Posted by: 岡部 一志
コーポレートコミュニケーション本部 本部長
最新のテクノロジを活用してビジネス変革を進めるデジタルトランスフォメ―ションにおける課題として、”デジタルスキルをもった人材の育成” という声がよく聞かれます。日本は、先進国の中でも若者のパソコン保有率が低く (*1)、30 歳以下の日本人の基本的なコンピューター技術能力も高くない (*2) という国際的な調査結果もみられます。先日公開したマイクロソフトによる調査 Microsoft Asia Digital Transformation Study においても、デジタルトランスフォーメーションの阻害要因のひとつとして「デジタルスキルを持った人的リソースの不足」が日本のビジネスリーダーに指摘されていました。特に、IoT や AI 時代に必要なプログラミングスキルにおいては、首都圏に集中する傾向があります。
地理的、経済的な理由に左右されず、全ての若者に社会参画、就労の機会を実現すべく、日本マイクロソフトは、若者支援を専門とする全国 40 法人(60 拠点)の NPO と連携し、「若者UP(事務局:認定 NPO 法人育て上げネット)」を行っています。この取り組みを通じて、年間約8千名の若者が基本的な事務作業からプログラミングまで、多様な IT スキルを身につけ、社会参画の第一歩を踏み出しています。これまでの事例として、「5 年間の引きこもりを含む 8 年間の無業生活から、夢を持てる会社に入社(31 歳・男性)」「高卒後 10 年間のフリーター生活を経て念願のプログラマへ」があります。
一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ」(*3) という「働き方改革」。若者 UP では、株式会社ダンクソフト(代表取締役 星野 晃一郎社長)と連携し、これまでもテレワークチャレンジとして、北海道別海町への「別海留学」、徳島県神山町への「視察ツアー」を行うことで、時間・空間を超えての新しい働き方を通じた若者支援に取り組んできました。そのような中で、今週新たに行ったパイロットプログラムが「オンラインインターン」です。
2017 年 3 月 6 日~10 日まで、4 名の若者が、ダンクソフトの社員にテレワークについてのインタビューを行って原稿を書きあげ、テレワークについての見識も深めつつも場所・時間の制約を超え、オンラインで仕事をする原体験を味わいました。
「インターンシップとは、居住地から通える範囲で行う、または、遠方であれば宿泊を伴うなど、若者、企業双方にコストが発生します。オンラインインターンシップは、地理的、経済的、物理的な制約を低減させることによって、より多くの若者と企業に出会いの場を創出する取り組みであると考えています。」(認定NPO法人育て上げネット 工藤理事長)
「ダンクソフトとしては、若者 UP の取り組みで優秀な人材を確保できたので、別海町に続けてこれを社会に認知させ、より多くの企業が若者を採用できるべく支援かつ、自社での採用の可能性を模索しています。テレワークを利用すればより多くの機会が時間、場所の制約を超えて増えていくのでこのスタイルをいろいろな地域に展開していければと思っています。」(株式会社ダンクソフト 星野社長)
働き方改革が叫ばれるなか、テクノロジを活用して柔軟な働き方に取り組む企業が増えてきています。若者 UP では今後も、今回のパイロットでの経験を活かし、多様な働き方を経験する若者が、新しい働き方を提示する企業に目を向けていく機会になること、そして企業側にも多くの若者との接点が生まれることを期待し、取り組んでいきます。
(*1) 平成 25 年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査:http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/thinking/h25/pdf_index.html
(*2) 経済協力開発機構(OECD)2015 年の技能展望レポート:http://www.oecd.org/internet/oecd-digital-economy-outlook-2015-9789264232440-en.htm
(*3)首相官邸:
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/hatarakikata.html
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