過ぎません。社内のさまざまなレベルで公平性が継続的に進んでいることをより明確に示すため、このレポートを機に透明性を高め、米国内外の女性従業員や、米国での人種的・民族的マイノリティ、アジア系、黒人およびアフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系およびラテン系従業員の総賃金における中央値の未調整の差額を自主的に開示することにしました。中央値は、データ セットの中央に来る値です。つまり、ある従業員グループの賃金の中央値は、その従業員グループの半数がその値より高い賃金を受け取っており、半数がその値より低い賃金を受け取っているということになります。この分析により、職種、レベル、勤続年数などを調整しない場合の賃金中央値の差が明らかになります。女性や人種的・民族的マイノリティの上級レベル職員を引き続き増やし、すべての従業員に対する平等賃金を継続することで、中央値との差は小さくなるでしょう。レポートの 30 ページに、賃金データの追加情報が記載されています。

今年のレポートでは、マイクロソフトがいかにしてインクルージョンに向けたイノベーションを起こし、説明責任と透明性の基準を設け、世界中の従業員とコミュニティを擁護し、この業界へのキャリア パスを拡大し続けているかについても取り上げています。

マイクロソフトのダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みは、誓約やパフォーマンスではありません。これは、共に働く人たちがインクルージョンを重視し、違いを受け入れることで、生きた経験に強い影響を与えることへと深くつながっていく取り組みなのです。これが、従業員の感情などの計測から得た情報に励まされている理由のひとつです。例えば今年は、チームに受け入れられていると感じるかをこの全社的調査で尋ねたところ、グローバルでの平均スコアは 86 点となりました。

マイクロソフトは従業員の多様性を高め、インクルージョンの文化を強化する勢いを維持しながら、従業員の声に耳を傾け、学び続けます。また、それと同様に重要なこととして、今後も活動・実行を続けます。

*マイクロソフトのコア ビジネスは、全世界のマイクロソフト従業員の 83.9% が携わっており、最小限に統合されている企業は含まれません。

【日本マイクロソフト株式会社について】

日本マイクロソフト株式会社は、マイクロソフト コーポレーションの日本法人です。マイクロソフトは、インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ時代のデジタルトランスフォーメーションを可能にします。「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)」を企業ミッションとしています。
日本マイクロソフトは、この企業ミッションに基づき、「革新的で、安心して使っていただけるインテリジェントテクノロジを通して、日本の社会変革に貢献する」企業像を目指します。

マイクロソフトに関する詳細な情報は、下記マイクロソフト Web サイトを通じて入手できます。

日本マイクロソフト株式会社 Web サイト http://www.microsoft.com/ja-jp/
マイクロソフトコーポレーション Web サイト http://www.microsoft.com/

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