[2017年3月1日]
マイクロソフトによるアジア地域における調査から、他地域との傾向の違いが明確に
Posted by: 岡部 一志 コーポレートコミュニケーション本部 本部長
マイクロソフトは、この度、アジアの 13 か国・地域※のビジネスリーダーを対象に、最新テクノロジの活用とビジネス変革について調査した「Microsoft Asia Digital Transformation Study」(回答者数:日本の 115 人を含む 1,494 人)をまとめました。
※ オーストラリア、中国、香港、インドネシア、インド、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、台湾およびタイ
本調査では、「デジタルトランスフォーメーション」が重要であると回答した日本のビジネスリーダーの割合は 50% に過ぎず、アジア全体の平均 80% と比較して、非常に低いという結果が得られました。また、「デジタルトランスフォーメーション」進展の阻害要因として、以下の 5 つが挙げられました。
1. サイバーセキュリティ上の脅威
2. 不確実な経済環境
3. デジタルスキルを持った人的リソースの不足
4. 政府とICTインフラのサポート不足
5. エグゼクティブ層のリーダーシップ不足
なお、日本に関する調査結果については、インフォグラフィックス にまとめていますので参照下さい。
クラウドコンピューティングを基盤とした、人工知能 (AI)、IoT(Internet of the Things:モノのインターネット) 、高度なデータ分析および Mixed Reality (MR:複合現実) などの最新テクノロジは、かつてないほどのペースでビジネスや生活の変化を起こしています。
過去の産業革命の教訓では、こうした変化へのすばやい対応や進化ができない組織は競争力が低く、時代遅れになることがわかっています。マイクロソフトは、あらゆる規模の組織におけるビジネス変革へのニーズに対して、最新のテクノロジを活用し「デジタルトランスフォーメーション」の推進を支援します。
マイクロソフトでは、「デジタルトランスフォーメーション」のフォーカスすべき4つの要素として、(1) お客様とつながる、(2) 社員にパワーを、(3) 業務を最適化、(4) 製品を変革、を挙げています。
アジア地域を対象とした今回の調査結果からは、アジア全体と比較して、日本においては、より緊急性を認識した上で変革を進めないと、デジタル時代における変革に遅れてしまう可能性がある、という結果となりました。
日本とアジアを比較した調査結果から、以下の3点を注目すべき点としてご紹介します。
1. デジタルトランスフォーメーションの現状および準備状況:
自社内におけるデジタルトランスフォーメーションの現状および準備状況でも、日本とアジア全体では、顕著な差が明確になりました。「デジタルトランスフォーメーションの準備ができている」との回答は、アジア全体では 27.4%でしたが、日本では 15.7% に過ぎません。また、現状においても、プロセス管理など、手続きや仕組み作りを重視する傾向が強く、実際の変革への着手がアジアの他国と比較して後回しになっている現状が浮き彫りになりました。
※デジタルトランスフォーメーションの現状および注力分野で自社にとって最も適切なものを選択した結果の集計
2. デジタル技術の活用状況:
自社組織におけるデジタル技術の活用について、以下の 4 つのトピックを提示し、どれに同意するか質問したところ、アジア全体の平均値 79.5% と比較し、日本の平均値は 52%にとどまりました。全体の傾向としてアジア全体と比較して非常に低い結果となり、日本企業ではまだデジタルトランスフォーメーションの端緒についたばかりと推測されます。
(選択肢:複数回答可)
- クラウドとデバイスにおけるリモートワーク環境
- 組織のデジタル化
- データ分析による経営
- クラウドの重要性
3. 「デジタルトランスフォーメーション」を進めるリーダーシップの状況:
アジア全体では、確信を持って「デジタルトランスフォーメーション」を推進するリーダーは55%であるのに対して、日本では約 30% という調査結果になりました。アジア全体と比較した場合、デジタルトランスフォーメーションを推進する日本のビジネスリーダーの割合は 6割弱に過ぎません。ビジネス変革の進展と得られる成果に対して、日本企業では保守的な考え方や見方が多いように推測されます。
マイクロソフトは、今回の調査結果を受け、日本企業がデジタルトランスフォーメーションを成功させる鍵として、以下の三点が重要だと考えます。
- 緊急性のあるデジタルトランスフォーメーションの推進
アジア他国との競争力の観点から、ビジネスリーダーが、デジタル技術の活用による具体的な成果を想定しながら、確信を持って、速やかにデジタルトランスフォーメーションを推進することが重要です。 - 組織のデジタル化
テクノロジを導入するだけでなく、それを使いこなすデジタルスキルを備えた人材の育成と、テクノロジを活用した目的(①お客様とつながる、②社員にパワーを、③業務を最適化、④製品を変革)の明確化が必要です。 - 信頼できるパートナーの確保
従来のように、製品やテクノロジを導入するだけでは、ビジネス変革につなげることは困難です。目指すべきゴールの設定、課題の洗い出しなど、変革に向け必要となるステップを支援する信頼できるパートナーを確保すべきでしょう。
今回の調査は、全体的に日本企業がアジア全体と異なる傾向を示す結果となりましたが、日本は元来テクノロジやガジェットなどへの親和性が高い市場であり、ここでご紹介した内容を念頭に、緊急性を持って取り組んでいただくことで、日本が再度リーダーシップを発揮できる素地はあると日本マイクロソフトは考えています。当社は、「信頼できるパートナー」として、今後も最新テクノロジを活用したお客様のデジタルトランスフォーメーション推進を支援していきます。
当社社長の平野が日本におけるデジタルトランスフォーメーションについて語った連載はこちら
Microsoft Asia Digital Transformation Study インフォグラフィックス(PDF)はこちら
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