ゲームを変革する:レアル・マドリードのデジタル改革

Posted by:岡部 一志
社長室 コーポレートコミュニケーション部 部長

皆さん、こんにちは。大変エキサイティングな発表がありました。

米国時間 11 月 18 日、マイクロソフトは、日本にも多くのサポーターがいる世界的なサッカークラブであるレアル・マドリードの戦略的なテクノロジパートナーとなることを発表しました。これは、クラブの選手やコーチ、フロント陣だけでなく、世界中の数百万人のサポーター向けに PC、タブレットやスマートフォンなどのデバイスからアクセスできる革新的なデジタルプラットフォームの構築に向けて協力していくという、まさに歴史的な提携です。

本戦略的提携は、スペインのサンティアゴ・ベルナベウ スタジアムで開催されたイベントにおいて、レアル・マドリード CF 会長フロレンティーノ ペレス (Florentino Pérez) 氏、そして、マイクロソフト コーポレーションのエマージングマーケット担当コーポレートバイスプレジデント兼チェアマン オーランド アヤラ (Orlando Ayala) によって発表され、同イベントには、マイクロソフト コーポレーション CEO サティア ナデラ (Satya Nadella) もビデオメッセージで参加しました。

この発表についての報道発表資料の抄訳はこちら(https://news.microsoft.com/ja-jp/2014/11/19/2014-73/)です。あわせて、今回の発表イベントにもマイクロソフトの代表として参加したマイクロソフト コーポレーションのエマージングマーケット担当コーポレートバイスプレジデント オーランドアヤラが、今回の提携の位置づけについて述べたブログをポストしています。その翻訳をご紹介します。

 “ゲームを変革する:レアル・マドリードのデジタル改革” 
オーランド アヤラ (Orlando Ayala)
エマージングマーケット担当コーポレートバイオスプレジデント兼チェアマン

子供の頃に育まれた情熱は、人となりを決めます。私のサッカー(私の故郷のコロンビアではフットボル(futbol)と呼んでいましたが)への情熱は、若い頃の私を突き動かす力でした。私にとって、フットボルはただボールを蹴ってゴールに入れることではなく、コミュニティのパワーでした。フットボルの世界では私は同じ情熱を共有するコミュニティの一員でした。情熱とは、ボール技術に卓越したいという執念、そして、試合で優秀な成績を残したいという決意です。表面的にはこれらの情熱はとても個人的なものに見えますが、実際には、個人として衝突することがあってもチームとして共に成長する努力を惜しまず、すべての選手が最高の状態になれるよう奮闘する強力なコミュニティがあってこそのものです。

フットボルを通じて、私は、個人が強くなり、そして、各個人がフィールドでのコミュニケーション方法を知って、全体がひとつの強い力として動けるようになった時に初めて、チームは強くなれることを理解できました。最終的には、フットボルは私にチームをコミュニティとして、私の家族の延長線上にあるものとしてとらえるべきことを教えてくれました。このようなコミュニティの意味を現実に感じさせてくれるフットボルクラブは少数です。このようなコミュニティの真の魅力について、世代を超えて実現しているクラブとして最もふさわしいのがレアル・マドリードであることに疑いはありません。

本日、マイクロソフトと、20 世紀最高のチームとして評価されているレアル・マドリードは、テクノロジによるクラブのデジタル変革を推進する提携に関する合意を発表しました。これは、レアル・マドリードの試合を真に変革し、ファンが自分の情熱をユニークに発揮できるようにするための 4 年間のビジョンです。

ファンが重要

Surface Pro 3 が選手とコーチに主要ツールとして使用されるなど、マイクロソフトのサービスとデバイスを使ってレアル・マドリードの変革を支援できることを大変うれしく思っています。しかし、とりわけ重要なのは、マイクロソフトがレアル・マドリードと共に設計しているデジタルプラットフォームにおいて、ファンを中心に置いてリッチなコンテンツや体験にオープンにアクセスできるようにすることで、試合やチームとより近づけることに徹底的にフォーカスしていることです。

マイクロソフトのクラウドソリューションにより、パーソナイズされ、カスタマイズされた限定コンテンツとデジタルサービスがファンに提供されます。サンティアゴ・ベルナベウ スタジアムでの提供に加えて、試合の前後、そして、試合中にでも、どの場所からでもスタジアムにバーチャルにアクセスすることもできます。ファンは自分の見たいコンテンツを選択できるだけでなく、自分向けにカスタマイズされた体験をいつでも、どこでも、どのような形でも作成できます。そして、スポーツは本来的にコミュニティ指向であることから、ファンがこれらの体験を友人や家族とリアルタイムでシェアするためのソーシャルでデジタルな手段を構築しています。

データビジュアリゼーションを静的から動的に

コンテンツのデジタル化の動きに関して、今まで私が見てきた最も顕著なトレンドのひとつにデータを今まで以上にわかりやすく表示するためのデータビジュアリゼーションの進化があります。単なる数字や言葉ではなく、グラフィクスを使うことでメッセージをより適切に伝えられます。まさに「百聞は一見にしかず」です。今では、私たちは新聞、雑誌、そして、ウェブ上で、明確にストーリーを伝えてくれるインフォグラフィックスを見慣れています。しかし、インフォグラフィックスが公開された時にはそのデータは古くなっていますし、もっと詳しく知りたいと思っても画像だけではどうしようもありません。マイクロソフトがレアル・マドリードと行なっている真の革新はここにあります。洞察を得て、新しいアイデアを生み出し、ファンにその発見を活用して自分自身のストーリーの作者になってもらう機会を提供できるダイナミックなプラットフォームを実現するビジョンです。

この点をより明確に示すために、本日の発表イベントでは、データビジュアリゼーションと動的データ分析のデモにおいて、マイクロソフトのビッグデータソリューションの可能性を紹介しました。Power BI for Office 365 の機能とマイクロソフトのパートナーが提供する ビッグデータへのアクセスにより、チーフデータアナリストのマーク レグエラ (Marc Reguera) が、選手や試合などの主要統計データを使ってファンが容易にグラフィカルな比較を行なえることを示しました。ここでも、それぞれのファンにとって意味がある形で比較が行なえます。スポーツファンにとって、この種のデータに容易かつダイナミックにアクセスできることはまさに革新的です。

情熱が情熱を産む

私は、フットボルは単なるゲーム以上のものであることを痛感しています。選手であってもファンであっても、重要なのはチームとしてのコミットメントを行ない、他者と情熱を分かち合い、コミュニティの一員となることです。情熱とは、言葉ではうまく説明できないものです。そして、世代を超えて引き継がれていくレアル・マドリードのファンの愛情はまさにその説明できないものであり、ユニークな存在です。このパートナーシップを通じて世界中のレアル・マドリードのファンは試合、クラブ、選手、ファンのコミュニティに今まで想像もつかなかった方法で近づくことができます。これは、ファンを中心に置き、情熱に動かされ、今日のテクノロジとクラウドによる支援があって初めて実現できる世界です。最後に重要なことは「フットボルへの愛」とレアル・マドリードをひとつの強い力とし、世界中のコミュニティが試合の90分が終わった後でもずっと笑顔でいられるようにするということです。

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