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ホログラム、タブレット、Teams を活用して、英国最大の消防組織がデジタル化を推進

※ 本ブログは、英国時間 10 月 27 日に公開された “Holograms, tablets and Teams – one of the largest fire services in the UK is going digital” の抄訳です。

英国最大規模の消防救助組織が、Microsoft SurfaceMicrosoft 365Teams を活用してデジタル化を進め、緊急時の対応や新人隊員の訓練に役立てようとしています。

ウェールズの約 12,000 平方キロメートルを管轄する Mid and West Wales Fire and Rescue Service (英語) では、指揮官の隊員に Surface Go デバイスを支給し、交通事故現場への出動中に特定の車両の情報を閲覧できるようにしています。

これにより、事故現場に到着した指揮官は救助にあたる消防士に、閉じ込められた人を救出する際の車両の最適な切断箇所や、作動していないエアバッグを安全に無効化する方法を伝えることができます。また、事故の情報をリアルタイムに確認して、隊員どうしで即座に共有することもできます。

マイクロソフトのテクノロジは、すべての消防車に搭載されているモバイル データ端末と一緒に使用されます。この端末を使って、消防士は指令室と連絡を取り合うことができますが、車両から取り外せないことが難点でした。

Mid and West Wales Fire and Rescue Service で消防長を務める Chris Davies 氏は次のように述べています。「Surface Go を利用することで、指揮官はどこにいても事故に巻き込まれた車両に装備されている安全機能をすべて確認できます。そのおかげで、消防士は現場の状況に関してこれまで以上に多くの情報を得られ、死傷者を安全に救出できるようになりました」

Davies 氏は、リアルタイムのデータと Power BI の活用によって現場での活動が一変したと言います。「緊急時の情報にしても、山で負傷者を捜索するドローンからのライブ映像にしても、情報があることで隊員は状況をより詳細に把握することができます」

「平常時の活動にもテクノロジは役立っています。たとえば、Teams を使用して、ウェールズ全土の消防士に向けた訓練セッションを開催しています」

職員は 1,400 人おり、カーマーゼンシャー、ケレディジョン、ニース・ポート・タルボット、ペンブルックシャー、ポーイス、スウォンジーの 58 か所の消防署に配属されています。全職員が一堂に会し、訓練を受けるように手配することは困難です。

ウェールズには高速道路がほとんどないため、消防士は、1 ~ 2 時間の訓練に 6 時間もかけて移動することになります。Davies 氏は Teams ははるかに効率的で安全なソリューションであることに気が付きました。

「私は、より多くの職員にリモート会議を行うように勧めています。指揮官全員に本部まで出張してもらう必要がなくなるからです。Teams で会議を開く方がはるかに効果的です。参加意欲も各段に向上します。また、職員が早起きしてどこかに移動する必要がないため、移動中のリスクも軽減されます」

「このようにテクノロジをシンプルに活用することが、任務遂行のあり方を大きく変え、今の世の中のニーズに応えています」

6 年前に消防長に就任した Davies 氏は、Teams と Surface の活用による成果をさらに発展させようとしています。構想では、Microsoft HoloLens を使用して、ウェールズ中西部にある建物の実物大のホログラムを作成し、署での訓練中や緊急出動で現場へ向かう最中に、消防士が建物を確認したり、意見を出し合ったりできるようにすることを考えています。これが実現すれば、消防士は潜在的なリスクを理解し、建物の中に踏み込む際の安全なルートを見つけ出し、消火栓やスプリンクラーの位置を把握できるようになります。

現在、消防士はコンピューターの画面上に 1 本の線で描かれた建物を見ています。

HoloLens なら、ウェールズの石油精製所での緊急事態への対応方法について指揮官を訓練するのにも利用できるのではないかと期待されています。

Davies 氏はこう語っています。「この地域には多くの石油精製所があり、これまでも日ごろから各精製所で訓練を行ってきました。HoloLens を使えば、司令官が安全な環境にいながらリアルに近い体験ができ、実際の緊急時のシナリオに沿った訓練を行えるようになります」

「これが消防士の能力を訓練し維持する方法を変えると確信しています。何が可能かについて私が考えていたようなことは、マイクロソフトによって見事に吹き飛ばされました」

これは、公共機関のお客様のテクノロジの活用と、それによる働き方の改善を、マイクロソフトがどのような形で支援しているかを示す最新の事例です。

昨年、ウェールズは世界で初めて、学校で Microsoft 365 を無料利用できるようにした国の 1 つ (英語) となりました。ウェールズ政府は、生徒たちのテクノロジ利用を促進し、家庭や学校が負担するコストの削減を目的として、「所管対象」の 1,521 校すべてに、Word、Excel、PowerPoint などのソフトウェアにアクセスするための費用を拠出しています。

一方、6 月に NHSX、NHS Digital、マイクロソフトの間で締結された合意 (英語) では、NHS が数億ポンドのコストを節約できることが見込まれ、英国のすべての対象組織が Microsoft 365 のデジタル ツールにアクセスできるようになります。

英国マイクロソフトのパブリックセクター担当ゼネラル マネージャーの Chris Perkins は、次のように述べています。「企業や組織にとって、スタッフのコラボレーション、コミュニケーション、周りの状況についてのインサイト収集を支援するテクノロジの活用が、これほど重要な時代はありません。必要不可欠な公共サービスに従事し、私たちの安全と健康を守るためにたゆまぬ努力を続けている人々にとっては、なおさら重要なことです」

「Mid and West Wales Fire and Rescue Service は、テクノロジを大規模に導入し、消防士や職員が情報ネットワークを構築して、それらの情報を共有し、業務に活用できるようにしています。これは、高度な専門技能を備えた人々の手に最先端のテクノロジを委ねることで、画期的なソリューションを生み出すことができることを示す、すばらしい例です」

この顧客事例の詳細は、こちら (英語) をご覧ください。

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