日本マイクロソフトは 10 月 11 日、世界 6 拠点目となる Microsoft AI Co-Innovation Lab を、神戸市に開設し、入居する神戸商工貿易センターにて開所式を行いました。式には盛山正仁文部科学大臣をはじめ、川崎重工業株式会社 代表取締役社長執行役員 橋本康彦氏、久元喜造神戸市長らが来賓として出席。日本マイクロソフト株式会社 代表取締役社長 津坂美樹と共に、テープカットを行いました。
Microsoft AI Co-Innovation Lab は、マイクロソフトおよび川崎重工業株式会社と神戸市が連携し、同市に開設。AI や IoT を活用したイノベーションの創出と、産業の振興を目指しており、AI を活用して、プロダクトやサービスの新たな可能性を探るスタートアップを含め様々な企業を支援する施設です。
式の冒頭、日本マイクロソフトの津坂社長は、「このラボを通じて、日本中のお客様が AI を安全に使いどのように業務に活かすか、成長をいかに加速するかという議論を一緒に行い、支援させていただきたい」と挨拶。
続けて、Microsoft AI Co-Innovation Lab のグローバル責任者である山﨑より概要が紹介されました。
■Microsoft AI Co-Innovation Lab 概要
Microsoft Corporation Head of Microsoft AI Co-Innovation Lab Director
Data & AI Business Development
山﨑隼
ビジネスの効率を考え AI を活用する選択肢は一般的になりつつある一方で、現代の複雑なものづくりに「どんな AI を、どのように合わせれば最適なソリューションになるか」というリサーチにはとても時間がかかる、という声をよく聞きます。Microsoft AI Co-Innovation Lab はその時間をできるだけ短縮し、AI を取り入れた最適な製品づくりをご提案させて頂く場所です。時には数ヶ月単位で、お客様のプロジェクトを加速させることも可能です。
Microsoft AI Co-Innovation Lab は 2017 年にアメリカのレドモンドに開設されて以降、ドイツのミュンヘン、中国の上海、サンフランシスコとウルグアイのモンテビデオにて、800 社を超えるエンゲージメントを行ってきました。そして今回世界第 6 の拠点になる神戸は、日本国内だけでなく、アジアにおける AI とインダストリアルメタバースのイノベーション拠点になると考えています。
ラボにはマイクロソフトの専任エキスパートが常駐し、お客様固有のユースケースに対しどのように AI を組み込むか提案し、お客様のものづくりやビジネスを 1 対 1 で支援します。Microsoft Azure を使っている、もしくは使いたいと考える企業が対象で、その規模は問わず、スタートアップへの支援も可能。あくまで共同プロジェクトであるため、約 1 か月の開発期間はクライアントのエンジニアもコミットし、うち 1 週間は実際にラボに来て作業に参加することが条件となっています。
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お客様とのプロジェクト実施の施設としての機能のほか、パートナー企業と共創したソリューションの展示も行っており、イノベーションを体感いただく場としても機能。デモンストレーションブースにも力を入れるほか、セミナーやハッカソンなど教育拠点としても充実させる予定です。
このラボでは、AI/IoT によるイノベーションの創出、産業の垣根を超えたオープンイノベーションの促進、エンジニアネットワークの構築、産官学連携による IT 人材育成、地域産業復興と地域活性化など、様々な可能性を担います。
日本のラボでは、神戸市とマイクロソフトにて推薦された企業は基本無料で、エンゲージメントの集中的な利用やデモエリアへの展示、イベントの開催、地域のオープンイノベーションへの協業などでご活用いただく場合は、費用をいただくことがあります。
当日は来賓者からも、期待の声が寄せられました。
「文部科学省は様々な分野における AI 研究開発を強力に推進しており、マイクロソフトの日本で初めての共創ラボが神戸へ設置され大変喜ばしいです。民間企業や教育機関との共同で社会課題を解決しイノベーションを生み、よりよい社会が作られることを期待しています。」(盛山正仁文部科学大臣 )
「これからの社会では、リアルの製品はネットワークやデジタルにつながりその価値を大きく拡大し、新しい価値を生み出します。ラボは多くの企業にとって新たな出会いの場となり、ビジネスチャンスとなる。誘致を牽引した企業として、ラボが神戸市の発展を加速し大きな力になると確信しています。」(川崎重工業株式会社 代表取締役社長 執行役員 橋本康彦氏)
「昨年 10 月、神戸の姉妹都市であるシアトル近郊の、マイクロソフトの本拠を訪問しました。まさかそのラボがこの神戸にできるなど夢にも思いませんでしたが、グローバル社会をはじめ、地域が抱える課題解決につながるアイデアがこのラボから生まれ地域社会に貢献することを、地元の自治体として切望しています。」(久元喜造神戸市長)
「日本のみならずアジア各地からの利用も含め、リアルなものづくりと AI がつながりより良い製品が発信される未来が待ち遠しいです。業種や規模を問わず様々な業界との共同開発と大学を中心とした人材育成、オープンスペースの活用も楽しみにしています。」(河南忠和神戸市会副議長)
「産官学連携を進める神戸大学では、AI 技術開発のできる人材育成を目指す『システム情報学カレッジ』の構築を推進しており、ラボの開設は非常に心強いです。学生のインターンシップや多様な教育の場として、地元企業と連携し AI 技術開発を支えていく優秀な人材育成に注力したいと考えています。」(国立大学法人 神戸大学 藤澤正人学長)
また、西村康稔経済産業大臣より、ビデオメッセージも寄せられました。
「マイクロソフトによる様々な組織での AI 活用の支援を、大変心強く思っています。神戸には日本を代表する製造業や医療関連企業も多く、ベンチャー、スタートアップもたくさんあり、ユースケース作りに極めて適した場所です。神戸の新しい産業創出と日本の産業創出を大いに期待しています。」
マイクロソフトは、このラボを通して、日本ならびにアジア地域の AI 活用によるビジネス変革を支援していきます。
Microsoft AI Co-Innovation Lab の詳細、お申し込み方法はこちらをご参照ください。
https://aiotlabs.microsoft.com/ja
なお、本ラボのコンセプトビデオは以下からご覧いただけます。
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