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Windows 11 は最もインクルージョンに配慮して設計された Windows

カロリーナ エルナンデス (Carolina Hernandez)
Windows アクセシビリティ担当リーダー

※本ブログは、米国時間 10 月 4 日に公開された “Making Windows 11 the most inclusively designed version of Windows yet” の抄訳を基に掲載しています。

先日、私の同僚ジェフ ペティ (Jeff Petty) が、Windows 11 に搭載されるアクセシビリティの新機能と強化について紹介しました。Windows 11 が提供開始される今、マイクロソフトのアクセシビリティへの取り組み、そして、マイクロソフトの開発のチームが、どのようにして Windows 11 をこれまでで最もインクルーシブな設計の Windows に創り上げたかについて背景をご紹介したいと思います。

マイクロソフトが目指すもの: 機能と効率だけではなく喜びを

すべては、マイクロソフトが目指していることから始まります。マイクロソフトの Windows 開発チームは、障碍のある人にもない人にも、効率的で、楽しく、快適な体験を提供したいと考えています。私たちの想いは、さまざまな能力、ニーズ、嗜好を持つ人々を尊重し、インスピレーションを得るというインクルーシブデザインの原則に基づくものです。このコミットメントによって、Windows 11 では多くのイノベーションがもたらされましたが、ここでは以下の 3 点に絞ってご紹介します。:

  • コントラストテーマの外観の変更
  • Windows のサウンドをより穏やかで情報性の高いものにする変更
  • Ease of Access (簡単操作) という設定項目の名称をより明示的なアクセシビリティにする変更

機能と形、両面からのインクルージョン

Windows 10 のハイコントラストテーマは、弱視や光に敏感な方のために、テキスト、背景、画面上の要素をできるだけ区別しやすくできるように設計されています。その目的は果たせましたが、少しやりすぎたかもしれません。お客様からは、「このテーマには疎外感を抱く」、「あまりにも無骨なツールだ」といった声を聞きました。確かにコントラストを高めることは必要でしたが、それほど極端なコントラストにする必要はなかったのです。それに、見た目ももう少し素敵にしても良いのではないでしょうか? より包括的なアプローチが必要であることは明らかでした。そこで、私たちは、マイクロソフト社内のさまざまな分野の人々を集め、コンプライアンスのチェックリストのボックスを埋めることではなく、デザインプロセスそのものに再フォーカスすることにしました。弱視の人々が Windows 11 体験を改善し、新しいコントラストテーマでよりスムーズでポジティブなユーザー体験をしていただくことに尽力しました。視覚障碍のある方々に、デザインプロセスの最初の段階から参加していただき、専門家としての意見や実際の体験に基づき、カラーコントラストのデザインを指導してもらいました。複数の色の組み合わせを試作してお客様の声を集め、そのたびに新たな改善点を見つけていきました。その結果はどうだったでしょうか? Windows 11 には、4 つの新しいコントラストテーマを提供しています。これらのテーマは、Windows をよりアクセスしやすく、見やすくするためのさまざまなオプションを提供するだけでなく、Windows をより美しくしてくれます。

機能と形、両面からのインクルージョン

全ての人の声を聴く大切な初めの一歩

Windows 11 の設計にあたり、マイクロソフトが行った重要な変更の一つは、お客様からのフィードバックへの対応を設計プロセスの初期段階から行うことでした。これまでは、ユーザーが試せる機能ができた段階で、障碍のある人々のコミュニティとの関わりを始めていましたが、Windows 11 では、開発の初日からコミュニティを巻き込みたいと考えていました。このような初期フィードバックから最も影響を受けた機能の一つが、再設計された Windows 11 のサウンドです。聴覚に障碍のあるお客様からは、「従来の音は‘攻撃的‛であり結果的に PC をミュートしてしまうことになる」という声が寄せられました。一方で、目の不自由な方からは、「パソコンの電源を投入した時に、いつ操作を始めて良いか推測しなくて済むようにするためには、特に起動時のチャイムが重要である」という声が聞かれました。これらのさまざまな初期フィードバックと、落ち着いた Window の体験を提供するという目標のバランスを取りながら、開発チームは新しい Windows サウンドの探求を始めました。音の候補が完成すると、直ちに視覚や聴覚に障碍のあるお客様に関与いただきました。お客様からのフィードバックの結果、難聴の方にも聞こえるようにするためには、250 ヘルツから 8000 ヘルツの音域を横断する必要があること、また、全盲の方がログイン情報を入力するタイミングを知るためには、ロック画面が表示された時に起動音が鳴ると便利であることなどがわかりました。最終的に、開発チームは、PC の準備が整ったことを知らせてくれる新しい Windows の起動音に加えて、より多くのユーザーに親しんでもらえる耳に優しく、有用な情報を示すサウンドを提供することができました。

アクセシビリティ設定を見つけやすく

せっかくのアクセシビリティ機能もお客様に見つけてもらえなければ意味がありません。インクルーシブデザインの継続的なフィードバックサイクルは、Windows 11 のこの側面にも影響を与えており、その結果、設定画面における “Ease of Access” (簡単操作) が“アクセシビリティ”に名称変更されました。以前の Windows バージョン では、開発チームは “Ease of Access (簡単操作)” という言葉使いを選ぶことで、長期的な障碍だけでなく、短期間の、あるいは、そのときだけの障碍も含めた全体的アクセシビリティに対応していることを表現しようとしていました。しかし、ユーザーに聞いてみると、誰もその意味を理解していないことがわかりました!“Ease of Access (簡単操作)” は「インターネットに容易にアクセスするためのオプション」という意味に取れるという意見もありました。この声を聞いて、チームは変更を行うべき時であると感じました。新しいデザインによって、多様な障碍のある人たちを尊重し、受け入れるという当初の目標を見失いたくありませんでしたが、同時に、Windows に組み込まれた支援機能を探している人たちにとってのわかりやすさを目指しました。開発チームは、ライティングとアイコンデデザインチームを巻き込んで、インクルーシブでわかりやすいことを目標に 10 種以上の組み合わせをテストしました。最終的には “アクセシビリティ” という名称、そして、人間の能力を最大限に発揮させることを表した人物のアイコンがお客様の期待に応えるものとなりました。

アクセシビリティ設定を見つけやすく

私たちの取り組みに是非ご参加ください

Windows 11 は、アクセシビリティとインクルーシブデザインを製品と企業文化の両方に統合するというマイクロソフトの取り組みの重要なマイルストーンとなる製品です。この場を借りてフィードバックという贈り物によってこの取り組みを支援してくださった皆様に感謝を申し上げます。これからまだ多くのマイルストーンがあり、皆様のご協力が必要です。Windows 11 をお試しいただき、ご意見やご感想をお寄せいただければ、より良い体験を提供することができます。Windows ロゴキーと F キーを同時に押すことで、フィードバックハブを起動し、皆様のご意見を共有できます。

最後に申し上げたい点として、障碍があるお客様で、Windows などのマイクロソフト製品に関する技術的サポートが必要な場合は、電話、チャット、手話 (テレビ電話経由) などによって Disability Answer Desk にご連絡ください。いつでもお気軽にご連絡ください。

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