未来の仕事と学びのためのバーチャルコラボレーションの再創造

※ 本ブログは、米国時間 7 月 8 日 に公開された “Reimagining virtual collaboration for the future of work and learning” の抄訳です。

私たちは変曲点に至っています。COVID-19 に対する世界中の対応が変化する中で、世界中のコミュニティが、「あらゆるものをリモートに」という段階から、よりハイブリッドな仕事、学習、生活のモデルへと移行しています。私たちがその取り組みを進めるまさにその眼前で、未来の仕事と教育が形作られつつあります。ここ数カ月、マイクロソフトはお客様によるツールの活用法を学んできました。また、未来の仕事を理解するために、仮想現実、AI、プロダクティビティ分野の専門家とも連携してきました。これらの研究成果はこちらで公開されており、今日、そして、将来において人々を支援するテクノロジを設計する上の指針になっています。

本日、マイクロソフトは、バーチャルな対話をより自然で、魅力的で、最終的には人間的なものにするための Microsoft Teams の新機能を発表します。これらの機能は仕事および勉強をする人々にとって大きく 3 つの利点を提供します。第一に、チーム内の結束感を強めると共に会議の負担を軽減します。第二に会議をより多様性に富み魅力的なものにします。第三に仕事を効率化し、時間を節約します。これらはすべて、あらゆる場所の人々がコラボレーションし、つながり、どこにいても生産的になれるよう支援するための機能です。以下で詳細を見ていきましょう。

結束感を強め、会議の負担を軽減

Together モード – 今まで以上に人々がバーチャル会議を実施する中、マイクロソフトの研究では、多くの人々がリモートワークへの移行により結束感を失い、オンライン会議では対面の会議よりも疲労を感じることが判明しています。Together モードは、Teams における新たな会議体験であり、AI セグメンテーション テクノロジにより参加者を共通の背景上に置くことで、会議や授業で同じ部屋にいるかのように感じさせてくれます。Together モードによって会議に集中できるようになり、他の参加者の表情やボディランゲージにフォーカスしやすくなり、人間のやり取りにおいてきわめて重要な言語によらない合図に気づくことが容易になります。誰が話しているかが容易にわかるため、ブレーンストーミングやラウンドテーブルのような、複数の人々が話す会議に最適です。観客席のような表示となる Together モードは今から展開が始まり、8 月には一般利用可能になります。また、将来的に Together モードの種類を追加していく予定です。

ダイナミックビュー – Together モードはまったく新しい会議の体験を提供しますが、あらゆる会議に向くわけではありません。人々が日々活用している従来型のビデオ会議も、より魅力的でダイナミックなものにすることができるのです。ダイナミックビューと呼ぶ一連の機能強化により、会議の共有コンテンツや他の参加者の見え方をよりコントロールできるようになり、AI により共有コンテンツやビデオ参加者が ダイナミックに最適化されます。新しいコントロール機能により、好みやニーズに合わせて見え方をパーソナライズ可能になり、たとえば、共有コンテンツと特定の参加者を横並びで表示できるようになります。ダイナミックビューは、最大 49 人の会議参加者を同時に表示できるラージギャラリービュー (8 月に展開開始)、そして、会議参加者をブレーンストーミングセッションやワークグループ向けの小規模グループに分割できるバーチャルブレークアウトルームといった、先月に発表された機能強化に基づくものです。

ダイナミックビュー
ラージギャラリービュー

ビデオフィルター – 写真撮影やソーシャルメディアアプリで使われるビデオフィルター機能には誰もがなじみがあるでしょう。この機能を Teams でも採用しました。会議に参加する前に、自分の外観をカスタマイズするために、照明のレベルを微妙に調整したり、カメラのフォーカスをソフトにしたりすることができます。

