日本マイクロソフト株式会社 年頭所感

[2016年1月5日]

さらなる「変革」の推進と、日本市場への貢献を目指す

 

新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。平素よりマイクロソフトの製品、サービスをご愛顧いただき、厚く御礼申し上げます。

社長就任後、初めて迎える新年となり、改めて身の引き締まる思いです。

(2015年振り返り)
昨年は、当社において、大きな「変革」を進めた年となりました。モバイル ファースト&クラウド ファーストの世界において、米国本社CEOサティア ナデラが、マイクロソフトの新しい企業ミッションとして「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)」を策定しました。

日本においても、この企業ミッションに基づいて、お客様・パートナー様との連携を強化し、日本市場へのさらなる貢献を目指して、全社を挙げて変革を進めています。この変革の一環として、昨年7月に社長を拝命し、新経営執行体制で日本のビジネスを推進しております。「チャレンジャー」としての変革をとどめることなく、さらにドライブすることが私の責任であると考えています。社長就任の発表以来、多くのお客様やパートナー様との面会などを通して、当社への期待の大きさ、そして「変革」への関心の高さを実感しています。

社長就任時に、企業ミッションに基づいた日本法人としての今後の方向性として、徹底した変革を進めることで、「革新的で、親しみやすく、安心して、喜んで使っていただけるクラウド・デバイスを提供する会社」を目指すことを掲げました。さらに、今年度の重点分野として「プロダクティビティ&ビジネスプロセス:ワークスタイル改革のリーディングカンパニー」「インテリジェントクラウド:コネクテッドワールドのデファクトプラットフォーム」「新たなパーソナルコンピューティング:Windows 10 + デバイス」の3つを掲げました。日本法人を挙げての「変革」への取り組みのおかげで、昨年はそれぞれの分野で、大きな実績を残すことができました。

まず、「ワークスタイル変革」の分野では、日本の競争力向上に大きく貢献していく取り組みとして「テレワーク」を推進してきました。昨年8月には「テレワーク週間2015」を、651の賛同法人様とともに実施、テレワークによる業務効率・生産性の向上に向けた様々な取り組みを展開しました。これまでの取り組みや普及への貢献が評価され、厚生労働大臣表彰「輝くテレワーク賞」優秀賞を受賞、また「ワークスタイル改革を支援する代表的なIT企業」(日経BPコンサルティング様による調査)の第1位にも選ばれるなど、おかげさまで高い評価をいただきました。

クラウドのパワーとそこにつながるデバイスの数が急速に増大し、ビッグデータ、IoT、Machine Learning(機械学習)、AI(人工知能)などのテクノロジの世界が広がっていく中で、昨年までに開設したパブリッククラウドサービス(Microsoft Azure、Office 365、Dynamics CRM Online)の国内データセンターを核とした事業の拡大、パートナー様ともクラウドファーストの時代のパートナーシップへの変革を加速しています。そして、サイバーセキュリティ対策、プライバシーの保護など「信頼できるクラウド」(Trusted Cloud)の確立にも今後とも注力していきます。

昨年7月のWindows 10のリリースは、まさに当社の「変革の象徴」です。既存のWindows 7/8.1ユーザーに向けて、初の「無償アップグレード」を実施しました。1つのWindowsがPC、タブレット、スマートフォン、大画面デバイス、ゲーム、IoT機器など様々なデバイスに対応し、市場投入が進んでいます。そして、全く新しいデバイスとして、大画面ディスプレイを備えたコラボレーションデバイス「Surface Hub」、ホログラフィック コンピューター「HoloLens」を公開しました。Windows 10と様々な対応デバイスにより、「新たなパーソナルコンピューティング」を体験できる機会が広がりつつあります。

(2016の展望)
2016年の取り組みとして、最も注力していくのが、クラウドビジネスの加速です。社長就任直後に「2年後に日本法人の売上げの50%以上を目指す」という目標を設定しました。クラウドのテクノロジとしてのトレンドは一層拡大し、昨今企業に求められる要件を満たすソリューションとして、毎年2桁成長を見せています。この目標を達成するのは簡単ではありませんが、お客様のニーズも「クラウドファースト」が進み、昨年以上に需要拡大が見込まれる中で、当社自身もパートナー様と連携して取り組みを強化していきます。

また、クラウドのタッチポイントとしてのデバイスビジネスの拡大にも一層注力し、Windows 10対応のデバイスのさらなる普及を目指します。昨年にもまして、多種多様なデバイスが多くのパートナー様から提供が見込まれるだけでなく、自社ブランドデバイスSurfaceの新モデル「Surface Book」の早期提供開始を予定しています。PCやタブレットに加え、昨年秋より本格化しているパートナー各社からのWindows 10 Mobile搭載デバイス投入も続々と予定されており、スマートフォンの分野でもWindows 10の活用が進む見込みです。

クラウドとデバイスを軸に、3つの重点分野での取り組みを拡大させ、社内においては「変革」のカルチャーを一層醸成し、「革新的で、親しみやすく、安心して、喜んで使っていただけるクラウド・デバイスを提供する会社」として、お客様・パートナー様との関係強化に努めていきます。

本年2月には、マイクロソフトが日本でビジネスを開始して30年、「日本マイクロソフト」へ社名変更し、品川に本社オフィスを開設(2011年2月1日)して5年を迎えます。パートナー、お客様の皆さまに成長させていただき、今日の当社があるものと痛感しています。

少子高齢化や労働人口の減少などの課題、地方創生など政府の取り組みに対して、生産性の向上やビジネスのグローバル化、ワークスタイル変革を支援する観点から「テレワークの推進」を加速させ、クラウドを含めた安心、安全なICT環境を整備するとともに、2020年東京オリンピック/パラリンピックの開催も見据え、改めて「サイバーセキュリティ対策の推進」を日本法人全社的な取り組みとして、一層注力してまいります。

今後とも日本にさらに根付き、信頼される企業として、全社を挙げて日本社会に貢献していく所存です。

本年もご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

日本マイクロソフト株式会社 代表執行役 社長 平野 拓也

 

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