Azure Quantum で現在の量子システムを探索

ジュリー ラブ (Julie Love) Microsoft Quantum 担当シニアディレクター

※本ブログは、米国時間 5 月 24 日に公開された “Explore today’s quantum systems with Azure Quantum” の抄訳を基に掲載しています。

企業やアプリケーションパートナーが Azure Quantum で新たな研究の道を切り拓いています。そこでは、Honeywell Quantum Solutions IonQ の最先端量子ハードウェア上で、量子アルゴリズムを構築し実行する実験が行われているのです。

量子コンピューティングの課題のひとつは、ハードウェアの機能が成熟する中で、どこに実用的なインパクトがあるか把握することです。今週の Microsoft Build では、マイクロソフトのマリア ミカイロヴァ (Mariia Mykhailova) が、Azure Quantum によって量子ハードウェア上で量子アルゴリズムの研究やテストをする際に、マイクロソフトの量子ソフトウェア開発ツールがどのように重要な役割を果たすかについて説明します。開発者がこの重要な分野のスキルを身につけられるよう、ハイブリッド量子ソフトウェア開発のワークフローをステップごとに分け、各ステップと関連ツールを詳細に解説します。その多くは、従来の開発者にとっても馴染みのある内容となっています。

Microsoft Build では、日本の石油企業最大手 ENEOS と、マイクロソフトの量子ネットワークパートナーである QunaSys が、Honeywell のイオントラップ型システムで実用的な量子化学研究に取り組んでいる内容をご紹介します。振動スペクトルは、化合物の特定や、化学反応における平衡構造および遷移構造の把握、自由エネルギーなどの熱力学的な量を理解する際に使われます。実験では、水とメタノールの分子振動モードをシミュレーションし、量子シミュレーションと既知の値が一致する様子をお見せします。こうした実験を現在入手可能なシステム上で実施することにより、将来スケールアップしたシステムがより大きな問題にどう対処するか判断するのです。よりスケーラブルな量子ハードウェアが登場した際にもこの知識は生かせます。Microsoft Build にて、「Develop and Run Quantum Algorithms on Today’s Systems with Azure Quantum」(Azure Quantum を活用し、現在のシステム上にて量子アルゴリズムを開発、実行する) のフルセッションをご覧いただければと思います。

Azure Quantum により、量子技術ソリューションを探索し構築する際に複数の手法を取ることが可能です。従来のハードウェア上で実行される量子インスパイアード最適化ソリューションの場合でも、現在の量子ハードウェア上で実行される量子ソリューションの場合でも同じです。Azure Quantum は、実験や量子ソフトウェア開発に向けた強力なツールと最先端の量子ハードウェアを提供するほか、学習リソースと活気的なエコシステムも用意しています。慣れ親しんだ信頼性の高い Azure プラットフォームにて、量子アルゴリズムの開発方法や、複数のプロバイダが提供する実際のハードウェア上でプログラムを構築し実行する方法が学べるのです。世界中の開発者やアプリケーションパートナー、そして企業が、Azure Quantum で実験を行い、現時点で入手可能な最高レベルの量子コンピューティング機能を利用しています。

今すぐ取り組みを始めましょう。そして、2021 年 7 月 1 日の Azure Quantum Developer Workshop 3 にて、Q#、QDK、Azure Quantum を使った量子開発を学んでください。

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