Reflect メッセージング拡張 マイクロソフトの調査では、生産性よりも従業員の健康が今まで以上に重要と考えられています。人々を健康で、幸福で、仕事に集中できる状態にするためには、思いやりを感じさせる環境の構築が重要です。新たに提供される Reflect メッセージング拡張により、マネージャーやリーダー、教師は、チームや学生たちが、一般的なことからワークライフバランス、プロジェクトの進捗、現在のイベント、組織内の変更などの特定のトピックについてまでを、どのように感じているかを容易に確認できます。IT 管理者は、Reflect メッセージング拡張を GitHub からインストールし、メッセージ拡張メニューにおいて組織内の従業員が使用できるようにできます。インストール後は、チェックイン時に質問をサジェストしたり、チームメンバーが投票のような形で回答できる独自の質問を追加したりできるようになります。また、マネージャーや教師は投票の結果を匿名にすることもできます。Reflect メッセージング拡張は今後数週間内に提供されます。

会議をより参加しやすく、魅力的で効果的なものに

ライブリアクション オンライン会議では、微笑や頷きなどの非言語の合図に気付きにくいため、発表者が聴衆の反応を把握したり、大規模な会議の参加者が会議の流れを中断することなく感情を共有したりすることが困難です。まもなく、会議中に全参加者に見えるよう、絵文字を使って反応できるようになります。ライブリアクションは、PowerPoint Live Presentation と共通の機能であり、聴衆が発表者に対して即時にフィードバックできるようにしてくれます。また、将来的には、PowerPoint Live Presentations Teams に取り入れる予定 であり、Teams 内の聴衆のエンゲージメントをさらに深められます。

チャットバブル – オンライン会議において、チャットは対話やアイデア交換のための活発な場を提供し、声を出して発言することなく対話に参加するための選択肢を提供します。しかし、ビデオやプレゼンテーション、チャットのすべてに同時に注意を払うのは困難です。現在、Teams のユーザーは、チャット画面を見るために手動でチャットウィンドウを開く必要があります。しかし、まもなく、Teams の会議中に送られたチャットが全参加者の画面に自動的に表示されるようになり、対話においてチャットがより重要視されるようになります。

ライブキャプションとライブトランスクリプトの発言者名表示 既に Teams は、会議中の発言に追随しやすくするためにライブキャプション機能を提供していますが、まもなく、字幕に発言者名が表示され、誰が話しているのかが容易にわかるようになります。年内に提供される予定のライブトランスクリプト機能は、誰が何を言ったかを把握するためのもう 1 つの手段を提供します。会議終了後、トランスクリプトファイルが会議の一部としてタブに自動保存されます。

注記: 会議室デバイスから会議に参加している参加者の発言には、発言者個人ではなく、会議室名が表示されます。

発言者表示機能を備えたライブキャプション
発言者表示機能を備えたライブトランスクリプション

1,000 人の参加者、そしてそれ以上にも対応したインタラクティブな会議 大規模な会議や授業において多数の人々が参加することが重要な場合があります。参加者がチャットし、ミュート解除して発言し、リアルタイムなコラボレーションのためビデオをオンにする、よりインタラクティブな会議において、Teams は最大 1,000 人の参加者に対応できるようになってきています。プレゼンテーションや議論を視聴する人々をさらに多く集める必要があるときには、視聴だけの会議形態で、Teams は最大 20,000 人の参加者に対応できます。

Microsoft Whiteboard のアップデート 視覚的なコラボレーションツールは、会議をより効果的で参加しやすいものにします。まもなく、Teams の Whiteboard がアップデートされ、ロード時間の短縮や付箋、テキスト、ドラッグアンドドロップ機能などが追加されます。これらの機能により、タッチスクリーンや Surface Hub を使用していないチームメンバーも Teams 会議のホワイトボードでのセッションに参加できるようになります。

仕事を効率化し、時間を節約

タスク アプリ 今月から展開される Teams 内のタスク アプリは、Microsoft To Do、Planner、Outlook を横断してタスクを閲覧する機能を提供します。”Assigned to me” (私の担当) などのスマートリストにより、デスクトップでもウェブでもモバイルでもタスクが一括管理できます。チャネル内のタブとしてタスクを追加し、新しいリストビューによりなじみのある Planner のタブの体験を得ることができます。

