Microsoft Build において、開発者が今すぐに使えるツールを発表

※本ブログは、米国時間 2022 年 5 月 24 日に公開された “At Microsoft Build, Microsoft is delivering tools developers can use today” の抄訳を基にしています。

コミュニケーション担当コーポレートバイスプレジデント
フランク X. ショー (Frank X. Shaw)

Microsoft Build

オックスフォード大学の経済学者、コリン・メイヤー (Colin Mayer) 教授は、「ビジネスの目的は、人と地球の問題に対する有益な解決策を生み出すことだ」と述べ、現代の企業の役割を完璧に言い表しました。私たちが共に解決しようとしている課題は、決して固定的なものではありません。それらの課題が変化し、拡大する中、より良く、より速く、より効果的なソリューションを提供するツールやプラットフォームを生み出すことが、マイクロソフトの重要な任務となっています。

今日、開発者は、地球上のあらゆる産業や組織において、大小さまざまな問題を解決しています。そのため、今年の開発者向けフラッグシップイベント Microsoft Build は、マイクロソフトのルーツが色濃く反映されたものとなりました。もちろん、未来を想像することは心躍ることですが、マイクロソフトが Build で提供するのは、開発者が今すぐ使って実際に変化をもたらすことができるツールです。Build では、50 種以上の新製品と新機能を発表します。これらのアップデートやイノベーションの多くは、いくつかの重要なカテゴリーに分類されます。

  • 人工知能 (AI) AI 支援開発のインパクト – 開発者が集中ゾーン (フロー状態) を維持できるようにする
  • ウォールドガーデン (壁に囲まれた庭) のない、エッジエンドポイント向けの新しいハイブリッド AI アプリのパターンを含む、開発者向け Windows の幅広い機会
  • 開発者の生産性向上と同様に、自動化によって組織全体に同じフロー感覚をもたらすためのイノベーションを導入

ここでは、主な注目分野をご紹介します。

AI と AI 支援開発のインパクト

AI とコーディングは互いに深く結びついています。Build では、AI 開発を支援するために提供されているすべてのプラットフォームとツールの詳細をご紹介します。ここでの目標は、開発者のフロー感覚 (集中ゾーンに入り、留まること) を改善し、障壁を取り除くことで、最も重要なコードに集中できるようにすることです。主な発表内容は以下の通りです。

GitHub Copilot の一般提供開始: 昨年、マイクロソフトが提供開始した Copilot のプレビュー版はきわめて高く評価されており、登録ユーザーの 3 分の 1 以上が毎日使用するようになっています。

GitHub Copilot は、コードとコメントから推論されるコードの提案を行う AI ペアプログラマーです。今回、Copilot の一般提供が開始されたことで、より多くの開発者がこのツールを活用する機会を得ることができるようになります。これにより、AI によってコードを書くだけでなく、AI によってコードを理解し、将来的により良いコードを作成できるようになります。

Microsoft Dev Box: マイクロソフトは、ユーザーが物理的 PC に束縛されているという考え方を変えていきます。Microsoft Dev Box により、開発者は、仮想マシン (VM) を立ち上げ、クラウド上で自動的にプロビジョニングすることで、制限や遅延を減らすことができます。
今、開発者はマイクロソフトの AI ツールと AI 機能を搭載したクラウドを使って、必要なアプリを作成し、どこにでもデプロイできるようになりました。マイクロソフトは、開発者がボックスからクラウドに向かい、そして世界中のあらゆるエンドポイントに戻ることができる機能を提供できる唯一の存在です。

新たなエッジエンドポイント向けハイブリッド AI アプリパターン

開発者が複数のエンドポイントやニューラルプロセッシングユニット (NPU) を備えたインテリジェントなクラウドソリューションを探求する中、独自の機能を持つハイブリッドアプリの構築が自然な流れになっています。

しかし、その試みの多くは共通の問題で妨げられています。開発者は、特定のエコシステム (この場合はチップ) のために特定のコードを書かなければなりません。開発者は、ハイブリッドソリューションではなく、ウォールドガーデン (壁に囲まれた庭、クローズドプラットフォーム) で動作するアプリケーションを提供するために、個々のチップセットごとにコードを書くことを余儀なくされています。

