AI プラットフォーム担当コーポレートバイスプレジデント
エリック ボイド (Eric Boyd)
※本ブログは、米国時間 1 月 16 日に公開された “General availability of Azure OpenAI Service expands access to large, advanced AI models with added enterprise benefits” の抄訳を基に掲載しています。
人々がイノベーションを起こし、重要な問題解決に AI を適用し、未来の可能性を創造していくために不可欠なプラットフォームとして、大規模言語モデルが急速に普及しつつあります。本日、AI の民主化に向けたマイクロソフトの長期的取り組み、そして、OpenAI との継続的パートナーシップの一環として、Azure OpenAI Service の一般提供開始を発表します。
Azure OpenAI Service の一般提供開始により、Microsoft Azure の信頼できるエンタープライズ級機能と AI に最適化されたインフラに支えられた GPT-3.5、Codex、DALL-E 2 などの世界最先端の AI モデルへのアクセスにより、最先端のアプリケーションを構築する企業が増加するでしょう。また、GPT-3.5 をチューニングし、Azure AI インフラ上で学習・推論を行う ChatGPT が、Azure OpenAI Service を通じて近日中に利用可能になる予定です。
お客様がより多くのことを実現できるよう支援
2021 年 11 月に、マイクロソフトは、Azure OpenAI Service を発表し、お客様が Azure クラウドとコンピューティングインフラに期待するセキュリティ、信頼性、コンプライアンス、データプライバシー、および、組み込み型 Responsible AI といったエンタープライズ級機能を備えた大規模生成 AI モデルのパワーを利用できるようにしました。
その後の最も注目すべきことの 1 つが、買い物客に適切な商品を紹介するためのコンテンツの作成やカスタマーサービスのチケットの要約などの提供によって従業員をより重要な作業にフォーカスできるようにするなど、Azure OpenAI Service がお客様の幅広いユースケースを実現したことです。
業界を問わずあらゆる規模のお客様が、Azure OpenAI Service を活用して、より少ないリソースでより多くのことを行い、エンドユーザーの体験を向上し、社内業務を効率化しています。Moveworks のようなスタートアップから KPMG のような多国籍企業まで、大小さまざまな組織が、カスタマーサポート、カスタマイズ、検索・データ抽出・分類によるデータからのインサイト取得などの高度なユースケースに Azure OpenAI Service を利用しています。
「Moveworks では、Azure OpenAI Service を機械学習アーキテクチャの重要な構成要素として捉えています。お客様の社内ナレッジベースのギャップを特定し、そのギャップを基に新しいナレッジ記事を自動的に作成する、といった斬新なユースケースが実現できました。これにより、IT 部門と人事部門は時間を大幅に節約し、従業員のセルフサービスを向上させることができます。また、Azure OpenAI Service は、当社の既存エンタープライズサーチ機能を抜本的に強化し、分析とデータ可視化のサービスを強化します。現代の企業では、仕事を遂行するために言語に依存することが多いため、無限の可能性があります。Azure OpenAI Serviceとの継続的なコラボレーションとパートナーシップに大いに期待しています。」— Moveworks、創業者兼 CTO、ヴァイハブ ニヴァルギ (Vaibhav Nivargi)
「Al Jazeera Digital は、ジャーナリズムをサポートし、視聴者により良いサービスを提供するために、テクノロジの新たな活用法を常に模索しています。要約や翻訳、トピックの選択、AI タグ付け、コンテンツ抽出、スタイルガイドのルール適用など、Azure OpenAI Service には、コンテンツ制作のさまざまな分野で活用できる可能性があります。このサービスが一般に利用可能になることで、多様な意見を伝える当社の報道の文脈がさらに深まるよう支援されることを期待しています。」— Al Jazeera、エンジニアリング担当バイスプレジデント、ジェイソン マッカートニー (Jason McCartney)
「KPMG は、Azure OpenAI Service を利用して、企業の ESG (環境・社会・ガバナンス) 税務イニシアチブの大幅な効率化を支援しています。企業が税金の拠出総額を公開する動きがあります。これらの納税額の多くが財務以外の IT システム内に埋もれており、膨大なデータ量、不完全なデータ属性という課題がある中で、Azure OpenAI Service はデータ間の関係を見つけ出し、納税額や税金の種類を予測してくれます。これにより、正確性の検証や、国や税金の種類による支払いの分類が容易になりました。」— KPMG、ESG 税務リーダー、パートナー、ブレット ウィーバー (Brett Weaver)