返信のサジェスチョン – ワンタップでメッセージを送ることができます。Teams の返信サジェスチョン機能は、AI を活用して、今までのメッセージの内容に基づいた短い応答を生成します。次に誰かが「今日会える時間はある?」と聞いてきた時には、「もちろんです!」とキーボードを操作することなく返信できます。この機能は今月から展開されます。

Teams 内の Cortana – AI と Microsoft Graph を使った音声アシスタンスを提供する Cortana が、まもなく Teams のモバイルアプリ内で提供されます。両手が塞がっている場合でもチームとのコミュニケーションが可能なように、Cortana は電話発信、会議への参加、チャットメッセージの送信、ファイル共有などの機能を提供します。これらの音声アシスタンス体験は、Microsoft 365 のプライバシー、セキュリティ、コンプライアンスの基準に即した、Cortana エンタープライズサービスにより提供されます。Teams の iOS および Android 版のモバイルアプリ内の Cortana は、今後数週間で米国の Microsoft 365 Enterprise ユーザー向けに英語で提供されます。

Microsoft Teams ディスプレイ 組織は、従業員が効率的な自宅でのオフィススペースを構築できるようにすると共に、オフィスに戻ってきた時の準備をする必要もあります。この状況を支援するために、マイクロソフトは、アンビエントなタッチスクリーンと Cortana によるハンズフリー操作を備えた、新カテゴリーの一体型 Teams 専用デバイスである 新しい Microsoft Teams ディスプレイを発表します。ユーザーは、自然な話し言葉を使って Cortana による会議への参加や発表、Teams チャットへの返信などを行なうことができます。このデバイスは、PC とシームレスに統合され、Teams のチャット、会議、電話、カレンダー、ファイルへの容易なアクセスを提供します。カメラのカバーとマイクのミュートスイッチを搭載しているため、プライバシーを守ることもできます。 Lenovo ThinkSmart View が、市場に投入される最初の Microsoft Teams ディスプレイとなり、Yealink もこのカテゴリーの製品を提供予定です。Cortana を備えた Microsoft Teams ディスプレイは年内に米国で提供開始されます。

タッチレスの会議体験 一部の人が職場に戻り始める中、共用スペースにおけるタッチレスの会議体験が今まで以上に重要になっています。現在、Teams では自分のモバイルデバイスや PC から会議に参加したり、会議室デバイスにコンテンツを共有したりすることができます。年内には、この機能が Surface Hub でも利用可能になります。この機能は、会議からの退出、ミュート設定、音量調整、カメラのオンオフなどのコントロール機能を提供する、Teams モバイルアプリの新たなルームリモート機能をベースにしています。年内より、Microsoft Teams Room デバイス向けに音声アシスタントが利用可能になり、室内の参加者が Cortana に会議の参加や退出を依頼したり、アドレス帳の名前や電話番号から参加者を会議に追加したりすることなどが可能になります。また、Teams Room、コラボレーションバー、Surface Hub のデバイスに対して無線キャストの機能を追加し、共用スペース内の人々にシームレスな対面型のコラボレーション機能を提供します。

注記: 音声アシスタントは、当初、米国の Microsoft 365 Enterprise のユーザー向けに英語で提供されます。提供開始時点では一部の Teams Room オーディオデバイスが音声アシスタントに対応します。

 

Microsoft Teams デバイス向けのルームリモート

特に記載がない場合には、これらの機能すべて今年の後半に展開される予定です。

これらはすべて、仕事の未来に対するマイクロソフトのビジョンを反映したものです。すなわち、誰もが貢献し、最善の仕事をできる場、異なる体験、アプリ、デバイスの間を自由に行き来できる場、作業の効率化やショートカット、時間の節約のために AI が手を貸してくれる場、そして、テクノロジが人々の健康を損なうのではなく、向上してくれる場を提供するということです。

プロジェクトの開始から終了までのあらゆる時点で、Teams は人々が集まり、仕事を完遂するための場となります。お客様との協力により、マイクロソフトは、仕事の未来を再創造し、あらゆる体験の中心に人間を置くテクノロジを提供していきます。

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