マイクロソフトは、アジア太平洋地域における人工知能 (AI) 研究とイノベーションの推進を強化するため、東京に新たな研究拠点である Microsoft Research Asia-Tokyo (マイクロソフトリサーチアジア東京) を設立したことを発表します。この戦略的拠点拡大は、人類の利益のために科学技術を進展させるというマイクロソフトリサーチの使命において重要な一歩です。
目的とビジョン
東京ラボは、embodied AI、ウェルビーイング&ニューロサイエンス、societal AI、インダストリーイノベーションなど、日本の社会経済的優先事項に即した重要な分野に焦点を当てます。これらの研究活動は、先端技術を活用して社会の進歩を促し、地域のイノベーションエコシステムに貢献することを目指しています。
マイクロソフトコーポレーション 最高技術責任者 Kevin Scott (ケビン スコット) は次のようにコメントしています。
「日本では何世紀にもわたって革新と匠の技による素晴らしい伝統が育くまれ、力強くエンジニアリングと研究文化を支えてきました。私たちは、この長い日本の伝統が息づく東京に、研究拠点を構えることができることを光栄に思います。マイクロソフトリサーチアジア東京の設立は、最先端の研究と AI イノベーションを推進するという我々のコミットメントを象徴する重要なマイルストーンです。このラボは、societal AI や embodied AI といった分野で進展を生み出し、それぞれの場所における課題に取り組み、世界規模の技術革新に寄与する役割を担います。」
東京ラボの責任者である松下康之博士は、この新たな挑戦に大きな期待を寄せています。「AI の急速な進化に伴い、地域的そして世界的に意味のある貢献ができる大きな機会があります。東京は技術革新と協力の中心地です。私たちの東京ラボは、日本が誇る豊かな才能と多様な視点を活かし、学術界と産業界の最高の頭脳を結集して革新的な解決方法を追求してまいります。」
また、MSR Asia のコーポレートバイスプレジデントである Lidong Zhou (リドン ジョウ) 博士は次のように述べています。
「東京ラボの設立は、マイクロソフトリサーチ (MSR) のグローバルな拡大と日本との長年にわたる協力関係の賜物です。日本との協力は 2005 年の Mt. Fuji プログラムから始まり、MSR Asia は日本の学術界およびイノベーションコミュニティと深く意義のある関係を築いてきました。研究協力や人材育成、学術交流を促進し、この基盤のもとでさらなるイノベーションを共に推進できることを楽しみにしています」
研究テーマと取り組み
東京ラボでは、研究者が技術の限界を超えるための革新的な環境を提供することを目指しています。主な研究テーマは次のとおりです。
- Embodied AI: 複雑なタスクをこなし、物理的および仮想的な環境での理解や対話ができるインテリジェントシステムの開発。
- Societal AI: AI が社会に及ぼす影響を探求し、技術が人類の利益に役立つようにする。
- ウェルビーイング&ニューロサイエンス: ニューロサイエンスからのインスピレーションを得て、人間とAIのインターフェースを再構築し、AI をウェルビーイング向上のために活用する。
- インダストリーイノベーション: 学際的かつ境界を超えた研究を通じて、現実のニーズを理解し、産業パートナーと協力してイノベーションを促進。
東京ラボの設立を通じ、MSR Asia は地域のパートナーとの連携をさらに深め、異文化間および学際的な交流を通じて、技術の進歩を加速させていきます。
人材育成へのコミットメント
MSR Asia の使命の核には、次世代のイノベーターの育成があります。東京ラボは、共同研究プロジェクト、インターンシップ、招聘研究員プログラムなど多様な人材プログラムを実施します。これにより、キャリアの初期段階にあるプロフェッショナルが実践的な経験を積み、複雑な技術課題に対処するために必要なスキル習得を支援します。
松下博士は次のように語ります。「社会問題の解決に情熱を持つ好奇心旺盛で自発的な人材を求めています。私たちは、才能が活躍し、世界の技術進歩に貢献できる支援的な環境を創造します。」
AI 研究の明るい未来
東京ラボの開設は、アジア太平洋地域における AI 研究を主導する MSR Asia の継続的な取り組みを象徴しています。日本への拠点拡大により、協力体制を強化し、日本の優れた技術基盤を活かしたいと考えています。この新たな旅を始めるにあたり、私たちは研究成果を広く共有し、業界全体に貢献し、グローバルな知識の蓄積をより豊かにしていくことをお約束します。
マイクロソフトリサーチアジア東京開設にあたり、日本マイクロソフト株式会社 代表取締役社長、津坂美樹は、次のようにコメントしています。
「マイクロソフトリサーチアジア 東京ラボの開設は、サイエンスを通じて日本社会の活性化に貢献する重要な一歩です。AI イノベーションに焦点を当てた研究拠点として、日本特有の社会課題の解決に貢献することを期待しています。日本マイクロソフトは、国内のデータセンターへの投資やリスキリング支援に加え、本ラボとの連携を通して、今後も日本の発展に寄与いたします。」
写真左から: リドン ジョウ (マイクロソフトリサーチ アジア マネージングディレクター)、アシュリー ロレンス (マイクロソフトリサーチ アクセラレーター、コーポレートバイスプレジデント)、ピーター リー (マイクロソフトリサーチ プレジデント)、坂本修一 様 (文部科学省 サイバーセキュリティ・政策立案統括審議官)、ケビン スコット (マイクロソフト コーポレーション 最高技術責任者)、アラン ターリー 様 (在日アメリカ大使館 商務公使)、津坂 美樹 (日本マイクロソフト株式会社 代表取締役社長)、ダグ バーガー (マイクロソフトリサーチ コア、コーポレートバイスプレジデント)、松下 康之 (マイクロソフトリサーチ アジア 東京 シニアディレクター)
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