マイクロソフトが掲げるミッションは、「地球上のすべての個人と組織が、より多くのことを達成できるようにする」です。その達成に向け、すべての人々をエンパワーするためには、ダイバーシティ & インクルージョンは当社の重要なテーマです。社内ではこれを推進する組織のひとつが社員主体の活動、ERG (Employee Resource Group) であり、現在日本国内では “GLEAM” “disAbility” “Working Parents Community” “Women at Microsoft (WAM)” の 4 つのコミュニティが活動しています。今回は 5 月下旬に開催された、それぞれの活動と理解を深める社内イベントの様子と、そこで得た気付きをご紹介いたします。
(1) GLEAM Japan の取り組み
GLEAM (Global LGBTQIA + Employees and Allies at Microsoft) では LGBTQIA + の目線から、ミッション達成に向け活動しています。本社のあるシアトルでは 1980 年代から活動が始まり、日本支部が誕生したのは 2013 年。今年でちょうど 10 周年を迎えました。発足当初は人事部と協力し LGBTQIA+ に配慮した就業規則の制定やコミュニティ運営など、主に社内の環境づくりに取り組んでいましたが、近年その活動は外部に向けた発信へ広がっています。
▪ 東京レインボープライド 2023 協賛
東京レインボープライドは、2012 年より代々木公園を起点に開催されている LGBTQIA + と Ally (支援者) が参加するイベントです。今年も日本マイクロソフトはこれに協賛し、イベントに参加いたしました。出展ブースでは、30 名以上の社員や家族がボランティアに参加し、フォトブースの設置や、マイクロソフト製品をモチーフにしたレインボーステッカーを配布。2 日間で 2,000 名以上のお客様にお立ち寄りいただきました。
社内イベントでは、東京レインボープライド参加者が登壇し、様々な声を共有しました。
▪ 参加したきっかけ
- GLEAM Japan のニュースレターで活動を知り、また過去に友人がパレードに参加していたので興味を持った。
- 所属する部署は多様性が豊かで、日本人は私 1 人。人種や民族など D&I 意識の高い方が多く、自分も勉強したいと参加した。
▪ 参加して感じたこと
- 初めて参加した 4 年前に比べ来場者が増え、世の中の関心の高さを肌で感じた。イベントの認知だけでなく、その目的まで多くの方に知ってもらいたい。
- 来場者とのやりとりだけでなく、多くの社員と接し、皆さんのモチベーションの高さや活動の素晴らしさを実感した。
- 来場者に説明するために言語化することで、マイクロソフトの活動や自分自身の考えの解像度を高められた。同時に、まだまだ勉強が足りないという気づきもあった。
- 他社ブースをまわり、展示の工夫ほか各社の取り組みに触れることができ、大きな学びがあった。
このほか登壇者が共通して発言していたのは、「はじめの一歩は勇気がいる」ということ。社内では GLEAM Japan の Teams コミュニティのほか、LinkedIn Learning コースに様々なコンテンツを用意し、気軽に一歩を踏み出せる環境づくりにも取り組んでいます。
そして今月は、Pride Month です。マイクロソフトでは様々なプロダクトチームから取り組みも発表され、すべての人々がより自分らしくいられる社会の創造に取り組んでいきます。
Make Pride | Microsoft Unlocked (英語サイト)
イベント | プライド月間を楽しもう! Xbox Game Studios Publishing が GLAAD との継続的なパートナーシップを発表
(2) disAbility ERG の取り組み
「障碍がある人にとっても働きやすい環境を目指す」「セミナーなどを通じ、インクルーシブな環境をつくるための認知活動」「サポートが必要な人への支援」という 3 つの柱のもと活動しています。毎年 5 月の第 3 木曜日は、障碍のある方のデジタル アクセシビリティやインクルージョンへの理解と意識を高める Global Accessibility Awareness Day (GAAD) です。世界各地で様々なイベントが開催され、この GAAD にちなみ、社内でも学びの機会を企画しました。
▪ 日本聴導犬協会からゲストを迎えイベントを実施
