GIGA スクール構想を進化させる、教育データ利活用の事例とテクノロジを紹介

日本マイクロソフトは 2022 年 12 月 12 日 (月)、GIGA スクール構想で整備されたIT環境の活用で学校現場に蓄積されている様々な教育データの利活用における、マイクロソフトのテクノロジと取り組み、事例をご紹介する報道関係者向け説明会を実施しました。その概要を本ブログでご紹介します。

1.全国で進む GIGA スクール構想のICT利活用

ICT の日常的な活用が進められ、Microsoft Teams や OneNote を使って教員と児童生徒が課題や学習内容を共有し、フィードバックを通して学習効果を高めている事例が多数出てきています (参考: 岐阜市様東京都立光明学園様)。Teams を中心とした学習活動を行うことで、さまざまな学習ログや活動の履歴データが自動的に蓄積され、学習者支援につなげるデータとして可視化できます。これは「Education Insights」と呼ばれる Teams の標準機能として無償で提供しています。

Teams

Education Insights では、クラス内の学習状況や活動をまとめて確認でき、サポートが必要な児童生徒やクラスの傾向など教員が注目すべき活動が「スポットライト」として提示されます。たとえば、深夜に作業をしている児童生徒の名前をスポットライトに提示することで、教員に気づきを与え、その子の活動を詳しく確認してサポートが必要かを判断できます。

Insights

また、Teams 標準の課題機能には、AIを活用した音読の練習「Reading Progress」があります。児童生徒は Teams で配信された英語や国語のテキストの音読を録画して提出すると、AIが自動採点し、正しく発音できていない単語を色分けで示してくれます。これによって、個々の児童生徒の苦手な単語やクラス全体の状況を把握して、学習をサポートできます。

Readding Process

また、児童生徒に対して「Reflect」を使って今日の気持ちをアンケートとして収集すると、クラス全体や個々の児童生徒の感情や日々の変化を確認できます。教員はこれらの情報を丁寧な声かけや、円滑なクラス運営に活用できます。

Reflect

2.学習と児童生徒のWell Beingを実現するための教育データの利活用事例

Teams などの Microsoft 365 Education から得られるデータだけでなく、教育データ利活用の目的に応じて、その他の学習系システムや校務系システムのデータを組み合わせて蓄積し分析や可視化できます。

教育データ

 

つくば市教育委員会様では、「子どもたち一人ひとりへの細やかな指導」のため「教育ダッシュボード」を構築し、市内の 5 校でテスト運用しています。「Power BI」を活用し、試験やアンケート結果、デジタル教材や学習支援ツールの利用履歴など、教育ダッシュボードを見やすく整理し、簡単に使えるようにしています。

つくば市教育委員会様

渋谷区教育委員会様では、「子供一人一人の幸せ (Well-Being) の実現」を目指して、教員の児童生徒の理解に基づいた指導による学校満足度の向上を目指した「教育ダッシュボード」を構築しています。「学校全体の俯瞰シート」「クラス状況シート」「児童・生徒個人状況シート」に分け、一人一人の児童生徒をきめ細かく、多面的に見られるようにしています。

渋谷区教育委員会事務局 教育政策課 教育ICT政策係 竹澤 悠人氏の講演
渋谷区教育委員会事務局 教育政策課 教育ICT政策係 竹澤 悠人氏の講演

3.安全に教育データの利活用を実現するための、パートナー連携とマイクロソフトのソリューション

教育データ利活用を進めるうえで、児童生徒の重要なデータを取り扱う際には、適切にセキュリティが担保された環境で分析していく必要があります。マイクロソフトは、端末からクラウド、データ分析基盤まで、一気通貫で安心・安全に利用いただけるパッケージを提供しており、文部科学省の教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインに対応し、クラウド上で機微情報を取り扱う際に必要となるアクセス制御型セキュリティ (ゼロトラストセキュリティ) が組み込まれています。

日本マイクロソフトは、学校現場から求められる環境を整え、セキュリティが担保されたシステム基盤全体をご提供するため、業界を代表する 36 社のパートナー企業と連携しています。

パートナー企業と連携した取り組みとして、主に3点に注力します。

パートナー企業と連携した取り組みとして、主に 3 点に注力します。

パートナー企業

    • 校務支援システムや学習アプリベンダーとの ID 連携
      ID を 1 つに集約することで 1 児童生徒1ID でデータの紐づけができ、利便性の向上とセキュリティ強化を実現します。20 を超えるソリューションにおいて、Microsoft 365 アカウントでシングルサインオンが可能です。
    • 教育情報セキュリティポリシーガイドライン対応ゼロトラストセキュリティ基盤の提供
      ネットワーク分離から脱却し、校務系でも学習系でもクラウドサービスを安全に利用できます。Microsoft 365 A5 により、必要な機能をワンパッケージで提供するとともに、構築・運用パートナー企業との連携も強化しています。
    • 安全なデータ分析・可視化基盤を提供
      多様なデータを Microsoft Azure で一元管理、蓄積し、Power BI でダッシュボードとして可視化します。これらの基盤を構築するパートナー企業とも連携を強化しています。

◆連携パートナーソリューション一覧:
Microsoft 365 Education サービスパートナー | Microsoft Education

◆Microsoft Education 連携ソリューションカタログ:
https://download.microsoft.com/download/4/c/5/4c5b7ad0-ef42-4767-8f94-1dd379bae276/Microsoft_Education_Linked_Solution_Catalog.pdf

Microsoft Education

教育データの利活用におけるマイクロソフトのテクノロジと取り組み、事例の詳細は下記を参照ください。
GIGA スクール時代の教育データ利活用​

日本マイクロソフトは、これからも子どもたち自身が『自立的な学習者』となることを目指して、教育委員会や学校と協議しながら、製品/サービス等を進化させていくことで、子どもの学び方、先生の教え方、学校での働き方の変革を引き続き支援してまいります。Web サイトで最新情報をご紹介していきますので是非ご覧ください。

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