[2017年3月8日]
国立大学法人静岡大学
日本マイクロソフト株式会社
「反転授業」を低コストで実現
「クラウド反転授業支援システム」を全国の大学へ提供
国立大学法人静岡大学(本部所在地:静岡県静岡市駿河区、学長:伊東幸宏、以下静岡大学)と日本マイクロソフト株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長:平野拓也、以下日本マイクロソフト)は、大学教育におけるデジタルトランスフォーメーション推進で協力することに関しての覚書を締結しました。
本協力により、静岡大学自身のデジタルトランスフォーメーション(*1) 推進と、全国の大学のデジタルトランスフォーメーション推進を支援します。
現在、大学教育においては、「グローバル化」とともに、「ラーニング・コモンズ(*2) 」の整備や、「アクティブ・ラーニング(*3) 」の導入が求められており、教育方法の変革が急務であるところです。これらを実現するために、静岡大学では低コストで実現した「クラウド反転授業(*4) 支援システム」をはじめ、マイクロソフトテクノロジーを活用して自校のデジタルトランスフォーメーションに向けた様々な取り組みを実施します。日本マイクロソフトは本協力において、マイクロソフトテクノロジー導入における技術支援、全国の大学に向けた提案サポート、講義やセミナーへの講師派遣を実施します。
本協力では、以下の 3 つの取り組みを実施します。
■ 静岡大学のデジタルトランスフォーメーション推進
- 「教え方」および「学び方」の変革
近年、教育手法の変革において、基礎的な学びを教室以外で繰り返し行うことができる「反転授業」が有効的な手法として注目されてきましたが、静岡大学全体で 2,000 科目を超える授業の動画化と、教材の電子化が課題となっていました。静岡大学は 2012 年から研究を開始し、「誰でも簡単に低コスト(*5) で授業動画を制作できる機能」、「動画を含む教材の保管を組織の規模に応じて自由に増減できる機能」、「動画を含む教材を高速に世界中へ配信する機能」を有する「反転授業支援システム(*6) (サービス名:大学教育テレビジョン(*7) )」を開発しました。このシステムを「クラウドコンピューティング技術」「マルティメディアミックス技術」「教材電子化技術」と連携し、「クラウド反転授業支援システム」が 2016 年に誕生し、校内外 420 名の教職員が実証を行いました。この度、日本マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure(以下Azure)」を活用した「クラウド反転授業支援システム」として、2017 年 4 月より、全学での本格的な運用を開始します。これにより大学全体で低コストな「反転授業」の実現をすることになります。大学全体での低コストの「反転授業」の実現は、世界に例をみない画期的なもので「教育の革新」といえます。
また全学生 1 万人への「Office 365 Education(*8) 」活用を強化し、「OneNote クラス ノートブック(*9) 」の運用を 2017 年 4 月から開始します。教科書、参考書に加え、ノートの電子化により、授業のデジタル化の加速を目指します。
全教職員 1,100 名に対しても、Office 365 Education のメールアカウントを発行し、今後運用を開始します。既に Office 365 Education を活用している学生とのコミュニケーション強化を目指します。
■ 全国の大学のデジタルトランスフォーメーション推進支援
- 「クラウド反転授業支援システム」の提供
「クラウド反転授業支援システム」は Azure の全面活用により、登録動画数、教材数、教材容量の制限がなくなり、100 万本の動画を登録しても保管容量不足や処理性低下の心配がなくなりました。また動画の制作、クラウドへの保管、世界への配信をコストレスで行うことが出来ます。
静岡大学では、全国の大学のデジタルトランスフォーメーション推進に向けて、自校で運用効果がでている「クラウド反転授業支援システム」を 2017 年 4 月から低コストで提供を開始します。静岡大学は「講師の派遣」「PC実習室の提供」「反転授業ノウハウの提供」を実施し、日本マイクロソフトは全国の大学に向けた提案サポートを実施します。 - 静岡大学、日本マイクロソフト共同セミナーの開催
静岡大学と日本マイクロソフトの共同で「クラウド反転授業支援システムセミナー」を全国の大学に向けて 2017 年 4 月から開始します。
クラウド反転授業支援システム(サービス名:大学教育テレビジョン):http://setv.shizuoka.ac.jp/
問い合わせ先:[email protected]
■ 第4次産業革命に向けた人材育成
第4次産業革命に向けた人材育成として、以下の講座を静岡大学で開講します。
- 次世代 AI 人材の育成
IoT 及び AI 等の情報先端技術及びその応用に関する講座・ワークショップを開催します。
また学生向けに、日本マイクロソフトが働き方改革に関しての講座・ワークショップを開催します。
静岡大学は、低コストで実現する「クラウド反転授業支援システム」を多くの大学に活用されるよう推進します。日本マイクロソフトは、幅広いマイクロソフト製品・サービスを提供することで、日本の大学教育におけるデジタルトランスフォーメーション推進を支援します。
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(*1) デジタルトランスフォーメーションとは