マイクロソフトは、プロセスを自動化し、ハイブリッドアプリを実現するクラウド上のツールによって、開発者に壁の外で作業する自由を提供します。アプリ作成後に、マイクロソフトのサービスを使えば、チップセットに関係なく NPU をターゲットできます。

マイクロソフトは、ONNX RuntimeAzure Machine Learning、そして、AI ツールチェーンを用いて、クラウドからエッジを横断する AI 体験を構築するための強力なクロスプラットフォーム開発パターンを生み出しています。また、まもなく提供開始予定の Project Volterra は、AI 機能を搭載した開発キットであり、クラス最高の AI 演算能力と驚異的効率性を持つニューラルプロセッサを備えています。

あらゆる人に向けた AI と自動化の新時代

この Build における発表は開発者を主なターゲットとしていますが、シンプルで効率的、かつインテリジェントな方法でやりたいことを実現するツールを求めるのはあらゆる人に共通であることを、マイクロソフトは認識しています。そのために、以下のような、AI や自動化が支援する、誰にでも使えるツールも紹介していきます。

  • Microsoft Power Pages は、ローコードの開発とホスティングのプラットフォームです。ローコードメーカーからプロの開発者まで、誰もがスムーズなビジュアル体験を通じて、デスクトップとモバイルの両方のウェブサイトを設計、構成、公開できるよう支援します。
  • Express Design in Power Apps は、PDF、PowerPoint だけでなく手書きのスケッチでもアップロードすると数秒で実行可能なアプリに変換してくれます。
  • Dynamics 365 の顧客サポート向けテキストサマリー機能により、ユーザーは複雑な会話を要約することで、処理時間を短縮し、仕事の満足度を向上させることができます。

このようなシナリオにより、ユーザーが、クラウドベースの AI スーパーコンピュータの力を借りて、迅速かつ効果的に仕事を成し遂げられるようになります。これが、マイクロソフトが考える、人々の働き方や生き方を変えるためのツールです。

イノベーションは続く

ここで紹介したのは、Build で発表する新機能や新製品のほんの一部にすぎません。他の注目すべき内容には以下のものがあります。

  • 一般提供開始された .NET Multi-platform App UI (.NET MAUI) などのクラウド開発環境と DevSecOps。
  • サーバーレスのコンテナホスティングサービスである Azure Container Apps などの、新たなレベルのスケール、パフォーマンス、信頼性を提供するクラウドネイティブアプリケーションにより、開発者はクラウドインフラの管理ではなく、アプリケーション開発に集中できるようになります。
  • The Microsoft Intelligent Data Platform は、データベース、分析、ガバナンスを統合する新しい統合プラットフォームであり、企業のお客様が、断片化したデータ資産の統合や管理の負担を減らし、価値創造に多くの時間を費やせるよう支援します。
  • Microsoft Store Ads は、アプリやゲームを適切な顧客に適切なタイミングで提供することで、開発者のビジネス成長を支援するための新しい製品です。今後数カ月内に、開発者の皆様はパイロットプログラムに参加し、Microsoft Advertising を使用して Microsoft Store 向けの広告キャンペーンを作成できるようになる予定です。
  • Teams のアプリ向け Live Share における新たな体験は、Teams の会議ステージをインタラクティブにすることで、会議での画面共有を次のレベルへと導きます。開発者は、会議参加者が新たな方法で共有コンテンツを編集、注釈、ズームイン/アウト、対話できる Teams の Live Share アプリケーションを構築できるようになります。
  • メタバースが、まったく新しいフィードバックループとビジネス機会を生み出しています。マイクロソフトは、スタックのすべてのレイヤーでメタバース体験を実現しています。これにより、お客様は産業環境の変化をより効果的にモデル化、自動化、シミュレーション、予測し、ハイブリッドワークの新しい世界で臨場感を感じ、つながりや実験の新しい機会を実現するための独自の没入感のある世界を実現できます。

かなり多岐にわたる内容ですが、さらに詳しい情報やサティア ナデラの基調講演の視聴は、下記をご覧ください。Build のすべての発表資料、画像、動画等も下記に公開しています。
https://news.microsoft.com/build2022/

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