(第 2 報) マイクロソフトのクラウドサービスの継続性に関する最新情報

Microsoft Azure

※このブログは、米国時間 3 月 28 日に公開された ”Update #2 on Microsoft cloud services continuity” の抄訳です。

先週情報を更新した後も、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の世界的なパンデミックは、規模を問わずさまざまな組織とその従業員やお客様に影響を与え続けています。これまでにないような状況の中、マイクロソフトでも社員総出でお客様をサポートしようと手を止めずに働き、事業継続に必要なクラウドサービスを提供しています。その中でも特に、世界中の重要な健康安全組織が継続して運営できるようサポートしているのは言うまでもありません。同時に、マイクロソフトのサービスでつながりを保ち、リモートで仕事や遊びをする何億人もの人々をサポートする取り組みにも力を入れています。

CEO のサティア ナデラ (Satya Nadella) は、「このような時は、誰もが何か貢献できるということを実感し、コミュニティとして集結することの重要性を再認識します」と述べています。こうした社会的混乱の最中において、マイクロソフトでは、すべての人がこの状況を乗り越えられるよう支援することに注力するという確固たる思いを持っています。

今週の最新情報では、お客様やパートナーから寄せられた一般的な質問と、これらの貴重な問い合わせに対する知見を紹介したいと思います。緊急のご要望については、以下のリソースを参照してください。

Azure Service Health – お客様のワークロードに影響を与えている問題のトラッキングや、Azure Service Health に関する情報へのリンクです
Microsoft 365 Service の健全性と継続性 – Microsoft 365 Service の健全性に関するトラッキングやサービスの情報ついて書かれています
Xbox Live – ゲームやサービスの状況がトラッキングできます

過去 1 週間で何か変わったことは?
医療機関が人と距離を置くことが重要だと強調したことから、こうした状況に対応する Microsoft Teams や Windows Virtual Desktop、Power BI といったサービスの利用が増加しました。

  • 感染拡大を防ぐために物理的な距離をとる“ソーシャルディスタンシング”や、外仏禁止令が出ているイタリアでは、通話や会議でのTeams利用が 1ヵ月で775% 増加しました。
  • Teams の利用が急増し、現在 1 日あたりのユーザー数は 4,400 万人を超えています。1 週間の数字を見ると、ミーティングや通話に費やされた時間は 1 日 9 億分以上にのぼりました。Teams に関するデータについては、こちらのページをご覧ください。
  • Windows Virtual Desktop の利用が 3 倍以上に増加しました。
  • 米国政府が一般向け Power BI を使って市民に COVID-19 ダッシュボードを公開したところ、1 週間で 42% 利用が急増しました。

優先順位の基準に変更は?
先週お伝えした優先順位の基準は変更していません。今でもマイクロソフトにとっての最優先事項は、重要な健康安全組織をサポートすることと、リモートワーク中の人たちが Teams のコア機能を活用して仕事を継続できる状態にしておくことにあります。

この期間は特に、以下に対する最高レベルのモニタリングを実行しています。

  • (消防、救急医療サービス、警察派遣システムなど) 現場で初期対応するファーストレスポンダー
  • 緊急のルーティングおよびレポーティングアプリケーション
  • 医療用品管理および配送システム
  • 事故や火災などの問題を緊急対応チームに知らせるアプリケーション
  • ヘルスボット、健康診断アプリケーションやウェブサイト
  • 健康管理アプリケーションと記録システム

この優先順位による他の Azure ユーザーへの影響は?
マイクロソフトでは、すべてのお客様にできるだけ最高の体験をバランス良く提供できるよう、一時的に制限を設けています。まず、既存のお客様の容量を優先するため、無料版に制限を設けました。また、新規サブスクリプションに対しても、特定のリソースを制限しています。これは柔軟な割り当て制限ですので、制限量を上げるようリクエストを出すことが可能です。リクエストにすぐに対応してもらえない場合は、需要の急増が緩やかな別のリジョンの利用を検討してください (マイクロソフトでは 54 のリジョンでサービスを稼働しています)。需要の急増に対応できるよう、マイクロソフトは適切な地域に新たな容量を追加できるよう迅速な取り組みを進めています。

サービスの中断は?
需要が大幅に増えたにもかかわらず、大規模なサービス障害は発生していません。先週の利用急増により、一部の地域 (欧州北部、欧州西部、英国南部、フランス中央部、アジア東部、インド南部、ブラジル南部) で需要が急激に高まり、これら地域の一部のコンピュートリソースタイプのデプロイ成功率が通常の 99.99% を下回ることがありました。

大半のデプロイは成功していますが (そのため、割り当てに失敗したお客様には再度デプロイするようお勧めしています)、繰り返し問題が発生するお客様には確実に関連する対応策が受けられるような仕組みを用意しています。こうした短期的な割り当て不足をサービスインシデントとして扱い、影響を受けたお客様に Azure Service Health を通じて対象となるアップデートと対応策を送信します。これは、既知のプラットフォームの問題に対しては標準的なプロセスとして実施していることです。

サービスインシデントをお客様やパートナーにお知らせする方法は?
マイクロソフトでは、対応やお知らせの方法を管理する標準的な運用手順を用意しています。影響を受けたお客様とパートナーには、Azure ポータル内の Service Health エクスペリエンスおよび Microsoft 365 管理センターのいずれか、または双方に通知が行くようになっています。

容量制限の防止に向けた施策は?
マイクロソフトでは、数週間以内に新規容量を大幅に追加できるよう迅速な取り組みを進めています。同時に、サポートリクエストを監視すると共に、お客様のスケジュールや要件に応じて必要があれば別のリジョンや代替となるリソースタイプを検討するよう伝えています。需要緩和に向けたこれらの取り組みを実施しても不十分となれば、断続的にデプロイ関連の問題が発生する可能性があります。このような状況に陥った場合、影響を受けたお客様には Azure Service Health にてお知らせします。

Teams のエクスペリエンスに変化は?
世界中の Teams ユーザーを支え、新たな成長と需要に対応するため、あまり必要でない機能を一時的に調整しました。対象となった機能は、ユーザーの状況を確認する頻度や、相手が入力していることを表示する間隔、ビデオの解像度などです。これにより、エンドユーザーの日々のエクスペリエンスが大きく変わることはありません。

Xbox Live による Azure の容量へのしわ寄せは?
マイクロソフトでは、世界中のゲーマーに最適なサービスを提供できるよう、頻繁にパフォーマンスと利用トレンドを監視しています。同時に、使用量が高まる時期に備え、パートナーとなるパブリッシャーと慎重に施策を検討し、高帯域幅を必要とするゲームのアップデートなどをオフピーク時に配信するといったように、積極的な計画を立てています。

家庭内ブロードバンドがサービス継続性や容量に与える影響と、ISP による取り組みは?
マイクロソフトでは、世界中の ISP と定期的に連絡を取り合い、必要に応じて容量を増強できるよう積極的に取り組んでいます。特に、日中のネットワークパフォーマンスを高められるよう、ビデオからの帯域幅を削減する施策を進める複数の ISP と協議しています。

今後も Microsoft Azure ブログでは、定期的に最新情報を提供する予定です。

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