FY21 日本マイクロソフト 新年度経営方針について

日本マイクロソフト株式会社 (本社: 東京都港区) の 2021 会計年度 (2020 年 7 月 ~ 2021 年 6 月) における経営方針について、概要を以下のとおりご紹介します。

社会全体に影響を与えた新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) により、産業の様々な場面でデジタルトランスフォーメーションが加速しました。その一方で、日本社会においては、まだまだデジタルトランスフォーメーションが必要である、との再認識が広まったと言えます。

こうした中で、日本マイクロソフトは、企業ミッション「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)」に基づき、“Transform Japan, Transform Ourselves” を目標に掲げて、日本の社会変革に向けたデジタルトランスフォーメーションを推進していきます。

当社は、ビジネス目標の達成のみならず、経済の再生や社会の活性化に貢献します。また、こうした活動は、一朝一夕に実現するものではなく、中長期的に取り組む必要があります。そこで、このたび 4 年を目処とした中期の経営方針を以下のとおり定めました。

デジタルトランスフォーメーション分野

政府・自治体のデジタルトランスフォーメーション

クラウドを活用したデジタルガバメントの実現に貢献します。業務をデジタル化し、そこから発生するデータの一元化と基盤の構築を支援します。さらに、データを活用した行政を横断するコミュニケーション基盤の確立を進めます。

市場・お客様のデジタルトランスフォーメーション

すべての産業において、デジタルトランスフォーメーションは喫緊の課題ですが、今年度は、まず新型コロナウイルス感染症に影響を特に受けた分野に重点的に取り組みます。

データを主軸に、①現場からデータを取得し集約する、②データを統合・分析してインテリジェンスを生み出す、③アクションを起こす、といった「デジタルフィードバックループ」に基づいて、継続的な変革を支援します。主な例は以下のとおりです。

  • 物流業: トラックや配送拠点、ドライバーや荷物など、膨大なデータを Microsoft Azure 上に集約し、AI などを活用した分析で配送ルートやオペレーションを最適化。業務の効率化やコスト削減による競争力強化に貢献するとともに、希望する場所とタイミングで荷物を受け取れるサービスなど、新たなサービスの提供を支援します。
  • 製造業: IoT を活用し、製造現場のデータを収集して、生産の進捗に加えて、設備の稼働状況、作業員の動作などを可視化して分析するスマートファクトリーや、Dynamics 365 Remote Assist と HoloLens 2 などのエッジデバイスを活用して、現場とオフィスをシームレスにつなぎ、リモートでのメンテナンス作業を支援するソリューションを提供します。
  • 流通業: COVID-19 の影響を受けた消費者行動の変化による店舗販売や、サプライチェーンに関して、店舗や配送のスマート化を支援します。商品を配送するトラックのルートを機械学習で効率化したり、店舗内にセンサーを設置して、AI による画像認識と行動認識を用いて利用者がどの商品を手にしたかを分析したり、店舗の混雑状況を把握し、店舗内が過密にならないよう入り口で注意喚起するなど、ニューノーマルに向けた支援を行います。
  • 中堅中小企業: 国内企業数の 9 割以上を占める同市場のデジタルトランスフォーメーションが非常に重要です。まずは、事業継続のために必要なリモートワーク環境の整備を支援します。ワークショップやトレーニングをパートナー企業と実施するほか、日本独自の低価格なサブスクリプションを提供し、環境整備に努めます。

デジタルトランスフォーメーション実現に向けたアプローチ
次の 4 つのアプローチを元にデジタルトランスフォーメーションの実現を推進します。

セキュリティ基盤の確立

コロナ禍によるクラウド利用や、リモートワークが普及する中で、内部不正による情報漏洩も増加しています。企業や組織においては、社外からの脅威に対応するだけでなく、社内/社外といった境界線を問わない、ゼロトラストの考え方を採り入れたセキュリティ対策が必要です。

マイクロソフトでは、社員の ID 管理、デバイス、アプリケーション、データやクラウドインフラまで、包括的なセキュリティソリューションを提供し、お客様のデジタルトランスフォーメーション推進を支援します。

ワークスタイル変革 Next

お客様の事例から得た知見に加え、長年リモートワークに取り組んでいる自社の経験やノウハウについて、失敗談も交えて、お客様に積極的に共有します。これにより、多様な働き方を実現し、労働力確保につながるリモートワーク環境の普及を進め、より実践的な働き方改革に貢献します。

Microsoft 365 や Teams に組み込まれた AI を活用した、社員や組織の働き方の可視化と提案による業務の効率化や、デジタル化を進めることによるハンコ文化や紙ベースの業務からの脱却など、労働の質の向上を図ります。

次世代デジタル人材の育成

デジタルトランスフォーメーションの実現に不可欠な、IT 人材の育成を推進します。

  • 社会人向け: 実践的な AI に関する知識を習得できる経営層向けの AI ビジネススクールや、AI や IoT など最新技術に関するトレーニングをエンジニア向けに提供します。
  • 学生向け: 無料の e-Learning ツール「Microsoft Learn」によるオンラインでの学生向けプログラミング講座を提供します。
  • 教員向け: 教育課程における IT スキルの習得を支援するトレーニングを提供し、効率的な学習の実現を支援します。

アプリケーション開発の民主化

ビジネスと IT の一体化が進む中で、開発の内製化、ビジネスの現場でのアプリケーション開発が求められています。現場のニーズと開発のリソースのギャップを埋める手段として、ローコード/ノーコード開発ツールの普及を推進します。

Power Apps などのツール普及によるアプリケーション開発の民主化を進め、事業部門からのデジタルトランスフォーメーションを支援します。

改革を実現するマイクロソフトのビルディング ブロック

変革のエンジンとなるのがマイクロソフトのビルディング・ブロックです。

オープンソースの開発者コミュニティである GitHub や、オンライン教育コースを提供する LinkedIn、すべての基盤となるセキュリティから、クラウドのプラットフォーム、生産性ソリューションまで、お客様のニーズにあわせて、ブロックのように、様々なサービスを組み合わせ、ISV やパートナー企業のソリューションも加えることで、オープンで拡張性の高い包括的なソリューションを提供します。

“Transform Japan, Transform Ourselves”
日本マイクロソフトは、「お客様に寄り添い」ながら、日本の社会変革に向けたデジタルトランスフォーメーションの実現を推進します。また、我々自身も変革し続け、その経験と学びをお客様に共有していきます。

以上

本ページのすべての内容は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。正式な社内承認や各社との契約締結が必要な場合は、それまでは確定されるものではありません。また、様々な事由・背景により、一部または全部が変更、キャンセル、実現困難となる場合があります。予めご了承下さい。

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