日本のお客様からの学び

Microsoft 365 担当 コーポレートバイスプレジデント ジャレッド スパタロウ (Jared Spataro)

※ このブログは、米国時間 4 月 21 日に公開された ”Learning from Our Customers in Japan” の抄訳をベースにしています。

COVID-19 (新型コロナウイルス感染症) の危機が広がる中で、マイクロソフトは、お客様のリモートワークやリモート授業への移行をご支援できることを光栄に思います。イタリア中華圏など、大きな影響を受けている地域のお客様は、この困難な状況において、仕事、学校、生活を続けるために、たくさんの新しい方法を探求しています。私たちは、そうしたお客様のストーリーを引き続きご紹介していきます。

今回は日本のストーリーをご紹介します。日本は 4 月 7 日~5 月 6 日まで緊急事態宣言のもとにあります。COVID-19 により、この春の日本の伝統行事も大きな影響を受けました。第 92 回選抜高等学校野球大会は中止となり、大相撲三月場所は無観客で開催されました。また、日本の春はお花見の季節でもありますが、今年は家族、友人、同僚と満開の桜を見ながら歓談する機会は失われました。

私の同僚の山崎 善寛(日本マイクロソフト株式会社 Microsoft 365 ビジネス本部 本部長)は、今回の経験から多くの学びがあったと次のように話しています。「自宅から働くことで、通勤や会議室間の移動が減るなど、効率化できたのは確かですが、仕事と生活の切り替えの難しさや、長時間オンラインでいることがオーバーワークにつながりやすいことなどを実感しています。また、自宅でオンライン会議が連続すると、自宅にいる家族の行動も制限することになりますので、会議の時間を 60 分でなく、30 分で設定するなどして、日中の勤務時間をできるだけ柔軟にして、子どもたちが学校から配布された教材や課題を一緒に進める時間を作り出したりしています。」

日本マイクロソフトのお客様が、どのようにして、このニューノーマルに適応しようとされているのか、ご紹介していきます。

■ 教育機関のお客様
2 月 27 日に政府が、全国すべての小学校・中学校・高等学校・特別支援学校に 3 月 2 日からの臨時休業を要請したことを受け、日本の多くの教育機関が 5 月上旬まで臨時休校となっています。国立大学法人 千葉大学教育学部附属小学校では、臨時休校中の遠隔授業のプラットフォームとして、また、児童と学校がつながるコミュニケーションの場として Teams を導入し、全児童に Teams のアカウントを配布しました。休校前最終日の午前中に児童用のアカウントを取得し、午後に放送室から全教室向けに Teams の使い方を説明するためのライブ配信を行いました。準備期間は 1 日だけでしたが、現在では 5 年生の家庭科の料理の授業から、1 年生の図画工作の授業まで、すべて Teams の上で行われています。授業だけでなく、ビデオ通話機能を利用してホームルームを行ったり、お昼ご飯を一緒に食べたり、様々な場面で Teams を活用しています。同校の情報系を担当する生活・総合準専科の小池 翔太 教諭は、「学校の授業ではあまり発言しなかった児童がオンラインでは積極的に発言していたり、児童からも、学校であまり話す機会が無かった友だちとオンラインでよく会話するようになったという声を聞いたりします。テクノロジーが人のコミュニケーションの幅を広げることに、大きな可能性を感じました」と話しています。

今年学校を卒業した学生にとって、大切な卒業式はこれまでと全く異なるものとなりました。COVID-19 で臨時休業している学校は、卒業式を中止したり、保護者などのゲストを入れずに実施したりしました。 京都にある立命館小学校では、日本マイクロソフトの技術支援のもと、Teams のライブイベント機能を使って、卒業式を保護者にライブ配信しました。立命館小学校英語科 正頭 英和 教諭は、「Microsoft Teams によって、COVID-19 のネガティブな影響を、ポジティブなものに変え、新たな気持ちで新年度に臨むことができました。卒業式のライブ配信は、本校にとっても画期的な取り組みになりました」と話しています。立命館小学校のライブ配信の詳細はこちらを参照ください。

■ 自治体のお客様
大阪市では、全庁での利用に加え、4 月に入庁した数百人の新採用職員の研修やオリエンテーションに Teams を活用しています。ICT 戦略室と人材開発センターで協力して研修用の動画を Teams 会議の録画機能を活用して作成し、その動画を Microsoft Stream を使って配信・閲覧する仕組みを作りました。また、政府の要請に応じて一部の職員でテレワークを実施しており、テレワークを行う職員はスマートフォン・タブレットでも Teams を使っており、メッセージ機能等を職員間のコミュニケーションに利用しています。

熊本市では、危機管理防災総室の対策本部において、COVID-19 に関する情報収集と共有のプラットフォームとして Teams を活用しています。最前線で働かれている保健所職員の支援のために、対策本部と保健所間で Teams 会議を接続し、状況の確認や支援についてコミュニケーションするのに加えて、熊本市内の最新情報を Teams 上で共有し、刻々と変わっていく状況に合わせて関係者がスピーディーに正確な情報を得られるようにしています。また、消防局でも COVID-19 に関する最新情報の共有に Teams を活用しています。

■ 医療機関のお客様
亀田総合病院では、医療現場の働き方改革を基盤とした亀田スマートホスピタル構想で Teams の活用を推進しており、総合内科を中心に平常時より進めてきた Teams のカンファレンスでの活用について、特にコロナ対策として人同士の接触を最小限に抑えるツールとして適用の拡大を進めています。症例を話し合う医局のカンファレンスにおいて、濃厚接触にあたる従来の会議室集合型からシフトし、Teams 会議でのバーチャルな実施で安全に意思決定を進めるために活用されています。さらに、Teams 専用の会議室据置型端末 Teams Rooms を導入することで、オンライン会議の際に会議室のホワイトボードをコンテンツカメラで取り込み、ディスカッションを行うなど、集合形式と変わらない効率と COVID-19 対策強化の両立を目指して実証を進めています。Teams Rooms の詳細はこちらを参照ください。

■ 製薬業・製造業のお客様
第一三共株式会社では、2 月 28 日から開始した全社在宅勤務に合わせ、Microsoft Teams のアカウントを全社員に一斉配布し利用を開始しました。 Teams を活用し社員の安全を確保しながら、患者、そして医療現場に必要な医薬品を安定供給し続けています。このような前例の無い非常事態時においても、お客様が迅速に対応されているのは素晴らしいことです。そして、Teams の利用が初めてにも関わらず、8,800 人の従業員がすぐにバーチャルなコラボレーションを開始し、在宅勤務初日から生産的な仕事を続けています。

サントリーホールディングス株式会社では、Microsoft Teams が COVID-19 対策における在宅勤務施策において、重要な役割を果たしています。一部の部署では、Teams 会議を常に接続しているため、必要に応じて連絡を取り合うことができ、バーチャルオフィスにいるかのようにコミュニケーションを取ることができていたり、他の部署では、在宅勤務の課題である健康増進やコミュニケーション強化の観点から Teams を活用している例もあります。さらに同社では、Teams をより深く知るために、イントラネットサイトで紹介記事を掲載し、さらなる活用の促進を進めています。

マイクロソフトは、お客様のリモートワークやリモート授業への移行をご支援できることを光栄に思います。仮想クラスルームで生徒とつながる先生から、スマートフォンで迅速に連携するタスクフォースまで、皆さまの活躍が、この困難な状況において、弾力性と創造性の強さを示しています。

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