登壇者も視聴者も Microsoft Teams でオンライン参加 “完全リモート化” を実現した 3 社共同記者発表会の舞台裏

新型コロナウイルス (COVID-19) 感染拡大防止の観点から、企業が開催する説明会やイベント、記者発表会はインターネットでライブ配信するオンライン化の動きが拡大しています。こうしたオンラインイベントの場合、多くは会場に登壇者や関係者が集まり、無観客で開催するのが一般的ですが、株式会社 長谷工コーポレーション、株式会社アウトソーシングテクノロジー、日本マイクロソフトが建設・不動産業界における生産性改革推進を発表した記者発表会では、登壇者もオンラインで参加する “記者発表会の完全リモート化” を実現しました。今回は、この発表会の舞台裏をご紹介します。

  • 司会しかいない発表会の会場、登壇者は大画面の Surface Hub 2S に表示

7 月 6 日 (月) に開催された発表会の会場となったのは、日本マイクロソフトの「Azure Daikanyama Base」(東京都渋谷区)。しかし会場には、司会者と配信スタッフしかいません。登壇する株式会社長谷工コーポレーション 取締役常務執行役員の楢󠄀岡祥之様、株式会社アウトソーシングテクノロジー 代表取締役社長の茂手木雅樹様、そして日本マイクロソフト 執行役員 常務 クラウド&ソリューション事業本部長 兼 ワークスタイル変革推進担当役員の手島主税の席に用意されているのは、インタラクティブホワイトボード「Surface Hub 2S」。3 台の Surface Hub 2S を各登壇者と Microsoft Teams会議で接続し、登壇者はそれぞれのオフィスなどから発表会に参加しました。

そして、Azure Daikanyama Base には 3 名の Teams 会議の画面をまとめるための PC、会場の映像をライブ配信するための PC、プレゼンテーション資料を表示するための PC、バックアップ用の PC、映像録画用の PC、会場の模様を撮影するカメラ、音声のミキサーや映像切替え用のスイッチャーなど様々な機材を用意。Azure Daikanyama Base を「配信基地」と位置づけ、リモートで参加する登壇者の映像や会場の映像をとりまとめ、Microsoft Teams ライブイベントによる配信を実現しました。

4K+ (3840 x 2560) に対応した 50 インチの大型ディスプレイを備える Surface Hub 2S と、登壇者が使用する Surface Book 3 の内蔵カメラの高精細な映像によって、会場ではまるで登壇者がその場に着席しているような空間を実現。リモートで参加していることを忘れさせるような臨場感のある映像を配信できました。

登壇者 3 名がオフィス等から Teams 会議で発表会に “リモート登壇” し、Azure Daikanyama Base の会場映像と組み合わせて、Teams ライブイベントで配信した
大画面の Surface Hub 2S に映し出された映像によってリモート参加を感じさせない臨場感を実現した
配信スタッフのテーブルには様々な役割を与えたノート PC や映像機材、音声ミキサーなどが並ぶ 機材の調整や各登壇者との接続テストは直前まで行われた
  • 記者からの質疑応答やフォトセッションも Microsoft Teams で実施

今回の発表会では、長谷工コーポレーションとアウトソーシングテクノロジーが日本マイクロソフトの技術協力のもと共同開発した、マンションの外壁タイル打診検査のための、Mixed Reality (MR、複合現実) ソリューション『AR匠RESIDENCE』のリリースを発表。従来は 2 名 1 組で打診検査、写真撮影、報告書作成などを行っていた外壁タイル打診検査に、MR とクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」を活用することで、検査の作業工数を大幅に削減するほか報告書も自動生成。株式会社長谷工リフォームが建物診断を行う関東エリアに 2020 年 7 月から導入し、順次全国へ活用を広げていくのに加えて、アウトソーシングテクノロジーは、他の建設・リフォーム会社に対しても販売受付とトライアル運用を開始する予定です。株式会社長谷工コーポレーション 取締役常務執行役員の楢󠄀岡祥之様は、今回の取り組みについて次のようにコメントしています。

「マンションの点検・診断といった作業では、検査結果を図面に書き込むというアナログな方法が取られており、点検・診断の図面化工数が多い、診断結果報告書の作成業務の割合が大きい、報告書提出まで一定の時間を要するといった課題があった。今回、建物診断業務全体の約 30% 削減が期待できる『AR匠RESIDENCE』を共同開発し、点検・診断業務の生産性改革を推進していく。また新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からも建物診断時の検査員を削減でき、マンション居住者様の安全・安心にも繋がるほか、今後はデータを活用することでマンション管理組合にも新たな価値を提供できるものと期待している」

発表内容の詳細は下記をご覧ください。
https://news.microsoft.com/ja-jp/2020/07/06/200706-promoting-productivity-reform/

この発表会に参加した報道関係者と 3 社の関係者は、各登壇者のプレゼンテーションを Microsoft Teams で視聴しました。発表内容に関する質問は、視聴画面に用意された「質問ボックス」からリアルタイムに寄せることができ、発表会の最後には各登壇者が質問にお答えする質疑応答が行われました。

共同発表会では恒例のフォトセッションでは、会場で撮影しているカメラの映像や Microsoft Teams 上に 3 名の登壇者を表示した映像のスクリーンショットを、参加者が各自でキャプチャーする形式で実施。また、今回の発表内容にちなんで登壇者 3 名が HoloLens 2 を装着したカットも実施しました。登壇者の背景には、Microsoft Teams の背景差し替え機能を使って各社のロゴを表示しました。

フォトセッションでは Microsoft Teams 上に登壇者 3 名の姿を表示
フォトセッションでは「HoloLens 2」を装着したカットも用意された

なお、今回このような完全リモートでのイベント開催について、発表会の司会を務めた株式会社長谷工コーポレーション 広報部 担当部長の石永英丈様は「今回の視聴者からは “まるでテレビニュースのようだった”、”とても分かりやすかった” といった反応が聞かれ、新しいテクノロジにより記者発表会の新しい形を実現できたと感じています。新型コロナウイルス感染症の影響を配慮してこのような開催方法となりましたが、今後は参加者の所在地を選ばずに、広く情報が届けられるという利点を活かし、日本全国、そして世界の記者を対象にしたオンライン記者発表会を実現する日も近いのではないでしょうか。」とコメントしています。

この発表会では、従来は会場に集まりプレゼンテーションなどを行っている登壇者も Microsoft Teams を活用してリモートで参加したことで、一か所に集まる関係者を最小限に抑えることができ、新型コロナウイルス感染拡大防止と、新しい形の情報発信の機会を、より充実させて両立できました。現在様々な企業・団体が「新型コロナウイルス感染拡大防止に配慮した形でどのようにイベントを開催すべきか」という課題に挑まれています。日本マイクロソフトでは最新テクノロジを活用したお客様のご支援に引き続き取り組んでまいります。

本ページのすべての内容は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。正式な社内承認や各社との契約締結が必要な場合は、それまでは確定されるものではありません。また、様々な事由・背景により、一部または全部が変更、キャンセル、実現困難となる場合があります。予めご了承下さい。

関連記事