日本聴導犬協会は「より多くの聴導犬・介助犬を育成し、必要とする方に無料で届ける」、「動物福祉の観点から、飼い主のいない犬を保健所などから保護し育成する」という理念を掲げ活動しています。イベントでは、聴覚障碍のある方を取り巻く環境のほか、安全と安心を 24 時間体制で支える 3 頭の聴導犬・介助犬の紹介とデモンストレーションが行われ、社員だけでなく disAbility ERG の当社担当役員も参加し、実際に聴導犬のサポートを体験しました。
(Photo1 例: 起こしてくれるシーン)
(Photo 2 例: 車椅子の方が落としたクレジットカードを拾うシーン)
▪ イベントに参加した社員の声
- 聴導犬はドアベルや目覚まし、電話の着信といった生活音から、銀行などの受付呼び出しといった屋外活動の様々な音を聞き分け知らせるそう。その能力の高さに驚いた。
- 障碍のある方は人に頼まなければならない状況が多く、それが心の負担となり、周りに遠慮しがちと知った。自分から声をかけられるよう、率先して行動したいと思った。
- 聴覚障碍は外見から分かりづらいとのこと。聴導犬が家族や社会とのコミュニケーターの役割を果たし、障碍のある方の孤立を回避し防災にも役立つそう。聴導犬がもっと広まってほしい。
- 現在国内で活躍する聴導犬は、約 60 頭とのこと。まだまだ認知が足りず、支援の必要性を感じた。
disAbility ERG ではこのようなセミナーを通じ、インクルーシブな環境を作るための認知活動を引き続き行い、障碍のある方にとって働きやすい環境づくりの実現に向けて活動していきます。
(3) WAM & Working Parents Community の取り組み
「すべてのジェンダーが等しく成功すること」という理念のもと活動する WAM (Women at Microsoft) と、発足から 20 年以上にわたり、働く親たちを中心とした様々な活動を続ける Working Parents Community 初の共同イベントが開催されました。イベントには NPO 法人ファザーリング・ジャパンのファウンダー/代表理事の安藤哲也氏を迎え、令和時代のキャリア & ライフデザインと題し、仕事と家庭の両立について理解を深めました。
▪ ファザーリング・ジャパンの知見から、仕事と家庭の両立を学ぶ
「父親であることを楽しもう」という理念を掲げ、父親育児の環境づくりと支援に取り組むファザーリング・ジャパン。イベントでは安藤氏の実体験を始め、育児環境の現状や諸外国との比較、父親が持つ家庭や仕事の悩みとその解決策、さらに父親育児のメリットなど、様々な情報を教授いただきました。オンライン含め 100 名以上が参加し、質問も多く寄せられ、テーマへの関心の高さが伺えました。
▪ イベントに参加した社員の声
- 父親に “なる” ではなく、父親を “する” という考え方が印象的だった。
- 3 歳までのスキンシップを母親に丸投げすると後々大変になるとは…。子どもの自己肯定感を育む上で、父親育児が大事だと知った。
- パパだけのチャットルームで育児や家庭の悩みなどを相談し合う、ガス抜きのアイデアは良いと思った。
- 仕事も育児も家事も、完璧を目指さず 7 掛けでというのは納得。
- ハッとさせられた点も多かった。笑っている父親を目指したい。
- 男女の役割分業意識と働き方の見直しは、本当に必要だと感じた。
- 夫婦で休みを取るルール決めについて、その日仕事の軽い方が休むのは良いアイデア。
「家事・育児を夫にお願いしないといけない状況を変えるには?」という質問には、「今日のセッション (の録画) を一緒に見てほしい」と安藤氏。少子化が進む現代で、仕事と育児の両立はもはや個人の問題ではなく、職場や社会全体で取り組むべき課題です。Working Parents ERG は、子育て中の方はもちろんあらゆる方に参加いただき、この課題に取り組みたいと考えています。
マイクロソフトの文化を体現し、理解をさらに深めていくために。社員コミュニティの活動は、私たちが描くミッションを実現するための大きなパワーになると考えています。今年度は「インクルージョンはイノベーションである」を年間標語に掲げ、継続的にダイバーシティ & インクルージョンの学びや関心のリレーを行っておりますが、こういった機会ごとに気付くのは、毎回新しい学びがあることです。私たちの取り組みが、すべての人がより多くを達成できるようなイノベーションを起こせるよう、日々学びを続けていきます。
マイクロソフトにおけるダイバーシティ & インクルージョンの取り組みについて、もっと知りたい方はこちらをご確認ください。
Diversity & Inclusion Report (英語)
Ability Summit 2023 レポート
ミッション&カルチャー 日本マイクロソフト キャリア採用情報 (microsoft.com)
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