Azure は AI ワークロードの構築に最適な場所
Azure OpenAI Service の一般提供開始は、お客様にとってだけでなく、Azure にとっても重要なマイルストーンとなります。
Azure OpenAI Service は、企業や開発者に、業界最高水準の信頼性と拡張性を備えた高性能の AI モデルを提供します。これは、開発者がより良いコードを書けるよう支援する AI ペアプログラマ GitHub Copilot、GPT-3 による自然言語処理を活用して数式や式を自動生成する Power BI、クリエイターが自然言語プロンプトで魅力あるコンテンツを構築できるよう支援する、先日発表された Microsoft Designer などのマイクロソフト製品に採用されているのと同じ基盤サービスです。
これらのイノベーションには、AI に最適化され、特定の目的に合わせて構築された Azure のインフラという共通点があります。
また、Azure は、研究の進展と開発者の生産性向上を支援する OpenAI API のモデルファミリーを支える中核的コンピューティングパワーでもあります。
現時点で、Azure は大規模なスケールアップとスケールアウトが可能な AI スーパーコンピュータを提供する唯一のグローバルパブリッククラウドです。主要な GPU とネットワーキングソリューションを組み合わせた独自のアーキテクチャ設計により、Azure は、最も計算負荷の高い AI トレーニングおよび推論ワークロードに対してクラス最高のパフォーマンスとスケールを提供します。OpenAI、Meta、Hugging Face など、世界をリードする AI 企業が、AI イノベーションの推進に Azure を選び続けているのは、それが理由です。現在、Azure は世界のスーパーコンピュータ TOP500 の上位 15 位以内にランクインしており、現在最も上位にあるグローバルクラウドサービスプロバイダーです。Azure は、世界中の大規模な AI の進化を推進するクラウドとコンピューティングパワーとしての地位を維持しています。
出典: TOP500
リスト: TOP500 2022年 11 月、Green500 2022年 11 月
AI への責任あるアプローチ
業界のリーダーとして、マイクロソフトは、責任の下に AI のイノベーションを行わなければならないことを認識しています。このことは、ジェネレーティブモデルのような強力な新テクノロジにおいていっそう重要になります。大規模なモデルに対しては、パートナーである OpenAI やお客様と密接に連携し、ユースケースを慎重に評価し、学習し、潜在的なリスクに対処するという反復的アプローチを取っています。さらに、Azure OpenAI Service には、マイクロソフトの 責任ある AI の基本原則に沿った独自のガードレールを導入しています。Limited Access Framework の一環として、開発者はサービスへのアクセスを与えられる前に、意図するユースケースやアプリケーションを説明し、アクセスを申請する必要があります。誹謗中傷、ヘイト、攻撃的コンテンツを捕捉するために独自に設計されたコンテンツフィルターが、サービスに提供される入力と生成されるコンテンツを常に監視しています。ポリシー違反が確認された場合、さらなる不正使用を防止するために、開発者に早急な対応を要求することがあります。
マイクロソフトは、現在使用している AI モデルの品質に自信を持ってお客様に提供しています。そして、これらの AI モデルが、企業や人々にまったく新たな刺激的な方法でイノベーションを起こす力を与えると強く信じています。
AI コミュニティにおけるイノベーションのスピードはきわめて急速です。そして、2023 年以降も、より多くの人々が AI の恩恵を享受できるよう支援していけることをとても楽しみにしています。
Azure OpenAI Service を使ってみましょう
- Azure OpenAI Service の詳細情報はこちらを、最新の機能強化についてはこちらをご参照ください。
- Azure OpenAI Service のアクセス申請はこちらより行ってください。利用が承認されると、Azure ポータルにログインして Azure OpenAI Service リソースを作成し、マイクロソフトの Studio ウェブサイトまたはコードを通じて利用を開始できます。
- ブログ記事 “AI and the need for purpose-built cloud infrastructure (AI と特定目的クラウドインフラの必要性)” をご参照ください。
- Azure OpenAI Service を使い始めるためのヒント動画をご覧ください:
—
本ページのすべての内容は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。正式な社内承認や各社との契約締結が必要な場合は、それまでは確定されるものではありません。また、様々な事由・背景により、一部または全部が変更、キャンセル、実現困難となる場合があります。予めご了承下さい。