現在、テクノロジーの進化による第4次産業革命に世界中が関心を寄せています。デジタルトランスフォーメーションとは、クラウド、ビッグデータ、IoT、AI などの最新デジタルテクノロジーを活用してビジネスや経営の変革を進めることです。マイクロソフトは、「お客様とつながる」「社員にパワーを」「業務を最適化」「製品を変革」という 4 つの基軸でお客様のデジタルトランスフォーメーション推進を支援しています。
(*2) ラーニング・コモンズ とは
複数の学生が集まって、電子情報も印刷物も含めた様々な情報資源から得られる情報を用いて議論を進めていく学習スタイルを可能にする「場」を提供するものです。少人数から多人数、グループ学習や成果発表など多様な学習活動に対応可能な空間を用意するとともに、いずれの空間においても、開放性、透明性を高くすることが重要である。「見る」「見られる」という空間の中で、熱心に学習している姿が他の学生の学習意欲を刺激し、周辺への指導・教育効果の発現が期待できます。
(文部科学省ウェブサイトより引用)
(*3) アクティブ・ラーニング とは
伝統的な教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学習者の能動的な学習への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学習者が能動的に学ぶことによって、後で学んだ情報を思い出しやすい、あるいは異なる文脈でもその情報を使いこなしやすいという理由から用いられる教授法です。
(文部科学省ウェブサイトより引用)
(*4) 反転授業 とは
従来、教室で行われていた「知識伝授」の要素をビデオ化し、自宅にて学習し、従来、自宅で宿題を通して行われていた「知識の咀嚼」の要素を教室で行う教育形態です。教室で双方向の授業(アクティブ・ラーニング)を展開したり、学生の習熟度に応じて教員が指導をしたりできることにメリットがあります。
(文部科学省ウェブサイトより引用)
(*5) 授業動画の制作における低コスト とは
従来は、反転授業の実施における授業のビデオ化において、教員のビデオ制作の労力と費用が阻害要因になっていました。今回の「クラウド反転授業支援システム」では、教員一人一人の講義の動画化の労力と費用が大幅に下がりました。
(*6) クラウド反転授業支援システム とは
利用者のパソコンとクラウドサーバ上で動作する反転授業実現を支援するシステムです。利用者は、「PowerPoint」のアドイン(拡張機能)ツール「Office Mix」などにより低コストで簡単に授業動画を制作できる。クラウドサーバ上には、「コンテンツ管理システム」と「教材配信システム」が配置されます。利用者は、動画を含む教材を「コンテンツ管理システム」経由で登録するだけで世界中に動画、教材を配信することが出来ます。
(*7) 大学教育テレビジョン とは
静岡大学と日本マイクロソフトで開発した「反転授業支援システム」の Web サイト名称。「公開講座サイト」と「受講者限定サイト」の 2 種類があります。
(*8) Office 365 Education とは
日本マイクロソフトでは、教職員・児童・生徒・学生用の電子メール、ウェブ会議、ドキュメント編集、オンラインストレージなどのグループウェア機能をクラウド経由で利用できる Office 365 Education を、2012 年 6 月より、教育機関に対して提供しています。Office 365 は統合型情報共有クラウドサービスで、教育機関は、企業向けの Office 365 Enterprise と同じサービスを、無償で利用することが可能です。2016 年 9 月時点で 370 万人を超える教育機関のユーザーにご利用頂いています。さらに、Office 365 Education に含まれるクラウドストレージ OneDrive for Business は、1 ユーザーあたり 1TB の容量を無償で利用することが可能です。
(*9) OneNote クラス ノートブック とは
OneNote クラス ノートブックには、学生ごとの個人用ワークスペース、配布資料用のコンテンツ ライブラリ、授業やクリエイティブな活動のためのコラボレーション スペースがあります。
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【日本マイクロソフト株式会社について】
日本マイクロソフトは、マイクロソフト コーポレーションの日本法人です。マイクロソフトは、モバイル ファースト&クラウド ファーストの世界におけるプラットフォームとプロダクティビティのリーディングカンパニーで、「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)」を企業ミッションとしています。
日本マイクロソフトは、この企業ミッションに基づき、「革新的で、安心でき、喜んで使っていただけるクラウドとデバイスを提供する会社」を目指します。
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マイクロソフトに関する詳細な情報は、下記マイクロソフトWebサイトを通じて入手できます。
日本マイクロソフト株式会社 Webサイト http://www.microsoft.com/ja-jp/
マイクロソフトコーポレーション Webサイト http://www.microsoft.com/
* Microsoft、Azure、Office 365、OneNote、PowerPoint、OneDrive は、米国 Microsoft Corporation の米国及びその他の国における登録商標または商標です。
* その他、記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
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