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マイクロソフト、Azure Percept により新たな方法でエッジ AI を提供

ジョン ローチ (John Roach)

本ブログは、米国時間 3 月 2 日に公開された “With Azure Percept, Microsoft adds new ways for customers to bring AI to the edge” の抄訳を基に掲載しています。

音声コマンドに応答するエレベーター、店舗管理者に在庫補充を促すカメラ、ATM や駐車場などあらゆるものの空き情報を教えてくれる動画ストリーム。

これらは、人工知能とエッジコンピューティングの組み合わせにより可能になる数 100 万ものシナリオのほんの一例です。スタンドアローンのエッジデバイスは、クラウドコンピューティングの機能を常時アクセスすることなく、AI ツールを活用してテキストの翻訳やイメージの認識を行うことができます。

デジタルカンファレンス Ignite において、マイクロソフトは、デバイス管理、AI モデル開発、アナリティクスなどの Azure クラウドサービスの活用により、エッジにおける Azure AI テクノロジの利用を容易にできるハードウェアとサービスのプラットフォーム、Azure Percept のパブリックプレビューを発表しました。

マイクロソフトのエッジ&プラットフォームグループ担当コーポレートバイスプレジデント、ローン ソーンズ (Roanne Sones) は、この新製品の目標が、お客様に技術的なノウハウがなくてもすぐに稼働できる、ハードウェアから AI 機能に至る単一の総合的システムを提供することであると述べています。

Azure Percept プラットフォームには、インテリジェントカメラ Azure Percept Vision と開発キットが含まれます。また、開発、訓練、概念実証の展開といった AI ライフサイクルの全体にわたって、経験に応じて最初に行うべきことをガイドしてくれる Azure Percept Studio も提供されます。

たとえば、生産ラインで不良品を自動的に識別し、出荷前に除去できるようにするシステムを構築したいとしましょう。

Azure Percept Vision、そして (開発キットとは別に提供される) Azure Percept Audio では、ハードウェアアクセラレーションを備えた組み込み AI モジュールが提供され、デバイスがインターネットに接続されていない時でも音声認識や画像認識機能を提供します。クラウド上の Azure サービスに接続し、これは、デバイスがクラウドへの接続時間なしに高速な計算を行う必要があるシナリオ、あるいは、僻地にある工場のようにインターネット接続が不安定な環境において有用です。

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ハードウェアの発表に加えて、マイクロソフトは、Azure Percept プラットフォーム向けに認証されたインテリジェントエッジデバイスのエコシステム構築のために、サードパーティのチップや機器メーカーと協業していることを公表しています。

「まず最も一般的な AI ワークロード、すなわち、画像認識と音声認識から始め、その設計図をメーカーに提供することで基本を習得してもらいます。メーカーは、それに基づいて、様々な応用を構想することができます」とローンは述べています。

エッジ AI をよりアクセスしやすく

マイクロソフト、Azure エッジ&デバイスグループのバイスプレジデント兼ゼネナルマネージャー、モー タナビアン (Moe Tanabian) は、Azure Percept プラットフォームの目的が、エッジ AI ソリューションの開発、訓練、展開を、多くのお客様にとって容易にすることであると述べています。

たとえば、今日で最も成功したエッジ AI の実装においても、エンジニアがデバイスの設計開発を行い、データサイエンティストがそれらのデバイス上で稼働する AI モデルの開発と訓練を行うことが必要です。エンジニアリングとデータサイエンスは、それぞれ高度な訓練を求められる独自のスキルです。

「Azure Percept はその障害を排除しました。多くのユースケースにおいて、AI ベースのソリューション開発に必要なスキル要件を大幅に低減し、組み込みシステムやデータサイエンスに関する高度なスキルなしにシチズンデベロッパーが開発を行えるようにしました」とタナビアンは述べています。

また、Azure Percept 開発キットのハードウェアは、業界標準の 80/20 T-スロットフレームに対応しており、小売店舗や工場などの既存施設を使用して、認証済みデバイスによる本格展開前の概念実証を容易に行うことができます。

Azure Percept 開発キットで概念実証のプロジェクトを実施しているお客様は、Azure AI Cognitive Services と Azure Machine Learning モデル、そして、オープンソースコミュニティが開発したエッジで実行される AI モデルにアクセスできます。

さらに、Azure Percept デバイスは自動的に Azure IoT Hub に接続し、IoT デバイスとクラウド間でのセキュリティが保護された信頼性の高い通信が実現されます。また、お客様は、Azure Percept ベースのソリューションを、Azure Machine Learning のプロセスと統合し、データサイエンスと IT 運用を組み合わせて、企業による機械学習モデルの開発をさらに加速することができます。

マイクロソフトは、今後数カ月間に、Azure Percept 認定済みのサードパーティデバイスの数を拡大することを目指しています。これにより、Azure Percept 開発キットによりエッジ AI ソリューションの概念実証を構築するユーザーが、市場で入手した認証デバイスを利用可能になると、Azure エッジ&プラットフォームグループのプロダクトマネージャー、クリスタ サン ピエール (Christa St. Pierre) は述べています。

「マイクロソフトの開発キットを使ってプロトタイプを構築したお客様が、認証済みデバイスを購入された場合、追加の作業は必要ありません。」

セキュリティと責任

Azure Percept は、Azure 上で稼働するため、既にセキュリティ保護機能が取り込まれています。

また、Azure Percept プラットフォームの開発キット、サービス、Azure AI モデルなどの全構成要素は、マイクロソフトの責任ある AI の基準、すなわち、公平性、信頼性と安全性、プライバシーとセキュリティ、包摂性、透明性、説明責任への準拠に対する社内評価プロセスの対象になっています。

現在、Azure Percept のチームは一部の初期顧客と協業し、エッジデバイスの AI の責任ある開発と展開に関する考慮点を理解しようとしています。チームは、責任ある AI の実装のために、ドキュメンテーション、そして、Fairlearn や InterpretML などのツールキットを提供しています。

最終的に、マイクロソフトは、Azure サービスを利用するインテリジェントエッジデバイスのエコシステムを構築したいと考えています。これは、Windows オペレーティングシステムがパーソナルコンピューターの市場を形成したのと同じ構図です。

「マイクロソフトはプラットフォーム企業です。エッジに存在する数 10 億個ものデバイスを Azure に接続するという目標の達成はマイクロソフトが提供するデバイスだけでは不可能です。これが、エコシステム中心型の戦略を取っている理由です」とソーンズは述べています。

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